マクラーレン、大阪ミナミにショールーム「マクラーレン大阪八光」オープン
アジア太平洋地域初、MP4-12Cやローリングシャシーも展示

アジア太平洋地域初のショールーム「マクラーレン大阪八光」

2012年3月3日オープン



 マクラーレン・オートモーティブは3月3日、アジア太平洋地域初となるショールーム「マクラーレン大阪八光」を大阪にオープンした。マクラーレン大阪八光は、大阪の中心街である御堂筋沿い(大阪府大阪市中央区北久宝寺町)に開設。この地区は、大阪ミナミにあたり各種のブランドショップなどが進出している。

一般向けの展示としては、国内唯一の個所となる

 ショールームでは、一般向け初展示となる「MP4-12C」のほか、ローリングシャシー、そしてマクラーレンのF1マシンが展示されていた。このショールームのデザインは、マクラーレン本社が行ったもので、天井から床材、そして各種イスやテーブルなども全世界のマクラーレンショールームで統一されたものとなる。

MP4-12Cローリングシャシー。内部構造がよく分かる

八光カーグループ代表取締役 池田淳八氏

 マクラーレン大阪八光を運営するのは、京阪神・中京地区にフィアットやマセラティなどの輸入車ディラーを展開する八光カーグループ。その代表取締役である池田淳八氏に、マクラーレン大阪八光についての話をうかがった。

 池田氏によると、3年ほど前に突然マクラーレン本社からディーラーを運営しないかという電話があったと言う。興味があると答えると、そこからビジネスとしての話が始まり、各種調査の結果、世界19カ国35店舗のマクラーレン正規販売代理店ネットワークの1つになったとのこと。

 マクラーレンの国内ショールームは、この大阪八光のほか、エムティーインターナショナルによる東京ショールームの開設が予定されている。大阪八光の商圏は、静岡から九州までを見ており、MP4-12Cの注文もすでにいくつか入っていると言う。

 池田氏は、MP4-12Cについて「マクラーレンはF1でもトップブランドのチーム。ボディーデザインもファッション性が高く、王室の国であるイギリスのファッションデザインがクルマに反映されている」と言う。最高出力441kW(600PS)という圧倒的なパフォーマンスについては、「いろいろな意味で裏切らないクルマ、街中でも安心して運転できる」と、その扱いやすさを強調した。

ショールーム内は、マクラーレン本社によってデザインされている

 また、マクラーレン大阪八光には、ホンダエンジンを搭載したF1マシン「MP4/4」が展示されているが、これは1988年のF1開幕戦ブラジルグランプリでアイルトン・セナ選手が実際に使用したマシン。予選ではポールポジションを獲得したものの、決勝では失格した(優勝はチームメイトのアラン・プロスト選手)マシンそのものとなる。これは、マクラーレン・オートモーティブの代表であるロン・デニス氏からマクラーレン大阪八光に貸し出されたもの。アジアでは、中国など新興国市場の伸びが著しいが、「日本で評価されたものは、中国などで高い評価となる」(池田氏)と言い、マクラーレンが日本市場に対して高い期待を持っていることの証だと言う。

ロン・デニス氏から貸与されたF1マシン。ロールバーには、「Senna」の文字が刻まれている

マクラーレン・オートモーティブ 中東・アフリカ・アジア太平洋担当リージョナルディレクター イアン・ゴーサッチ氏

 マクラーレン・オートモーティブの中東・アフリカ・アジア太平洋担当リージョナルディレクターを努めるイアン・ゴーサッチ氏は、「日本市場は非常に技術的に進んだ市場」と捉えており、「MP4-12Cは、フレームやサスペンション、エアロダイナミクスにF1のテクノジーを採り入れている。日本はこの技術を分かってもらえる市場だと思っている」と言い、日本のユーザーのクルマに対する理解度の高さを評価しているようだ。

 フェラーリやランボルギーニなど従来のスーパースポーツカーとの違いもそこにあり、F1の技術を背景にした「モノセル」と呼ばれる一体成型のカーボンモノコック、トランスミッションの7速デュアルクラッチ「シームレスシフト ギアボックス」、リアタイヤにブレーキをかけてアンダーステアを抑制する「ブレーキステア」などがポイントだと言う。「フェラーリにはフェラーリのよさがあり、ランボルギーニはランボルギーニのよさがあるように、マクラレーンにはマクラレーンのよさがある」とし、「MP4-12Cのサスペンションシステムは、アンチロールバーがないが、3モードの切り替えを持っている。これにより、高速域から、日本の渋滞のような低速域まで対応する」と幅広い対応性を持っているのも特徴になる。

 MP4-12Cは、4月に東京のショールームがオープンするまでは、この大阪八光がアジア・太平洋地域で唯一の展示となる。ビジネス街からもほど近いため、多くの人に立ち寄っていただければとのことだ。


ショールームのオープニングパーティでは、英国総領事館のサイモン・フィッシャー氏が日本語で挨拶。マクラーレンは、イギリスを代表するテクノロジー企業であると紹介した

ショールーム概要
住所:大阪府大阪市中央区北久宝寺町3-5-12
TEL:06–6121-8821
FAX:06–6121-8820
営業時間:10時~20時
定休日:水曜日
展示車両:
McLaren MP4-12C
MP4-12C ローリングシャシー
McLaren MP4/4 #12 アイルトン・セナ車


(編集部:谷川 潔)
2012年 3月 5日