スーパー耐久シリーズ開幕、「SUPER TEC」リポート
初登場メルセデスSLS AMG GT3が余裕のデビューウイン

富士スピードウェイで開幕したスーパー耐久シリーズ

2012年3月25日開催



 3月25日、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)にてスーパー耐久シリーズ第1戦「SUPER TEC」が予選・決勝ともに行われた。昨年までST-1クラスを席巻してきたPETRONAS SYNTIUM TEAMがGT3に移行し、ニューマシンであるメルセデスSLS AMG GT3(谷口信輝/ファリーク・ハイルマン/ドミニク・アン)で快走。昨年のアウディR8 LMSを超える134周を記録し総合優勝を飾った。

クラス順位号車マシン名(ドライバー名)
GT31位1号車PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3
(谷口信輝/ファリーク・ハイルマン/ドミニク・アン)
2位28号車PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3
(メルビン・モー/片岡龍也/ジョノ・レスター)
ST-11位25号車SAMURAI Porsche
(土屋武士/神取彦一郎/松井孝光)
2位3号車ENDLESS ADVAN 380RS-C
(峰尾恭輔/谷口行規/高木真一)
3位9号車Faust Racing Team
(堀主知ロバート/岡本武之/佐藤茂)
ST-21位6号車新菱オート☆DIXCELエボIX
(冨桝朋広/菊地靖)
2位59号車Sturm・MOTUL・ED・インプレッサ
(大沢学/吉田寿博/松田晃司)
ST-31位34号車assetテクノZ34
(佐々木雅弘/前嶋秀司)
2位14号車岡部自動車マイロード協新計測RX-7
(小林一臣/杉林健一/増田芳信)
3位15号車岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34
(長島正明/田中徹/田中哲也)
ST-41位62号車ホンダカーズ東京SUNOCOインテグラ
(塩谷烈州/太田侑弥)
2位18号車コスモソニックFK・ings DC5
(浅野武夫/森正行/笠原智行)
3位38号車TRACY SPORTS S2000
(藤村政樹/藤田竜樹/筒井克彦)
ST-51位36号車エンドレス アドバン トラスト ヴィッツ
(添田正/岩谷昇/井尻薫)
2位4号車アイクレオ&サムライジーンズ&ビーラインTSKVitz
(河野利尚/植島禎一/伊藤俊哉)
3位71号車ピースMS NUTEC 制動屋Vitz
(西畑正樹/柴田正一/大瀧賢治)

GT3クラス
 昨年新設されたGT-Xクラスが、FIA-GT3車輛を使用することを強調するため、GT3クラスへと名称変更された。ここ数年ST-1クラスで圧倒的な速さ誇ったPETRONAS SYNTIUM TEAMがメルセデスSLS AMG GT3で2台体制で臨んだものの、ほかのチームからのエントリーがなく、チームメイト同士のバトルとなり1号車が競り勝った。途中2台同時にピットインしてしまうトラブルなど課題も残るレース運びではあったが、その速さは圧倒的で1号車は総合優勝も獲得した。

PETRONAS SYNTIUM TEAMのチームメイト対決は1号車の勝利1号車には遅れを取るものの総合でも2位の28号車痛恨の同時ピットイン。ここで28号車は大きく遅れる事となる。

ST-1クラス
 昨年に引き続きBMW Z4クーペで参戦するFaust Racing Team、日産フェアレディZ 380RS-Cで久々のST-1クラス年間エントリーのENDLESS SPORTSに加えTEAM SAMURAIがポルシェ911 GT3でスポット参戦。3台で争われたST-1クラスは前半ENDLESS ADVAN 380RS-Cがリードするもマシントラブルでピットストップを余儀なくされ、予選でコースレコードをマークしたSAMURAI Porscheが勝利した。土屋武士は自分のチームで嬉しい初優勝となり、これからもS耐に出続けたい語った。

SAMURAI Porscheで土屋武士はチームオーナーとして嬉しい初優勝シーケンシャルミッションを装着して戦闘力を増したENDLESS ADVAN 380RS-C不調のためピットインを繰り返したFaust Racing Teamは3位に終わる

ST-2クラス
 予選でトップタイムの新菱オート☆DIXCELエボIXと、2位のRSオガワADVANランサーが決勝序盤でもバトルを繰り広げた。26周目RSオガワADVANランサーがオレンジボール旗でピットイン、コースに復帰するものの今度は駆動系にトラブルが発生しリタイア。今季から4ドアの新型インプレッサを投入したSturm・MOTUL・ED・インプレッサの追撃を振り切り新菱オート☆DIXCELエボIXが優勝した。ほかのエボ勢はリタイアが続き結果的にはこの2台のみの完走となった。冨桝朋広選手は11年目の初優勝。

新菱オート☆DIXCELエボIXで冨桝選手は悲願の初優勝新型の4ドアインプレッサ(GBV)が初登場

ST-3クラス
 予選トップタイムのassetテクノZ34が途中黄旗追い越しでのドライブスルーペナルティを受けるものの逃げ切って勝利した。新旧フェアレディZ、レクサスのIS・GS、RX-7、NSX、ロータスエクシージと最も多彩な車種で争われるST-3は、コースの特性やコンディションによって今後多彩なバトルが楽しめそうなクラスだ。

混戦のST-3を制したのはassetテクノZ342位に岡部自動車マイロード協新計測RX-73位には岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34

ST-4クラス
 13台のホンダ勢が連なった激戦のST-4クラスの予選を制したのは昨年の覇者ホンダカーズ東京SUNOCOインテグラ。危なげない走りで何と2位のコスモソニックFK・ings DC5に1周近く差をつけ快心の勝利。ST-4は話題のトヨタ86/スバルBRZ も今後参戦するであろうクラス。熟成進むホンダ勢にどう対抗するかも見物だ。

ホンダカーズ東京SUNOCOインテグラの圧勝2位にコスモソニックFK・ings DC53位にTRACY SPORTS S2000

ST-5クラス
 ヴィッツ、フィットに加え今年からマツダのデミオが参戦。エンドレス アドバン トラスト ヴィッツが圧勝。BRP☆HYPER ECU C72制動屋J'Sフィットがファステストラップをとり、その速さを見せるも完成度に勝るヴィッツ勢が1~3位を独占した。

1位にエンドレス アドバン トラスト ヴィッツ2位はアイクレオ&サムライジーンズ&ビーラインTSKVitz3位にピースMS NUTEC

今年も各チームのレースクイーンがサーキットに華を添えます。
レースクイーンに混じって元 光GENJIの山本淳一さんの姿も
FUJI SPEEDWAY MOTOR SPORTS DREAM 2012が同時開催されており、パドックではさまざまなイベントが行われていた。その一角にはトヨタ86のS耐ST-4仕様(?)も
富士スピードウェイで2013年からスタートする「インタープロト」シリーズの記者発表が行われ、その概要と使用されるマシンが発表された。ピットウォークの時間帯に谷口信輝選手によるデモランがコース上で行われ、S耐の観戦者へのお披露目となった

 富士スピードウェイ初のスーパー耐久シリーズ開幕戦は、天候にも恵まれた中、予選、決勝を1日で行う耐久レースのほか、さまざまなイベント、そして新型レース車輌のお披露目が行われた。スーパー耐久シリーズ第2戦は、4月28日~29日、ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)で開催される。

(高橋 学)
2012年 3月 29日