ホンダ、「ステップワゴン」をマイナーチェンジ、JC08燃費が15.0km/Lに
新開発のCVT、アイドリングストップ機構を2WD車全モデルに搭載

マイナーチェンジしたステップワゴン(右)とステップワゴン スパーダ。4WD車は5月の発表・発売を予定している

2012年4月12日発売
218万8000円~330万8000円(ステップワゴン/2WD)
249万8000円~347万2000円(ステップワゴン スパーダ/2WD)



 本田技研工業は、「ステップワゴン」「ステップワゴン スパーダ」のマイナーチェンジを行い、4月12日から発売する。2WD(FF)、4WDともにラインアップするが、12日に2WD車を先行して発売し、4WD車は5月の発売を予定する。2WD車の価格はステップワゴンが218万8000円~330万8000円、スパーダが249万8000円~347万2000円。また、スパーダではZグレードにスポーティな装備を施した「ステップワゴン スパーダ Z・COOL SPIRIT(クールスピリット)」を新たに設定している。

新開発のCVT、アイドリングストップ機構を採用
 今回のマイナーチェンジでは、コンセプトに「皆楽空間深化」を掲げ、ステップワゴンの特徴である「低床・低重心」を核に、居住性、使い勝手、経済性を一層高めてきた。

 機構的な特徴点としては、2WD車全モデルに新開発のCVTおよびアイドリングストップ機構を搭載したことが挙げられる。

ステップワゴン(G インターナビ Eセレクション)

 新開発のCVTでは、伝達効率の向上を目的に高効率のオイルポンプ、高強度ベルト、CVT専用オイルを採用。また、ワイドなレシオレンジ設定にすることで、より低回転域での走行が可能になり、クルーズ燃費の向上に一役買うのと同時に、発進駆動力も向上したと言う。この新型CVTでは、燃費性能が従来のCVT車比で約5%、同クラスの5速AT車比で約10%向上したとしている。

 アイドリングストップ機構では、同社初となるヘリカルギアを用いた新開発のスターターを採用しており、エンジン再始動時の静粛性の向上を図った。具体的には、車内に入ってくるエンジン音の約10%を低減したと言う。

 さらにフロントバンパーの形状変更やアンダーカバーを装着するなど、空力性能の改善を行ったことで、ステップワゴン(Gグレード)は従来の13.4km/Lから15.0km/Lに、スパーダ(S/Zグレード)では13.2km/Lから14.8km/Lに、JC08モード燃費がそれぞれ向上した。これにより、2WD車の全モデルとも「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」および「平成27年度燃費基準+10%」を達成し、4月以降に適用されるエコカー減税(75%)に適合する。

 そのほかのトピックとしては、これまでステップワゴン/スパーダともに2列目シートはタンブルシートのみの設定だったが、新たにセパレート式のキャプテンシート(両側アームレスト付き)を設定した。このキャプテンシートは、ステップワゴンではG コンフォートセレクションで、スパーダではSをのぞく全モデルで選択できる。

ステップワゴン スパーダ(Z・COOL SPIRIT)

 そのほか、ヒルスタートアシスト機能、VSA(車両挙動安定化制御システム)、全席3点式ELRシートベルト/ヘッドレストなどを、全車に標準装備した。

 なお、ボディーサイズはステップワゴン/スパーダともにモデルチェンジ前と変わらず、4690×1695×1815mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2855mm、トレッド1470/1460mm(前/後)となっている。搭載エンジンも変更なく、両車とも直列4気筒SOHC 16バルブ1997ccのi-VTECエンジンを搭載し、最高出力110kW(150PS)/6200rpm、最大トルク193Nm(19.7kgm)/4200rpmを発生。

 室内の寸法も同様で、3095×1500×1395mm(室内長×室内幅×室内高)を確保するとともに、引き続き3列目床下格納シートの採用により、フラットなラゲッジスペースを実現している。


ステップワゴン
 ステップワゴンのグレード体系は、これまでの「G」「G スマートスタイル エディション」「G HDDナビ スマートスタイル エディション」「L」「Li」から、ベースグレードの「G」、快適装備を装着した「G E セレクション」、リンクアップフリーに対応したHonda インターナビ+ETCなどを標準装備した「G インターナビ E セレクション」、快適装備や安全装備を充実させた「G コンフォートセレクション」、最上級グレードの「Li」となった。

 エクステリアでは上質感を高めるべく、新デザインのメッキバーに角度を持たせたフロントグリル、開口部にメッキ加飾を施すとともに空力性能を高めたフロントバンパーを装備。また、テールランプ/ストップランプのLED化、リアライセンスガーニッシュのワイド化も行っている。

 ボディーカラーはステップワゴン/スパーダ共通となるスーパープラチナメタリック、ポリッシュドメタルメタリック、ホワイトオーキッドパール、クリムゾンパールの4色に加え、ステップワゴン専用色としてクリスタルブラックパール、オーロラローズウッドパール、ヒダマリアイボリーパールの全7色をラインアップする。

ステップワゴンのエクステリアでは新デザインとなるメッキバーに角度を持たせたフロントグリル、開口部にメッキ加飾を施した。さらに空力性能を高めたフロントバンパーを装備する
G、G E セレクション、G インターナビ E セレクションはハロゲンヘッドランプを標準装備。HIDはオプションで選択できる。写真は消灯したところロービーム点灯
ロービーム/ハイビーム点灯ロービーム/ハイビーム/シグナルランプ点灯
LEDを採用したリアコンビネーションランプスモールランプ点灯スモールランプ/ブレーキランプ点灯
スモールランプ/ブレーキランプ/バックランプ点灯スモールランプ/ブレーキランプ/バックランプ/シグナルランプ点灯

 インテリアカラーは、ブラックまたはグレーの2色から選択可能で、エアコンアウトレットノブにあしらわれるメッキは、より明確に輝度の高いものが採用された。また、センターパネル、ステアリングガーニッシュ、インナードアハンドル、セレクトレバーのエスカッションパネルに標準車専用のシルバーの加飾が与えられている。

ブラックカラーのインテリア。エアコンアウトレットノブにあしらわれるメッキは、より明確に輝度の高いものを採用した1列目のシートセンターテーブル(折り畳み式、ドリンクホルダー付き)
自発光メーターセンターパネルG インターナビ E セレクションでは双方向通信カーナビシステム「インターナビ」を標準装備する
センターパネル上部の液晶モニターにエアコンのコンディションを表示するセンターロアポケット助手席前のアッパーボックスとグローブボックス
Gグレード(スパーダではSグレード)をのぞき全車に左右パワースライドドア(タッチセンサー/挟み込み防止機構付き/リモコン&運転席スイッチ開閉式)を標準装備するフロントドアとリアドアにもドリンクホルダーとともに収納スペースが備わる
3列目シート2列目シート。こちらはベンチタイプのタンブルシート1列目シート
2/3列目のシートアレンジ。3列目シートは床下に収納される
スピードメーターの横に用意されるマルチインフォメーションディスプレイには、航続可能距離や平均車速などの表示が可能

タイプエンジン変速機駆動方式乗車定員(名)価格
G直列4気筒SOHC 2リッターCVT2WD(FF)82,188,000円
G E セレクション2,331,200円
G インターナビ E セレクション2,583,200円
G コンフォートセレクション7/82,498,200円
Li83,308,000円

ステップワゴン スパーダ
 標準車との差別化を図るため、スパーダではより精悍さを増すデザイン・装備が与えられた。

 フロントのエアロフォルム・バンパーは従来の縦基調から横基調となったほか、新デザインのLEDアクセサリーランプ内蔵フロントグリル、プロジェクタータイプのHIDヘッドランプ、クリアタイプのリアコンビネーションランプなどを採用。スパーダ専用となる16インチアルミホイールでは、色調の変更が行われている。

 ボディーカラーは共通の4色に加え、スパーダ専用色のプレミアムスパークルブラック、プレミアムコスミックバイオレットパールの全6色を用意。

スパーダではより精悍さを増すデザイン・装備が与えられた
スパーダは全車プロジェクタータイプのHIDヘッドランプを標準装備。写真は消灯しているところヘッドランプ点灯ヘッドランプ/シグナルランプ点灯
ヘッドランプ/シグナルランプ/ハイビーム点灯ヘッドランプ/シグナルランプ/ハイビーム/フォグランプ点灯
クリアタイプのリアコンビネーションランプ。消灯しているところスモール点灯スモール/ブレーキランプ点灯
スモール/ブレーキランプ/バックランプ点灯スモール/ブレーキランプ/バックランプ/シグナルランプ点灯

 インテリアはブラックを基調とし、センターパネル、ステアリングガーニッシュ、インナードアハンドル、セレクトレバーおよびエスカッションパネル、レバーゲートまわりにスパーダ専用のシルバーの加飾が与えられた。

 また、新たに設定されたスパーダ Z・COOL SPIRITでは、エクステリアに深みのあるダーククロームメッキをあしらうとともに、専用の17インチアルミホイールを装備。

 インテリアでは専用のグランムースとファブリックのコンビネーションシートや、本革巻きセレクトレバー(専用ステッチ入り)などを装備している。

ブラックを基調とするスパーダのインテリア
3列目シート今回のマイナーチェンジで、2列目シートに初めてセパレート式のキャプテンシートを採用した1列目シート
3列目シートを収納したところ

タイプエンジン変速機駆動方式乗車定員(名)価格
S直列4気筒SOHC 2リッターCVT2WD(FF)82,498,000円
Z7/82,678,000円
Z インターナビセレクション2,930,000円
Z COOL SPIRIT2,796,000円
Zi3,472,000円

ホンダアクセスは9.0型WVGAモニターのメモリーナビを用意
 なお、今回のステップワゴン/スパーダ用として、ホンダ純正用品メーカーのホンダアクセスから多数のアクセサリーパーツが発売されるが、中でも「Gathers(ギャザズ)」シリーズのメモリーナビ「VXM-135VFNi」は注目したい。

 同モデルは32GBのフラッシュメモリーを搭載し、ギャザズナビシリーズとして初となる9.0型WVGAモニターを採用する迫力の画面が特徴。双方向情報ネットワークサービス「インターナビ・プレミアムクラブ」会員向けの通信費無料サービス「リンクアップフリー」や、地デジ放送(12セグ/ワンセグ)に対応。

 大画面を活かし、地図とAVなどを同時表示できる2画面表示が可能なほか、iPodやiPhone、WALKMANの操作をナビ画面で操作できる。

 価格は26万5000円。発売は5月下旬を予定している。

ホンダアクセスによるカスタマイズブランド「Modulo」のアクセサリーパーツ装着車
9.0型WVGAモニターを採用したメモリーナビ「VXM-135VFNi」。5月下旬に発売予定

【お詫びと訂正】記事初出時、VXM-135VFNiの価格を誤って表記しておりました。正しくは26万5000円です。お詫びして訂正させていただきます。

(編集部:小林 隆/Photo:堤晋一)
2012年 4月 5日