フォーミュラ・ニッポンが今週末鈴鹿で開幕
「チャンピオンタイトルを外国人選手から奪い返す」と松田次生選手

今週末開幕するフォーミュラ・ニッポン

2012年4月14日~15日開催



 4月14日~15日、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で「鈴鹿2&4レース」が開催される。2&4レースは、文字どおり2輪と4輪のレースを併催するイベントで、フォーミュラ・ニッポン第1戦と、MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第2戦が行われる。いずれも、両分野における最高峰のレースで、トップドライバー、トップライダーが一堂に会するイベントだ。

松田次生選手

 2012年のフォーミュラ・ニッポンは、すでに発表のあったように、フォーミュラ・ニッポンの名称として開催されるラストシーズンとなる。また、2007/2008年にチャンピオンを獲得した松田次生選手がTEAM IMPULに復帰し、昨年チャンピオンとなったアンドレ・ロッテラー選手、2010年のJ.P.オリベイラ選手、2009年のロイク・デュバル選手とともに、4人のチャンピオン経験者が戦う初めてのシーズンとなる。その松田次生選手が、2&4レースのプロモーションで、Car Watch編集部に来てくれた。

 松田次生選手は、先述のように2007/2008年にチャンピオンを獲得し、SUPER GTでも活躍するトップドライバーだ。2011年シーズンは、フォーミュラ・ニッポンには参戦せず、解説者という形で外部からレースを見ていた。フォーミュラ・ニッポンは、1996年に現在の名称でのシリーズ戦が始まり、初代チャンピオンはラルフ・シューマッハー選手。その後、 本山哲選手、高木虎之介選手と日本人がチャンピオンを獲得したシーズンはあったものの、松田次生選手を除けば、そのほかは外国人選手がチャンピオンを獲得している。2008年の松田選手以降は、デュバル選手、オリベイラ選手、ロッテラー選手といった具合だ。とくに昨年は、ロッテラー選手の所属するPETRONAS TEAM TOM'Sが圧倒的に強く、シリーズ2位も同チームの中嶋一貴選手となっていた。

 松田選手は、自身3度目のチャンピオンを獲得するため、また、フォーミュラ・ニッポン最終シーズンのチャンピオンを獲得するため、そして、PETRONAS TEAM TOM'Sを倒すためにフォーミュラ・ニッポンに返ってきた。

 「昨シーズンは、解説者としてレースを見ていたのですが、TOM'Sはチーム力として優れていた。中嶋選手など予選で失敗しても、レースが終わると上位にいるなど作戦面が優れていた」(松田選手)と言い、チャンピオンを獲得するためには、まずTOM'Sをチーム力で超えていく必要があると言う。その上で、「外国人選手に連続してチャンピオンを獲得されている現状を打破していきたい」とし、そのポイントとしてフォーミュラ・ニッポンで使われているFN09の扱い方を挙げる。

松田選手は古巣のTEAM IMPULからフル参戦

 「FN09は、アグレッシブにいってもタイムが出ない。たとえば、外国人選手のオンボードビデオ(ドライバー視点の映像)を見ていると、マシンをスムーズに扱っている」と言い、いかにスムーズに高い速度域でコントールできるかが勝利のポイントだと語る。

 開幕戦となる鈴鹿での見所については、「予選ではS字をどう抜けていくかが速いタイムを出すために必要」「一方、決勝ではスプーンカーブからバックストレートをうまく使い、先行車のスリップに入って、オーバーテイクボタンをどう使うかが順位を上げるポイント」とし、シケインではオーバーテイクが見られるだろうとのこと。

 また、SUPER GTとフォーミュラカーの違いについては、「フォーミュラカーは軽く、コーナーの奥まで突っ込める」と言い、1コーナーをはじめとした、各コーナーでの争いを見てほしいと語る。とくに初戦となる鈴鹿は、荒れる要素が多く、誰が勝か予想しにくい状況だが、「初戦からチャンピオンを狙っていきます」と熱く語ってくれた。

 この2&4レースでは、フォーミュラ・ニッポンの開幕戦を楽しめるのはもちろん、2輪レースの全日本ロードレース選手権シリーズを一度に見られるのもうれしいところ。ピットウォークでは、4輪と2輪のレーシングマシンをじっくり見ることができ、その作られ方の違いを確認できる。

 そのほか、エキシビションとして、「夢のF1競演 中嶋悟×星野一義 最終決着!」が組まれており、ロータス100T(中嶋悟監督)とウィリアムズFW11(星野一義監督)でのバトルが繰り広げられる。

夢のF1競演 中嶋悟×星野一義 最終決着!を開催中嶋悟監督星野一義監督

 チケットは、前売り大人3900円(2日間有効、ゆうえんちモートピアパスポート1日付き)、中・高校生1600円(2日間有効、入場のみ)など。パドック・ピットウォーク・激感エリア(コースサイドの特設エリア)が楽しめるパドックパス(大人[中学生以上]、6000円)、パドックパスJr(子ども[3歳~小学生]、1500円)なども用意されている。

 詳細は、鈴鹿サーキットのWebサイト(http://www.suzukacircuit.jp/2and4/)を参照のこと。開催日となる4月14日、15日の天気予報は「曇り」「曇時々晴」となっており、雨の心配はなさそうだ。鈴鹿サーキットの担当者によると「桜もギリギリ楽しめるかも」とのことなので、ドライブがてら出かけてみてほしい。なお、4月14日15時には新東名高速道路が開通するため、名古屋以東の方は帰路に新東名を初走行してみるのもありだろう。

ピットウォークの模様コースサイドの特設エリアとなる激感エリア。迫力の走行シーンを楽しめる

フォーミュラ・ニッポン第1戦鈴鹿エントリーリスト

カーナンバードライバーチーム名エンジン
1アンドレ・ロッテラーPETRONAS TEAM TOM'Sトヨタ RV8K
2中嶋一貴
3安田裕信KONDO RACINGトヨタ RV8K
7大嶋和也Team LeMansトヨタ RV8K
8ロイック・デュバルTeam KYGNUS SUNOCOトヨタ RV8K
10金石年弘HP REAL RACINGホンダ HR12E
16山本尚貴TEAM 無限ホンダ HR12E
18折目遼SGC by KCMGトヨタ RV8K
19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラTEAM IMPULトヨタ RV8K
20松田次生
31中嶋大祐NAKAJIMA RACINGホンダ HR12E
32小暮卓史
38平手晃平Project μ/cerumo·INGINGトヨタ RV8K
39国本雄資
40伊沢拓也DOCOMO TEAM DANDELION RACINGホンダ HR12E
41塚越広大
62嵯峨宏紀TOCHIGI Le Beausset Motorsportsトヨタ RV8K

(編集部:谷川 潔)
2012年 4月 9日