NEXCO中日本の「コミュニケーション・プラザ川崎」に行ってきた
4月16日オープン、道路管制センターも見学できる!!

コミュニケーション・プラザ川崎の様子

2012年4月16日オープン
入場無料



 NEXCO中日本(中日本高速道路)は、コミュニケーション・プラザ川崎と、コミュニケーション・プラザ富士を4月16日にオープンした。コミュニケーション・プラザとは、高速道路の歴史や技術などを分かりやすく紹介する施設で、無料で利用可能なもの。一般公開に先駆け、コミュニケーション・プラザ川崎を見学してきたので、その模様をお届けする。

東京料金所に隣接するNEXCO中日本の東京支社。この施設の中にコミュニケーション・プラザ川崎もある

 コミュニケーション・プラザ川崎は、東名高速道路の東京料金所のすぐ脇、NEXCO中日本 東京支社の道路管制センターに併設される。ただし、東京料金所には出入口がないため、最寄りの東名川崎IC(インターチェンジ)から一般道を使ってのアクセスとなる。電車で来る場合は、東急田園都市線の溝の口駅か宮前平駅からバスで15分ほど。入場料、駐車料ともに無料だが、訪れるには事前に電話予約が必要となる。また、開館日時は平日の10時~17時で、見学時間は1時間20分程度。

道路を身近に感じられる内容充実の展示施設
 平日のみで予約が必要ということで、少し敷居が高い気もするが、その内容を見ると、タイミングが合えばぜひ足を運んでもらいたいと思える充実したものだ。

 エントランスを入るとまず出迎えてくれるのが、高速道路で見たことがある緑の案内標識を模した看板だ。大人の身長ほどもあるその大きさに、本物はこんなに大きいのかと驚かされるが、プラザの案内役である倉内公静氏によれば、なんと本物はこの1.5倍くらいの大きさなのだそう。

 展示室に入るとバーチャルの受付嬢がお出迎え。正面に見えるのは中日本の巨大な地図で、NEXCO中日本が運営、管理する高速道路網が描かれている。すでに新東名も開通区間が表示されており、現在建設中の区間は点線で表されている。

エントランスを入ると迎えてくれる巨大な展示室の案内看板。案内してくれたのはプラザの倉内さん。一般の方が来られた場合もプラザのスタッフが案内してくれるNEXCO中日本が管理する道路交通網2012年4月現在の供用の状況で展示されている

 続いてのエリアには、「ニッポンを動かすみち」と書かれた巨大な年表パネルが設けられる。1950年代からスタートする年表には、それぞれの年での道路に関する出来事が記され、日本の道路文化の歴史を垣間見ることができる。また、年表の下には1/43のミニカーが並ぶが、ミニカーはその時代時代に合ったクルマが並べられるため、自動車の進化と道路の進化を平行して感じることができる。

 3番目のエリアはNEXCOシアター。120インチの大型モニターで見る約15分程度のムービーだが、日本に高速道路網を作るために発足した道路公団の時代から、現代における道路管理や保全のための取り組み、最新のサービスなど、とても見応えのある内容だった。

日本の道路の歴史を記した年表NEXCO中日本の前身である日本道路公団発足の頃からの歴史が刻まれる道路が開通した際に発行された記念通行券も展示される
年表の時代に合わせた形で、その時代時代のクルマのミニカーを展示。古くはミゼットやスバル360から始まり、現代はリーフやiMiEVなどが飾られる120インチのモニターで見るNEXCOシアター

 展示室中央に鎮座するのは長さ10m、幅3mという巨大な高速道路のジオラマだ。スケールは1/150で、端から道路の春夏秋冬が描かれる。中にはSA(サービスエリア)やIC、橋や道路工事現場、除雪現場なども再現されたかなり緻密なジオラマで、見ているだけでもいくつもの発見があり、楽しむことができる。また、ジオラマの脇にはタッチパネル式のモニターが置かれ、パネルをタッチすることで、NEXCO中日本の取り組みや、施設の働きなどを知ることができる。

 ほかにも展示室には、最新の高速道路の建設方法がパネルで紹介されたり、新東名で使われた最新の「コンポジット舗装」の実物が展示されたりするなど、普段利用している高速道路の裏側を垣間見ることができるものとなっていた。

長さ10mという巨大なジオラマには、SAやIC、道路管制センターなど、道路にまつわる様々な施設が再現されるスマートICやドッグランも再現されたSA巨大な橋では点検整備などをしている人の様子も描かれる
ジオラマは場所によって四季を再現しており、冬のエリアでは除雪車が活躍ジオラマの横のパネルを操作すると、ジオラマ上のミニチュアと連動して、施設の説明を見ることができるモニターでスマートICを選ぶと、ジオラマのスマートICも点灯
そのほかにも、道路の作り方を解説したパネルや、最新の点検装置、実物のETCゲートのバーなどが展示される
こちらは新東名で使われた実物のコンポジット舗装。通常の土の上の道路でも、下地にコンクリートを敷くことで、耐久性を向上する。またアスファルトも、下地に水を通さないアスファルト、表面に透水性の高機能舗装とすることで、雨天時も排水性ほ確保しながら、地盤のコンクリートは雨水による影響を防ぐことができると言う。実際に水を掛けて排水性を見ることができた

新東名を管理する管制センターを見学
 コミュニケーション・プラザ川崎は展示室の見学だけでは終わらない。なんと併設される道路管制センターの見学もできるのだ。もちろんこちらも無料となっている。

 NEXCO中日本では、各支社ごとに計4個所の道路管制センターがあると言う。この川崎道路管制センターでは、東名や新東名、小田原厚木道路など487kmの区間を管理している。壁一面に設置された巨大なグラフィックパネルには、それら道路に関する、渋滞や事故、、速度規制といった道路の情報から、実際にそこを通過している5分間あたりの通行台数や、現在のIC間の所要時間など、あらゆる情報が表示されている。

 また、道路上のカメラの映像も確認できるほか、高速道路上の非常電話もここに繋がるのだと言う。管制センターには警察官もいて、交通事故などの際にも迅速に対応できるようにしている。こうした万全の体制で、24時間365日、487kmの区間の安全を管理し続けているわけだ。

普通は目にすることができない道路管制センターも見学することができる壁一面を覆う巨大なグラフィックパネルには、それでも足りないと言わんばかりの多くの情報が表示されるもちろんカメラによる映像もチェックしている
グラフィックパネルの説明道路管制センターの役割スタッフによって最新の道路案内看板などの解説も行われた

 通常のコミュニケーション・プラザ川崎の見学メニューは以上となるが、要望があった場合で、かつ施設の予定が空いていた場合に限り、料金シミュレーション室も見学することができると言う。

 料金シミュレーション室とは、料金所での業務に携わる社員が、本物と同じ機械を使ってトレーニングするための施設。なので、実際にトレーニングの予定が入っているときは見学できないのだが、なかなかじっくりとは見る機会がない料金所のバーや料金精算機などを、間近で実際に動かして見ることができるというのは、貴重な施設だろう。タイミングが合えば是非料金シミュレーション室も訪れてもらいたい。

 以上が、コミュニケーション・プラザ川崎の見学メニューだが、新東名の新富士IC付近にも、コミュニケーション・プラザ富士がある。こちらは年末年始以外は10時~17時で営業しており、予約なしでも見学可能だと言う。川崎ほど施設も大きくなく、管制センターの見学などもできないが、富士では新東名に関する資料やムービーなどが多く揃えられるとのこと。新東名を走った際には、ぜひ足を運んでみてはいかがだろう。

料金シミュレーション室には、本物の通行券発券機や料金精算機、ETCレーンの設備などが置かれている。これら装置は本当に稼働するのだ

(瀬戸 学)
2012年 4月 17日