フォーミュラ・ニッポン第2戦が今週末にツインリンクもてぎで開催
塚越広大選手が編集部を訪問


編集部を訪問してくれた塚越広大選手

 日本のフォーミュラーカーレースの最高峰「フォーミュラ・ニッポン」は、4月に鈴鹿サーキットで行われた第1戦ですでに開幕し、今週末(5月12日、13日)には栃木県にあるツインリンクもてぎにおいて第2戦が開催される。

 複数のドライバーが交代でドライブするSUPER GTのようなレースは、長い距離を走るため、耐久レースの側面が強いが、1人のドライバーが最初から最後まで全力で競いあうフォーミュラーカーレースは純粋なレーシングという側面が強いものとなっている。

 その第1戦で、途中までトップを独走しながら、排気管のトラブルにより惜しくも2位になった塚越広大選手(ドコモ・チーム・ダンディライアン・レーシング所属)は、開幕戦で手のひらからこぼれ落ちていった“初優勝”の3文字を、2つめのホンダ系サーキットであるツインリンクもてぎで実現すべく、雪辱に燃えている。その塚越選手が、週末のレースのプロモーションをかねて編集部を訪問してくれたので、その模様をお伝えしていきたい。


新世代の2人が席巻した開幕戦鈴鹿のレース
 前回の鈴鹿の開幕戦は、まさに新世代が台頭したレースとなった。これまでフォーミュラ・ニッポンの屋台骨を支えてきたのは、昨年のアンドレ・ロッテラー選手、一昨年のJ.P.オリベイラ選手、2年前のロイク・デュバル選手、3年前の松田次生選手といったチャンピオン経験者や、小暮卓史選手といったベテラン選手だった。毎年これらの選手による上位争いが繰り広げられてきたのが、フォーミュラ・ニッポンの構図だった。

 しかし、昨年頃から少しずつそうした構図が崩れ始めている。ベテラン選手も依然として活躍しているのはもちろんだが、若手選手がフォーミュラ・ニッポンに参戦を始めたことで、世代交代は確実に始まっている。実際、開幕戦でトップを争ったのは、優勝した中嶋一貴選手と、2位になった塚越広大選手の2人だった。

第1戦は、激闘の末2位。第2戦では、優勝の期待がかかる

 予選ではドコモ・ダンディライアンの伊沢拓也選手がポールを取り、2位に同チームの塚越選手、3位に中嶋選手が入ったが、スタートで塚越選手が飛び出し、2位に中嶋選手が続く展開になった。その後は2人のマッチレースとなったのだが、レース半ばに塚越選手の車は排気管が割れるトラブルが発生。これにより、「コンマ2~3秒程度のロス」(塚越選手)が発生し、燃費も悪化、結果ピットストップで燃料を中嶋選手より多く搭載する必要があり、中嶋選手に逆転を許してしまうという展開となった。

 そのまま優勝した中嶋選手は、昨年の第2戦に続きフォーミュラ・ニッポン2勝目を記録した。

 このように、開幕戦の主役は優勝した中嶋選手と、2位に入った塚越広大選手で、フォーミュラ・ニッポン新時代を印象づける展開だったと言ってよい。もちろんこれからベテラン勢の巻き返しも予想されるが、この2人がチャンピオン経験者やベテラン勢に加え、チャンピオン候補であることに異論はないだろう。

塚越広大選手のヘルメットに描かれているのは、パーソナルキャラクター。第2戦ではこのキャラクターが描かれた応援マフラータオルとキャップがグッズとして販売される予定なので、ファンは要チェックだ。

昨年の雪辱を目指すホンダのエンジン
 そうした実に惜しい開幕戦を終えた塚越選手だが、やはり次戦のツインリンクもてぎ戦にかける気持ちは人一倍強いようだ。

 「もちろんどのレースでも優勝を目指していることは言うまでもありませんが、今回のツインリンクもてぎのレースは重要なレースの1つだと思っています。今年でフォーミュラ・ニッポン4年目で、そろそろ結果も出さなければいけないと考えています」と、開幕戦での落とし物を、第2戦で取り返そうという意識は非常に強い。

 塚越選手と言えばこれまで若手という印象が強かったが、すでにフォーミュラ・ニッポンにデビューして3シーズンを過ごしたこともあり、中堅になりつつある。「最初の壁はものすごく高いことは認識していますが、今こそそれを壊していきたい」(塚越選手)と、今シーズンこそ念願の初優勝、そしてタイトルという意気込みだ。

 塚越選手の所属するドコモ・チーム・ダンディライアン・レーシングはホンダエンジンを採用しているのだが、昨年のフォーミュラ・ニッポンでは、全戦でライバルとなるトヨタが勝利し、ホンダはまさかの未勝利に終わった(このことは現行の規定が始まってから初めてのことだ)。

 それだけにホンダとしても今年にかける思いは強いようで「シーズンオフから細かいことをこつこつと積み重ねてエンジンを開発してきました。ホンダのエンジニアも“エンジンで勝つ”と宣言するぐらい、気合いを入れています。実際、中速から高速にかけてのパワーが昨年より上がっており、今後大きな武器になると思っています」(塚越選手)と、エンジンのパワーアップの後押しもあり、さらなる結果を目指していきたいと語ってくれた。


予選は「スペシャルステージ形式」で行われ、ドライバーの一発を見逃すな
 フォーミュラ・ニッポンではF1と同じノックダウン形式の予選が行われているが、今回の第2戦では「スペシャルステージ形式」に変更して行われる。スペシャルステージ形式とは、1回目の予選の順位順に上位のマシンが1台ずつ走行し、最終的なグリッドを決めるという予選方式だ。

 通常であれば複数のマシンが一斉に走るため、刻々と変化する順位を楽しむという形になるが、このスペシャルステージ形式だと1台1台走るため、それぞれのラインの違いなどを楽しむことが可能だ。

 なお、塚越選手によれば、SUPER GTのスペシャルステージ形式と同様、走行時にはドライバーやチームが選択したテーマソングが流されることになると言う。塚越選手は、「今回は山本リンダさんの『狙い撃ち』にしました。サーキットで流してもらえるように、がんばります!」とのことなので、スペシャルステージのどこで狙い撃ちが流れるかも要注目だ。

 なお、今回の第2戦はツインリンクもてぎの開業15周年を記念するイベントとして開催される。そのため、第1、第2コーナーの内側、マルチコースの内側という通常は開放されていない場所が“激感エリア”として観戦できる。なお、場所がパドック側にあるため、これらのエリアに入るためにはパドックパスが必要になる。

 このほか、2012年に開催されるツインリンクもてぎのレースでは3歳児~中学生までの子供の観戦料金も無料になるので、ファミリーで観戦する場合には安価に観戦できるので、そちらも活用していただきたい。

 チケットは、各種プレイガイドで販売されており、当日券も用意されている、詳しくはツインリンクもてぎのWebサイト(http://www.twinring.jp/)をご参照いただきたい。

(笠原一輝)
2012年 5月 10日