2025年には3850万台の自動車がインターネットに常時接続、富士経済調べより
2011年の9倍の数の自動車がインターネットに接続

2012年6月12日発表



 富士経済は6月12日、自動車分野のICT(Information and Communication Technology)関連市場についての調査結果の概要を発表した。結果は「次世代自動車ITコミュニケーション関連市場の現状と将来展望」として10万5000円で販売されている。

 1~4月に、メーカー、関連企業等へのヒアリングなどにより調査した。テレマティクス関連、車載情報通信機器、インフラ関連機器、ITS関連機器、次世代ヒューマンマシンインターフェイス、有望アプリケーションを調査対象品目としている。

 これによると、コネクテッド・ビークル(インターネット常時接続車)の世界市場は、2011年に425万台(前年比125%)だったのに対し、2025年には9.1倍の3850万台と予測している。コネクテッド・ビークルには、インターネットとの通信システムを搭載した自動車や、スマートフォンなどからバッテリ残量の確認やエアコンの遠隔操作ができるEV/PHVなどが含まれる。

 市場規模を国別に見ると、米国が最も大きく、欧州、日本がほぼ同規模。

 米国ではマイクロソフトが車載OSを独占しているが、車載システムと連携するスマートフォンなどはグーグルが対抗、またインテルも研究開発を行なっている。

 欧州は緊急通報システム「e-Call」の新車への搭載が義務化される可能性が高く、すべての新車がコネクテッド・ビークルになるため、2025年に最大の市場になると予想している。

 中国市場はまだ小規模だが、GM、トヨタらがテレマティクスサービスを展開しており、今後参入するメーカーも見込まれる。

 そのテレマティクスサービスの市場規模は、2011年には累計加入件数1390万件(前年比185.3%)、有料サービス市場195億円(172.6%)だったのに対し、2025年にはそれぞれ1億6500万件(2011年比11.9倍)、990億円(5.1倍)になると予測。

 情報通信システムは高価なため、今後も高級グレードが中心になるが、EV/PHVには基本的に搭載されるため、これらの普及拡大に伴って加入件数が拡大するとしている。

 また、スマートフォンをカーナビとして利用するためのアプリの市場は、2011年は累計会員数1590万件(前年比103.9%)、有料サービス市場302億円(98.7%)だったのに対し、2025年は3000万件(2011年比188.7%)、150億円(49.7%)と予測している。この分野で増加するのは無料サービスで、有料サービスも値下がり傾向と見ており、加入件数が増加しても有料サービス市場は減少するとしている。

(編集部:田中真一郎)
2012年 6月 13日