メルセデス・ベンツ、「Mクラス」をフルモデルチェンジ
ML 350シリーズは価格引き下げ、ML 63 AMGは据え置き

新型「Mクラス」

2012年6月28日発売
750万円(ML 350 4MATIC BlueEFFICIENCY)
790万円(ML 350 BlueTEC 4MATIC)
1490万円(ML 63 AMG)



 メルセデス・ベンツ日本は6月28日、プレミアムSUV「Mクラス」をフルモデルチェンジして発売した。価格は「ML 350 4MATIC BlueEFFICIENCY」が750万円、「ML 350 BlueTEC 4MATIC」が790万円、「ML 63 AMG」が1490万円。いずれもステアリング位置は右のみ。ML 350 BlueTEC 4MATIC、ML 63 AMGの納車開始は9月下旬を予定している。

 新型Mクラスの価格は、各モデルとも性能の向上と装備の充実を図りつつ、ML 350 4MATIC BlueEFFICIENCY、ML 350 BlueTEC 4MATICは従来モデルより引き下げ、ML 63 AMGは価格据置としている。

 また、7年ぶりにフルモデルチェンジした新型Mクラスの発売を記念し、特別仕様車「ML 350 4MATIC Edition 1」を発売。ML 350 4MATIC BlueEFFICIENCYをベースとし、限定90台を用意。価格は900万円。

パワートレーン
 パワートレーンは、ML 350 4MATIC BlueEFFICIENCYはV型6気筒3.5リッター直噴ガソリンエンジンを、ML 350 BlueTEC 4MATICはV型6気筒3.0リッター直噴ターボディーゼルエンジンを搭載し、それぞれ新型の高効率トルクコンバータ、低摩擦ベアリングを採用した7速AT「7G-TRONICプラス」を組み合わせるとともに、アイドリングストップ機能「ECOスタート/ストップ機能」を装備。

 新開発のV型6気筒3.5リッター直噴ガソリンエンジンは、従来比で最高出力が25kW/34PS、最大トルクが20Nm向上し、225kW(306PS)/370Nmを3500-5250rpmで発生。スプレーガイド式燃焼システムと最大圧力200barの新開発ピエゾインジェクター、1000分の1秒以内に最大4回のスパークを発生させるマルチスパークイグニッションを採用した第3世代ガソリン直噴システムにより、従来モデルに比べ出力・トルクを向上させるとともに、JC08モード燃費は従来モデル比で+42%となる10.4km/Lを達成した。

 また、V型6気筒3.0リッター直噴ターボディーゼルエンジンは、低圧縮比化やフリクション低減等の改良を施したほか、可変エンジンマウントを採用することで静粛性と低振動性が向上。ピエゾインジェクターを用いたコモンレール・ダイレクト・インジェクション等により、従来比で最高出力が35kW/47PS、最大トルクが80Nm向上し、190kW(258PS)/620Nmを発生。また、排出ガスに高純度尿素水「AdBlue」を噴射することで化学反応(還元作用)を発生させ、有害な窒素酸化物(NOx)を大幅に削減するディーゼル排出ガス処理システム「BlueTEC」採用している。

 Mクラスの最上位グレードとなるML 63 AMGは、メルセデスAMG開発によるV型8気筒5.5リッター直噴ツインターボエンジンを搭載。排気量のダウンサイジングを図りながら、最高出力は従来比+11kW/15PSとなる386kW/525PSを、最大トルクは従来比+70Nmとなる700Nmを発生。

 また、効率を高めた「AMGスピードシフトPLUS」やECOスタート/ストップ機能により、優れた燃費経済性も両立。シャシーでは、専用の電子制御エアサスペンション「AMG RIDE CONTROL スポーツサスペンション」や、コーナリング時のロールを抑えるACTIVE CURVEシステム、AMG強化ブレーキシステム等の採用により、運動性能と操縦安定性が大幅に向上したとしている。

 駆動系にはフルタイム4輪駆動機構「4MATIC」を採用。大幅に軽量・コンパクト化を図ったトランスファーシステムの前後トルク配分は50:50とした。センターコンソールのスイッチで切り替え可能なオフロードモード(オフロードABS、オフロードASR)などを搭載したほか、坂道発進を支援するヒルスタートアシスト、急勾配を下る場合にクルーズコントロールレバーで設定した速度を自動的に維持するDSR (ダウンヒル・スピード・レギュレーション)、通常の路面からオフロードまで、滑りやすい路面での走行時や危険回避時に4輪それぞれのブレーキやエンジン出力を制御し走行安定性を高める4ESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)などを備えている。

エクステリア
 エクステリアでは、スリーポインテッドスターを中央に配した大型のラジエーターグリルと、LEDを多用したヘッドライトにより、アグレッシブで強い存在感をアピール。リアまわりではLEDリアコンビネーションランプを採用したほか、大型ルーフスポイラーを備えた低めのルーフ、クロームアンダーガードを一体化したリアバンパーにより、ワイド&ローを強調したデザインとした。

 Aピラーやルーフスポイラー等を最適化し、Cd値は0.32を実現している。

 また、ML 63 AMGのAMGフロントスポイラーの下部には、マットシルバークロームのトリムストリップを設け、左右のエアインテークとの調和を演出。AMGフロントスポイラーと一体化したフロントフェンダーは、左右の幅がそれぞれ10mm拡大された。ホイールは21インチAMG5ツインスポークアルミホイールを採用している。

インテリア
 インテリアではSUVの力強さを表現するゆるやかな曲面のダッシュボードや、大幅に拡大された水平基調デザインのインテリアトリムを採用。

 リアシートバックには角度を9段階で変更できるリクライニング機構を採用し、リアシートの居住性を高めたり、ラゲッジ積載量を優先したりと、用途に合わせたアレンジが可能。また、2:1の分割可倒式後席シートを採用し、最大荷室容量は2010Lを誇る。

オプション
 また、ML 350 4MATIC BlueEFFICIENCY、ML 350 BlueTEC 4MATIC向けオプションパッケージとして、内外装のスポーティさと精悍さを増す「AMGスポーツパッケージ」(ともに65万円高)、機能性と快適性を向上する「コンフォートパッケージ」(ML 350 4MATIC BlueEFFICIENCY:45万円高、ML 350 BlueTEC 4MATIC:20万円高)、インテリアをエレガントに仕立てる「ラグジュアリーパッケージ」(ともに40万円高)を設定

 そのほか、ML 63 AMG向けには、最大過給圧を標準仕様の1.0barから1.3barに引き上げることで、最高出力がノーマル比で+24kWの410kW、最大トルクがノーマル比で+60Nmの760Nmに向上する「AMGパフォーマンスパッケージ」を設定。同パッケージには、さらにAMGカーボンファイバーエンジンカバー、AMGレッドブレーキ・キャリパー、AMGパフォーマンスステアリング(レザーDINAMICA)が追加される。

特別仕様車「ML 350 4MATIC Edition 1」
 ML350 4MATIC BlueEFFICIENCYをベースに、ダイヤモンドホワイトのボディーカラー、AMGスタイリングパッケージ(フロントスポイラー・サイド&リアスカート)、専用デザインの20インチAMG5スポークアルミホイールを採用した、特別仕様車。

 インテリアでは、最高品質のナッパレザー素材にダイヤモンドステッチを施したシート/ドアトリムデザインなど、専用designoエクスクルーシブレザーインテリア(内装色:マロン/ブラック)を特別装備。

 さらに、室内に開放感をもたらすパノラミックスライディングルーフやキーレスゴー、メモリー付パワーシート、EASY-PACK自動開閉テールゲートなど快適性、機能性を高めるコンフォートパッケージを特別装備している。

特別仕様車「ML 350 4MATIC Edition 1」

(編集部:小林 隆)
2012年 6月 28日