アウディ、「ル・マン24時間レース祝勝会」を開催
A6 ハイブリッドを秋に国内投入、WEC富士にも注力

左からタグ・ホイヤー ジャパンのアントアワーヌ・バン ジェネラルマネージャー、ロッテラー選手、中嶋選手、大喜多社長

2012年7月17日開催



 アウディ ジャパンは7月17日、ル・マン24時間レース(6月14日~17日、現地時間)で独アウディの「R18 e-tron クワトロ」が優勝したのを記念して、都内でレセプションを開催した。

 独アウディはディーゼル・ハイブリッド・パワートレーンを搭載するR18 e-tron クワトロと、ディーゼルエンジンの「R18 ウルトラ」各2台の計4台でエントリーし、R18 e-tron クワトロが1-2フィニッシュ、R18 ウルトラが3位と5位に入賞するという成績を収めた。

 レセプションには優勝したR18 e-tron クワトロ1号車のドライバーを務めたアンドレ・ロッテラー選手と、5位に入ったR18 ウルトラのドライバーであるロイック・デュバル選手、さらにアウディと“ハイブリッド対決”を演じたトヨタの中嶋一貴選手が登場、ル・マン24時間レースを振り返るとともに、10月に富士スピードウェイで開催される世界耐久選手権(WEC)第7戦「富士6時間耐久レース」をアピールした。

A6 ハイブリッドを秋に国内投入
 アウディ ジャパンの大喜多社長はアウディがレースを「技術の実験場」と定義し、4WDシステム「クワトロ」やアルミスペースフレーム、直噴システムなど、レースで培ったテクノロジーを市販車にフィードバックしていることを説明。今回ル・マンで優勝したハイブリッドシステムは、「A6 ハイブリッド」として国内投入されるとした。

 ロッテラー選手はR18 e-tron クワトロについて「スムースで加速も心地よかった。ブレーキ回生をしているので、強く踏んでもそれだけ大きなエネルギーが蓄えられ、加速として利用できるのがよかった。アウディのマシンは4WDなのでトラクションという意味では効率がよかった。クワトロとハイブリッドのパッケージというすばらしいマシンが仕上がった」と語った。

 ゲストとして登場した中嶋選手はトヨタのハイブリッドマシンについて「僕らのハイブリッドシステムはアウディのそれとは少し違い、モーターがリアについていて、2WDだった。レギュレーション上、トヨタのほうが速くパワーを放出できるということで、その違いもあってレースが面白いものになった。ブレーキ時の回生のコントロールは難しいものがあるが、ハイブリッドシステムがあることで今までにない走りができた。これからどうなっていくのか、いちドライバーとしてもファンとしても楽しみ」と語った。

中嶋選手は花束でロッテラー選手を祝福デュバル選手
バン ジェネラルマネージャーからタグ・ホイヤーのモナコ・クロノグラフ スティーブ・マックイーン モデルを贈られたロッテラー選手。裏にはロッテラー選手の名前と「ル・マン2012」と刻印されている
ケーキも登場ハイブリッド対決を演じたトヨタTS030ハイブリッドとR18 e-tron クワトロアウディは4台が隊列を組んでゴールインした
クワトロ、アウディスペースフレーム、FSIなどがレースからフィードバックされた技術。そしてe-tornクワトロの技術はA6 ハイブリッドとして結実する

WECに向けてアウディと富士スピードウェイがコラボ
 大喜多社長は10月のWEC第7戦に臨んで、富士スピードウェイに多数のアウディの看板を掲示したことを明らかにした。

 さらにゲストとして富士スピードウェイの堤健吾社長が登場、「F1をやめて世界的なレースを何年かできずにいた。なんとかして世界戦をやりたいと願って努力したのが前任の加藤。執念をもって3年間交渉してきて、やっとWECの開催に至った。ぜひアウディをはじめさまざまなメーカー、お客様、協力し合いながらぜひ成功させたい」と語り、アウディとさまざまなコラボレーションが計画されているとした。

WECに向けて富士スピードウェイにアウディの看板を掲示した左から堤社長、大喜多社長、堤社長の前任の加藤前社長

(編集部:田中真一郎)
2012年 7月 18日