ジャパンチャージネットワーク、EV充電の会員制サービスを10月1日開始 カード認証により24時間365日の充電サービスを提供 |
ジャパンチャージネットワークは9月4日記者会見を開催。電気自動車(EV)向けの会員制充電ワービスネットワークを構築し、神奈川県を中心とした関東圏内50拠点で10月1日よりサービスの運用を開始すると発表した。
代表取締役社長の武田二郎氏は「当社はEVユーザーのライフシーンを予想し充電を必要とする場面に合わせた充電サービスを提供していく」と述べ、パートナー企業であるNEXCO東日本(東日本高速道路)、成田国際空港、ファミリーマート、アレフ(びっくりドンキー)と、EV用充電器と認証課金コントローラーの設置・運用について合意し、また、石油元売り会社であるJX日鉱日石エネルギー、昭和シェル石油、出光興産、コスモ石油4社が組成するEVサービスステーションネットワーク(以下EVSS)とも相互乗り入れで合意したと述べた。
ジャパンチャージネットワーク 代表取締役社長 武田二郎氏 | ジャパンチャージネットワークに出資する住友商事、日産自動車、日本電気、昭和シェル石油 | NEXCO東日本の常務執行役員 窪寺克次氏 |
成田国際空港 取締役 村田保史氏 | ファミリーマート常務執行役員 本多利範氏 | フォミリ-レストランのびっくりドンキーを運営するアレフのエコチームリーダー 佐々木隆浩氏 |
これは、従来からある急速充電システムにカード認証システムをもたせることで、いままで営業時間外は充電できなかったディーラーなどでも、24時間無人で充電サービスを提供できるようにするというもの。さらにこれまで日産ディーラーやEVSSなどがそれぞれで認証カードを発行していたものが、相互乗り入れを可能とすることで、ユーザーは1枚のカードでディーラーやガソリンスタンド、コンビニと様々なシーンで給電サービスを受けることができるようになる。
また、同社の充電器はすべてネットワークで管理されているため、満空情報やあるいは故障中といったデータをリアルタイムで知ることができる。データはPCやスマートフォン、リーフのナビが搭載するカーウイングスで確認できるほか、24時間365日対応のコールセンターで、最寄りの稼働中給電施設を調べることができる。さらに充電が完了した際には登録したメールアドレスに完了通知メールを送ることも可能だ。
すでに試験運用を実施している日産ディーラー10店舗に加え、9月5日よりファミリーマート5店舗で運用を開始。9月中は無料でサービスするとのこと。10月1日より約50個所の充電サービスを運用し、課金もはじめる。
申込みは同社のWebサイトから可能。利用頻度に合わせて「ライトプラン」「バリュープラン」「スーパーバリュープラン」の3つのプランからコースを選ぶことができる。それぞれ月会費が980円、2500円、5000円(2013年3月までは500円、2000円、4500円)と掛かるが、月会費が高いプランほど、各充電ごとに掛かる都度料金は安くなるという仕組みだ。またプランごとに都度料金からの割引もある(500円、2000円、4500円)。つまり980円のライトプランでは500円分までの都度料金が割引になるという仕組み。携帯電話の料金プランのようなイメージだ。
料金や最大充電時間はパートナー企業ごとに異なる。例えばこれまでも無料で提供してきたNEXCO東日本では、今後も当面は無料で提供。また日産ディーラーもゼロ・エミッションサポートプログラム会員は従来どおり無料。今回新たに設置されるファミリーマートでは最大充電時間が15分で料金は月会費が一番安いライトプランで420円/回、びっくりドンキーでは20分で500円/回、成田国際空港は駐車料金が別途かかるものの充電は当面無料など。
また、会員になっていなくても、現場からコールセンターに電話することで、充電設備を利用することが可能だ。その場合はオペレーターに氏名やクレジットカード番号などを伝えることになり、また料金もファミリーマートで1回1000円など、会員と比べ割高になる。
実際にファミリーマート荏田南三丁目店でデモンストレーションが行われたが、従来の急速充電器と並んで設置された認証システムにカードをタッチして、カーソルキーと決定キーで選択するだけで、従来の急速充電器と比べても操作の手間はさほど変わらない。ただし、途中で充電を止める場合にもカードをタッチして認証する必要がある。これはいたずらで充電を停止させられるのを防ぐための配慮だ。充電時間が終わった場合には自動的に終了するので、カードをタッチする必要はない。また、複数回続けて充電することもできるので、15分では足りない場合に再度充電することも可能だ。
10月以降に順次設置が予定されている成田国際空港や湾岸幕張PA(パーキングエリア)、三芳PA、さらに28個所のEVSSを併せると、現時点で50個所の運用が予定されているが、今後はEVの普及にあわせて台数を増やしていき、2020年には約4000拠点を目指したいとした。
(瀬戸 学)
2012年 9月 5日