光岡自動車、トライク型EV「雷駆-T3(ライク-T3)」発売 補助金を受けることで99万5000円から購入可能 |
光岡自動車は、新型電気自動車(EV)「雷駆-T3(ライク-T3)」を10月18日に発売する。価格は搭載バッテリーの容量によって異なり129万5000円~143万5000円だが、経済産業省が推進する補助金(クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金)により、最大30万円の補助を受けることができる。
雷駆-T3は、同社とユアサM&Bが共同開発した3輪EV。軽自動車未満の車両で、積載量60kg(原付2種)から350kg(軽自動車)の間の中間的な積載車両がないことに着目し、定員2名、最大積載量100kgを可能にした。雷駆-T3は250cc以下の側車付軽2輪車、いわゆるトライクとして扱われ、公道で走行する際にヘルメットを必要としない。車検、車庫証明も不要という。これまでトライクは乗用モデルのため積載を前提としていなかったが、今回国土交通省から型式認定を取得し、発売にこぎつけた。なお、雷駆-T3を運転するには普通自動車免許が必要になり、自動二輪免許での運転は不可としている。
グレードは短距離用途の「S」と、長距離用途の「L」をラインアップし、それぞれにフロントスクリーンが付く「S+」「L+」を用意。航続可能距離(40km/h定地走行)はSグレードが約40km、Lグレードは約60kmとしている。最高速は50km/h。また、荷台面積は1050×900×100mm(長さ×幅×高さ)で、用途に応じて自由にアレンジすることが可能。
雷駆-T3のボディーカラーはホワイトまたはブラックを用意するが、フェイスカラーは変更可能(有料オプション) |
佐川急便仕様の雷駆-T3 |
安全性については特に配慮したとしており、リアオーバーハングに電池を搭載するなどにより、後輪軸への荷重配分を考慮した設計となっている。また、回生ブレーキを強めに設定することで、フットブレーキを踏むことなくアクセルを放すだけで減速、停止に至る構造となっていることから、ブレーキ系統の耐久性保持に一役買うとともに、メンテナンスの軽減にも繋がるとしている。
同日行われた雷駆-T3の発表会には、光岡自動車の光岡進代表取締役会長、ユアサM&B 電気自動車部 橋本篤実部長とともに、佐川急便の関連会社であるSGモータース 谷本育生代表取締役社長の3名が出席。
雷駆-T3の概要が述べられるとともに、近年はインターネットで買い物をする人が増えており、小口配達の需要が伸びていることから配達用の車両として最適であること、来年の3月までに50~100台の雷駆-T3を納入予定で、4月以降の目標販売台数は1000台を見込んでいることなどについて説明された。
また、雷駆-T3を導入した谷本社長は、「大都市近郊のサービスセンターでの集配ポテンシャルが(雷駆-T3の導入により)どの程度上がるかを見ていきたい」と述べるとともに、化石燃料を使うトラックと比べCO2排出量をどの程度抑えられるのか、いかに環境負荷を軽減させることができるかという点についても着目していきたいと語った。
光岡自動車の光岡進代表取締役会長 | ユアサM&B 電気自動車部 橋本篤実部長 | SGモータース 谷本育生代表取締役社長 |
■雷駆-T3主要諸元
グレード | S | L | S+ | L+ |
乗車定員 | 2名 | |||
駆動方式 | 2WD(FR) | |||
全長×全幅×全高 | 2485×1170×1075mm | 2485×1170×1575mm | ||
ホイールベース | 1610mm | |||
重量 | 306kg | 326kg | 308kg | 328kg |
最大積載量 | 100kg | |||
リアキャリア内寸(長さ×幅×高さ) | 1050×900×100mm | |||
バッテリー | リチウムイオン | |||
バッテリー定格電圧 | 72V | |||
総定格電力量 | 2.9kWh | 4.3kWh | 2.9kWh | 4.3kWh |
充電器電源電圧 | AC100V | |||
充電時間 | 約4時間 | 約6時間 | 約4時間 | 約6時間 |
電動機型式 | MT3M | |||
定格出力 | 3.0kW | |||
最高出力 | 5.6kW | |||
最大トルク | 36.0Nm | |||
ステアリング形式 | ラック&ピニオン式 |
(編集部:小林 隆)
2012年 10月 17日