三菱自動車、「デリカ D:5」のクリーンディーゼル仕様を1月発売

　三菱自動車工業は、ミニバン「デリカ D:5」にクリーンディーゼルエンジン搭載車を設定し、2013年1月11日から販売を開始する。価格は量販グレードの「D-Power package」が341万9000円、上級グレードの「D-Premium」が393万4000円。

　デリカ D:5の実質的な前モデルとなる「デリカスペースギア」「デリカスターワゴン」にはディーゼルエンジン搭載車があり、販売比率の大半をディーゼルが占める時期があったものの、現行の「デリカ D:5」になってからディーゼルエンジンは採用されていなかった。

　今回新たに設定されたクリーンディーゼル仕様は、2.4リッターガソリンエンジン搭載の同等グレードに対して価格は約30万円高となるが、エコカー減税の免税（100％減税）や最大14万円のクリーンディーゼル自動車導入費補助金により実質負担額の差は小さくなる。

高トルクと低圧縮比の2.2リッターディーゼルエンジン

直列4気筒2.2リッター DOHCディーゼルターボ「4N14」型

　搭載エンジンは、直列4気筒2.2リッター DOHCディーゼルターボ「4N14」型。最高出力は109kW（148PS）/3500rpm、最大トルクは360Nm（36.7kgm）/1500-2750rpm。タービン容量を可変制御するVGターボチャージャーの採用で、低回転から高トルクを発生する。

　欧州仕様の「アウトランダー」に搭載するエンジンをベースに燃費性能、排ガス性能、動力性能の最適化を行ったもので、コモンレール式燃料噴射システムや排出ガス浄化システムなどでNOxやPMを大幅に低減させた。日本のポスト新長期規制（平成21年排出ガス規制）に適合し、JC08モード燃費は13.6km/Lを実現している。

　圧縮比14.9というディーゼルエンジンにしては低い圧縮比もこのエンジンの特徴。圧縮比を下げることで、エンジンブロックにアルミなどの軽量素材の採用が可能になるなど、低燃費化に貢献している。

　トランスミッションは6速AT（スポーツモード付き）を採用。道路状況からシフトパターンを最適制御し、ステアリングにシフトアップ/ダウンが可能なパドルシフトを搭載する。駆動方式は4WD。アイドリングストップ機構は搭載しないが、低燃費化のためDレンジで停車中にエンジンと駆動系を切り離して燃料消費を抑制する「アイドルニュートラル制御」を備えた。

「4N14」型エンジンの最高出力は109kW（148PS）/3500rpm、最大トルクは360Nm（36.7kgm）/1500-2750rpm

低回転域から最大トルクを発生している

トランスミッションはINVECS-II 6速スポーツモードAT

ステアリングにパドルシフトを搭載

グレードは2タイプ

　ディーゼル仕様のグレードは「D-Power package」と「D-Premium」の2タイプを用意。パワートレーンは共通で、どちらも7人乗りと8人乗りを選択できる。

　「D-Power package」は、2.4リッターガソリンエンジン搭載の量販グレード「G-Power package」をベースにディーゼルエンジンを搭載したもので、エンジンが異なるほか、エンジンの重量増に備えてサスペンションのショックアブソーバーの減衰力や、ステアリングギアのシリンダーサイズとバルブ特性を変更している。

　「D-Premium」は、「D-Power package」に対してナビゲーションシステムなどを統合したMMCS（7インチメモリーナビ）や、ロックフォードフォズゲートプレミアムサウンド・システム、クルーズコントロール、電動テールゲートなどを装備したもので、2.4リッターガソリンエンジン「G-Premium」のディーゼル仕様となる。

　ボディーサイズはどちらも4730×1795×1870mm（全長×全幅×全高）で、ホイールベースは2850mmと、ガソリン車と同様の仕様。重量は「D-Power package」（7人乗り）で1880kgと、ガソリンエンジンを搭載するベース車に対して110kgの増加となる。

量販グレードとなるD-Power package、シートは8人乗り仕様

上位グレードのD-Premium、シートは7人乗り仕様

D-Premium、カラーはホワイト

8人乗り仕様のインテリア

主要諸元