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日本損害保険協会、自賠責保険の重要性をアピールする広報活動を実施

「わすれないでね、自賠責保険。」と広報担当の女優・波瑠さん

記者発表会に出席した日本損害保険協会で専務理事を務める浅野広視氏(左)と、女優の波瑠さん
2013年2月28日開催

2012年度自賠責保険広報活動で使われるポスター。キャッチコピーは「わすれないでね、自賠責保険。」

 日本損害保険協会は2月28日、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)制度の認知・理解促進を目的に行う、「2012年度自賠責保険広報活動」の記者発表会を都内で開催した。この発表会には、同広報活動のイメージキャラクターである女優の波瑠(はる)さんが出席し、自賠責保険のアピールを行った。

 自賠責保険はドライバーを対象にしたものではなく、「すべての自動車」に加入が義務付けられている強制保険のこと。交通事故による被害者を救済するため法律によって定められたもので、運転者自身の怪我や事故にあった自動車の修理代、物の損害などに対して保険金は支払われない。払われる保険金の限度額は、死亡の場合最高3000万円、怪我の場合最高120万円、後遺障害が残った場合は程度に応じた等級によって75万円~最高4000万円となっている。

 特に注意が必要なのは、自賠責保険というのは法律で定められた強制保険であること。そのため、加入しないで自動車などを運行してそれが発覚した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金(自賠法第86条の3)、免許停止(道路交通法第103条、第108条の33)などの処罰・処分の対象になるとともに、人身事故を起こした場合は莫大な損害賠償金を自分で負担することになる。ちなみに自賠責保険の証明書を所持していなかっただけでも、30万円以下の罰金が科せられる。

 その自賠責保険の保険料だが、今年の1月に金融庁は値上げすることを発表。4月1日から自家用乗用車は11.6%、軽自動車は20.0%の値上げとなる。例えば24カ月契約の場合、自家用乗用車はこれまでの2万4950円から2万7840円に、軽自動車(検査対象車)は2万1970円から2万6370円に引き上げられる。一方で、小型2輪自動車は3.3%値下げとなり、これまでの1万4110円から1万3640円となる。

自賠責保険は4月1日から自家用乗用車は11.6%、軽自動車は20.0%の値上げとなる
今回の広報活動では自賠責保険には加入義務があり、被害者を守るための保険であることを訴求していく
自賠責保険に加入しないで運転すると罰則・処分の対象になる
自賠責保険は対人賠償のみが対象であり、加害者自身の怪我や物に対する損害は対象外となる
特に車検のない250cc以下のバイクに乗るユーザーは有効期限切れに気をつけたい
ポスター、インターネット、雑誌広告などで自賠責保険の重要性を訴えていく

 自賠責保険の基準料率については、国土交通省が運用するWebサイト「自動車総合安全情報」内(http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/resourse/data/ryouritsuhyo.pdf)で紹介されているので、こちらを参照されたい。自賠責保険の加入は損害保険会社(組合)の支店やクルマ・バイクの販売店などで行える。

 主だった車種・期間の保険料は以下のとおり(3月31日までの保険料)。

主な車種・期間の保険料(共済掛金)

60カ月48カ月36カ月24カ月
自家用自動車34,600円24,950円
軽自動車30,170円21,970円
軽2輪(125ccを超え250cc以下)25,130円21,280円17,350円13,350円
原動機付自転車(125cc以下)15,600円13,580円11,520円9,420円
日本損害保険協会の浅野広視専務理事

 今回実施する2012年度自賠責保険広報活動は、「加入が義務付けられていること」「被害者保護を目的としていること」の2点を訴求ポイントとし、3月1日~31日の期間に行われる。特に自賠責保険に対する認知度が低いとされる若者を中心にアピールしていきたいと言う。

 発表会には、波瑠さんに加え日本損害保険協会で専務理事を務める浅野広視氏が出席。浅野氏は今回の自賠責保険の広報活動について、「自賠責保険の制度、内容を広く知っていただき、保険の加入漏れをなくしていくことを目的としている」と述べるとともに、最近の交通事故について触れ、「警察庁によると、昨年の交通事故の発生件数は約66万5000件で、死者数は4411人、負傷者数は82万5000人となっており、死者数のピーク時は1万人を超えていたのでほぼ半減している状況にある。しかし、負傷者の数は依然高い水準のまま」とし、このような状況から自賠責保険の加入漏れやつけ忘れをなくすことを訴えていくことは、大変重要な取り組みであるとした。

 また、発表会では波瑠さんのトークショーも行われ、2012年度自賠責保険広報活動のイメージキャラクターに就任したことについて聞かれた波瑠さんは、「私の世代でクルマを持ち始めた人もいると思うので、そういう人に知ってもらえるピーアールキャラクターになれたのはすごく嬉しい」と述べたほか、最近ドライブした際に印象に残った出来事について「こないだ家族と遠出する機会があったのですが、大渋滞にはまってしまい、目的地まで4~5時間かかったときがあった。でも普段家族と話す機会があまりないので、逆に同じ空間でおしゃべりができたり音楽を聞いたりしてすごく楽しかった」と話すなど、自身のカーライフについて語られた。

 なお、2012年度自賠責保険広報活動の一環として、自賠責保険に関するクイズに答えると「EFUN Androidタブレット(10名)」または「交通安全用反射シール(200名)」が当たる自賠責保険クイズキャンペーンを実施。応募は日本損害保険協会の特設サイト(https://jibaisekihoken-quiz.jp/)で3月1日から行える。

波瑠さんのトークショーも行われた
発表会の最後に、波瑠さんがまもなく有効期限切れとなる保険標章から新しい保険標章に張り替えるデモが行われた

(編集部:小林 隆)