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フォルクスワーゲン、「ザ・ビートル・カブリオレ」発売
「ブランド価値向上にはビートルの存在が欠かせない」
(2013/3/25 21:08)
フォルクスワーゲン グループ ジャパンは「ザ・ビートル」のオープンモデル「ザ・ビートル・カブリオレ」を3月25日に発売した。価格は375万円。
ルーフにはキャンバストップを採用。6層構造で耐候性と静粛性にすぐれるとしている。電動開閉機構を備え、50km/h以下なら走行中でも開閉可能で、ルーフを開けるのに9.5秒、閉じるのに11秒かかる。
このキャンバストップは開くと後席後部に格納されるが、閉じても開いてもラゲッジスペースの容量は変わらず、225Lとなっている。さらに、後席は5:5の分割可倒式トランクスルー機構を備え、長尺物などの積載にも考慮されている。
後席後には、車両が転倒しそうになると瞬時にバーが飛び出して乗員を保護する「ロールオーバー・プロテクション・システム」を備える。
用意されるモデルは1種類のみ。エクステリアにはリアスポイラーとサイドスカート、バイキセノンヘッドライト、16インチアルミホイールを、インテリアには前席レザーシート、シートヒーター、レザーステアリングホイール、レザーハンドブレーキグリップ、レザーシフトノブ、純正カーナビ「712SDCW」を標準で備える。
またインテリアには、ボディー同色のインストゥルメントパネル/ステアリングホイールトリム/ドアトリムを備える。
パワートレーンは直列4気筒DOHC1.2リッター直噴ターボエンジンと7速デュアル・クラッチ・トランスミッション「DSG」の組合わせ。JC08モード燃費は17.6km/L。
ビートルのラインアップは今後も拡大
同社は同日、都内で発表会を開催した。会場となった六本木のイベントスペース、クラシカ東京には、初代ビートルと縁の深いカリフォルニアの文化をイメージして、ザ・ビートル・カブリオレが展示された。
同社の庄司茂社長は「フォルクスワーゲンの原点。ドイツ人のみならず世界中の人にマイカーを提供したモデル。子供が車の絵を描くとみなビートルの絵を描いたと言われている。フォルクスワーゲンの中で、ビートルほど、キャラクターが立ちながらも嫌味がなく、皆様に親しまれたクルマはない」とザ・ビートルにつながる「ビートル」シリーズの歴史を紹介。
また「私どもは最近、ラインアップを“3+1”と呼んでいる。“3”はもちろんゴルフ、ポロ、up!の3つ。“+1”にあたるのがこのビートル。+1のビートルが非常に重要で、3つの量販車をより多く売るためのブランド価値向上にはビートルの存在が欠かせなくなっている。フォルクスワーゲンの楽しさを伝える大事なモデルと信じている」と、同社ラインアップにおけるザ・ビートルの位置づけを説明し、5月には特別仕様車「ザ・ビートル・フェンダー」を発売し、秋以降にもモデルを追加することを明らかにした。
「ゴルフ7」は6月導入
庄司社長は、2013年がフォルクスワーゲンの日本への本格輸入開始から60周年、また豊橋のフォルクスワーゲン グループ ジャパンのインポート施設が稼働開始してから20周年であることに触れ、「1953年にヤナセが輸入した108台のフォルクスワーゲンのうち、105台がタイプ1(初代ビートル)、タイプ2が3台。60年の月日が流れ、28車種にものぼるフォルクスワーゲンが輸入されてきた。タイプ1が9万台、ゴルフが52万台、ポロは20万台輸入された」とその歴史を語った。
またインポート施設の設立当時の販売規模が年間2万台だったのに対し、現在は5万6000台、今年は6万台超を狙うとした。さらに豊橋のフォルクスワーゲン グループ ジャパン専用埠頭で陸揚げされたクルマの累計台数が、今年中に100万台を突破することもアピールした。
そんな中、昨年発売したスモールカー「up!」は受注累計が8500台、月1000台以上のペースで売れており、国産小型セグメントからの乗り換えが一番多く、軽自動車からの乗り換えは15%程度であることを明らかにした。
また、今年は1.4リッター直噴ターボのブルーモーションモデルの投入で勢いがついた「ティグアン」が好調で、2012年1月比75%増を売り上げ、うちFFモデルが80%を占めたとしている。
屋台骨の1つ、「ゴルフ」は現行モデルが今月完売の予定で、ティザーサイトが公開された新型「ゴルフ」(7代目)は6月に導入されるとした。