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日本流行色協会、今年度の「オートカラーアウォード」グランプリはレクサス「IS 300h」

「ハイライトからシェードまで明暗のレンジが広く、ISの造形にもあっている」と評価

オートカラーアウォード2014のグランプリに選ばれたレクサス「IS 300h」(ソニックチタニウム)
2013年12月13日発表

IS 300hのインテリア(トパーズブラウン)

 日本流行色協会は12月13日、「オートカラーアウォード2014」の審査会を開催し、グランプリにレクサス「IS 300h」のソニックチタニウム(エクステリア)/トパーズブラウン(インテリア)の組み合わせを選出した。

 オートカラーアウォードとは、優れた色彩の自動車デザインを顕彰する賞で、自動車の優れたカラーデザインがどのように生まれてきたか、また自動車のカラーデザインに現れる時代のカラートレンドを広く伝えることなどを趣旨に行われている。今年は8月31日に公募を開始し、12月13日に実車審査および表彰式が行われた。

 今回はもっとも優れたカラーデザインに贈られる「グランプリ」を始め、「準グランプリ」「ファッションカラー賞」「オートカラーデザイナーズセレクション(エクステリア部門賞/インテリア部門賞/企画部門賞“カラーデザイナーやりきり賞”)」「プロダクツCMFデザイナーズセレクション」「文化学園大学セレクション」が発表されている。

 グランプリにはレクサス「IS 300h」のソニックチタニウム(エクステリア)/トパーズブラウン(インテリア)の組み合わせが選ばれており、審査委員長の有元正存氏は「今回はインテリアのデザインに力を入れたものが多かった。この背景にはライフスタイルオリエンテッドというデザインの考え方があるのだろう。その一方、審査では『THEクルマ』という言い方をしたが、クルマのカラーの美しさ、かっこよさ、その方向というのもある。インテリア発のカラーデザインと、このTHEクルマのカラーという方向の、2つの視点のせめぎ合いだったが、結果クルマのカラーの美しさを重視する方向になり、『LEXUS IS 300h』のソニックチタニウムが選ばれた。ソニックチタニウムは、ハイライトからシェードまで明暗のレンジが広い。陰影感が強くどんな光の状況でもきれいにみえ、ISの造形にもあっている」とコメントを発表している。

 なお、準グランプリは日産自動車「キューブ 15X ロルブーセレクション」、ファッションカラー賞はフォルクスワーゲングループジャパン「ビートルカブリオレ60's」、オートカラーデザイナーズセレクションのエクステリア部門賞はスバル(富士重工業)「XV ハイブリッド」、同じくオートカラーデザイナーズセレクションのインテリア部門賞および企画部門賞“カラーデザイナーやりきり賞”はスズキ「アルト ラパン ショコラ」、プロダクツCMFデザイナーズセレクションはフォルクスワーゲングループジャパン「ビートルカブリオレ60's」、文化学園大学セレクションはスバル(富士重工業)「BRZ プレミアムスポーツパッケージ」が選ばれている。

準グランプリに選ばれた「キューブ 15X ロルブーセレクション」のスオミブルー(エクステリア)/ロルブー(インテリア)。有元審査委員長は「グランプリの受賞理由でも説明したように、今回はインテリアに力の入ったものが多かった。インテリアをメインにカラーのコンセプトをつくるというのは、以前からあったものだが、今回はそれが際立った形ででており、自動車への価値観の変化がうかがえる。その中で『キューブ 15X ロルブーセレクション』は人気の北欧からインスピレーションを得て、色々な要素がある中で、それをそぎ落として、クルマのインテリアとして魅力的に昇華している」と評価
ファッションカラー賞は「ビートルカブリオレ60's」のデニムブルー(エクステリア)/ブラック&アトランティックブルー(インテリア。写真はビートルカブリオレのデニムブルー)。審査委員の池西美知子氏は「決定理由としてまず伝えたいのは、シンプルに『かっこいい、おしゃれ、乗ってみたい』と思うクルマであるということ。60'sとあるが、懐古趣味ではなく現代にみてかっこいい、美しいものになっている。今やどんな高級なブランドでもデニムのラインを揃えており、それだけ老若男女問わずに重要になっているデニムを色名に使っている。これは現代のライフスタイルにフィットするカラーであり、高級だが同時に気のおけないカジュアルさを、見事にクルマの色として表現している」とコメント。同車両は家電などプロダクツメーカーのデザイナーによりCMF(カラー、マテリアル、フィニッシュ)の視点で選ばれるプロダクツCMFデザイナーズセレクションも受賞した
自動車メーカーの代表により得点制で決定するオートカラーデザイナーズセレクションのエクステリア部門賞に選ばれた「XV ハイブリッド」。カラーはプラズマグリーン・パール(エクステリア)/ブラック+シルバーアルカンターラ(インテリア)
同じくオートカラーデザイナーズセレクションのインテリア部門賞に選ばれた「アルト ラパン ショコラ」。カラーはシャンパンピンクパールメタリック(エクステリア)/マルーン×アイボリー+レッド(インテリア)。同車両は企画部門賞“カラーデザイナーやりきり賞”も受賞しており、審査委員のトヨタ自動車 岡崎良二氏は「受賞理由は3つ。1.企画にインパクトがあり、アイデアそのものが日本に自信と元気を与えてくれる。2.その企画を実現するためにサプライヤーをまたぐ地道な色合わせや、細部にまでわたるこだわり、上層部への交渉などをとことんやりきって、ターゲットではないおじさんまでも感動させた。3.企画力、交渉力、表現力が他のカラーデザイナーの見本になる」と受賞理由を述べている
文化学園大学セレクションに選ばれた「BRZ プレミアムスポーツパッケージ」。カラーはダークグレー・メタリック(エクステリア)/ブラック+タンレザー(インテリア)。同賞は審査会場である文化学園大学の学生の代表が選出した

(編集部:小林 隆)