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SPK、アルパインスターズ製品の取り扱いをスタート

2014年モデルでは入門者向けの「START」のスーツとグローブを展開

レーシングスーツやグローブなど、アルパインスターズ製品を一堂に集めた展示会を開催
2014年1月10日発表

 自動車関連製品を幅広く取り扱うSPKは、イタリアのモータースポーツギアメーカーであるアルパインスターズの製品取り扱いを2月からスタートする。これに先立ち、1月10日、11日にニューモデルの発表展示会「Alpinestars AUTO RACING COLLECTION 2014」を開催した。

SPK 取締役 海外営業本部長の沖恭一郎氏

 発表会では、まずSPK 取締役 海外営業本部長の沖恭一郎氏から「このたび、モータースポーツが熱く盛んなイタリアのプレミアムモータースポーツギアブランド“アルパインスターズ”とパートナーシップを締結し、日本のみなさまにSPKが持つ幅広い流通販路を活用して最先端の商品をお届けできる運びとなりました」と挨拶の言葉が述べられた。

 さらに「お客様に魅力的な商品を提供するということが、自動車部品用品商社であるわれわれSPKの存在意義です。今回、アルパインスターズ商品を取り扱うことで、より力強く業界をけん引していく立場となる責任を重く感じております。一昨年のトヨタ 86(ハチロク)登場以来、モータースポーツ、アフターパーツ業界も盛り上がってきており、さらに、昨年のモーターショーではダイハツから『コペン』、ホンダから『S660』と『NSX』の市販化を期待させるコンセプトカーが展示され、今年からよりいっそう盛り上がると思います」と、意気込みと今後への期待が語られた。

 このほか、同社が以前から総代理権を持つ「プーマ モータースポーツ」、代理店権を持つ「アライヘルメット」といったモータースポーツブランドとのシナジー効果により、日本のモータースポーツ界にさらなる盛り上がりを与えたいとコメントしている。

 さらに発表会には、ゲストとしてアルパインスターズSPAのニコラ・バッジオ氏、アルパインスターズからオーダーメイド製品の提供を受けているレーシングドライバーの脇阪寿一選手の2人が参加。バッジオ氏からはアルパインスターズについての解説、脇阪選手からは実際に製品を使用する立場からの感想などが語られた。

 バッジオ氏は「アルパインスターズは50年以上の歴史を持ち、世界中で使われるモータースポーツ用品、レーシングギアなどを製造してきた会社です。とくに2013年シーズンはF1やNASCAR、MotoGP、モトクロスなどの世界でアルパインスターズの製品を使う選手が活躍を見せ、われわれアルパインスターズの成功にもつながりました。また、日本市場で成功することも非常に大事だと考えており、ビジネスを成功させるためにどんな相手とパートナーシップを結ぶかが大切で、SPKとの関係が大事なキーポイントになると考えています」とコメント。また、SPKが資本規模の大きな会社であり、これまで多方面に販路を確保してきたことに触れつつ、ビジネスにとって大切なのは資本の大きさだけではなく、SPKが会社の理念として「アンビシャス」「シンシアリー」「パッション」「カインドネス」を掲げており、こうした面を一緒に働く相手として重視したと語っている。

 脇阪選手はすでに10年以上アルパインスターズ製品をレースで使用しており、イタリアにある生産工場にも足を運んでいる。靴などを作らせたら日本人が一番だろうと考えてレース活動を始めた当初は国産メーカーの製品を使っていたが、実際に工場で生産現場を見学し、そこに最近の日本で失われつつある「もの作りに対するこだわり」が満ちていて驚かされたという。ちょうどF1グランプリが開催された直後の月曜日に脇阪選手が工場を訪問したときには、「ペトロナス」のロゴマークとグリーンのラインが入ったメルセデスGP(現在のメルセデスAMG)がF1で使っているレーシングスーツがすでに届いており、いち早く糸を解いて仕立て直している光景を見て感銘を受けたと語った。

 このほか、トークショー中に司会者から「モータースポーツが盛り上がって、これまで以上に売れるようにするためにはどうしたらいいか?」という質問に対して、「まずはかっこいいことですよ。アルパインスターズの製品は時代の流れに敏感でクールなので、その要素を持っていると思います」と回答している。

アルパインスターズSPAのニコラ・バッジオ氏
レーシングドライバーの脇阪寿一選手
発表会の記念に、アルパインスターズの50年の歴史をまとめたヒストリーブックに、脇阪選手とバッジオ氏の2人がサインを入れた

 このほかに発表会では、バッジオ氏からアルパインスターズが50年以上の歴史のなかで、250人以上のさまざまなレースカテゴリーで活躍する選手に製品提供を行い、さらに選手それぞれの要望を製品にフィードバック。過酷なレースシーンで製品が磨き上げられていることが明かされた。また、脇阪選手も市販品のレーシングシューズを試しに履いたところ、自分が日ごろ使っているオーダーメイド用品とそれほど大きく差がないと感じて驚かされたというエピソードを語っている。

会場には2014年モデルを含め、アルパインスターズの販売ラインアップ製品を網羅して展示。さらにレーシングスーツが並ぶ一角には、レーシングドライバーの松浦孝亮選手がインディカー・シリーズのレースで実際に着用した製品も展示された

 アルパインスターズの2014年モデルでは、新たにモータースポーツの入門者に向けた「START」と名付けられた製品がラインアップに加えられたことが大きな特徴。レーシングスーツとレーシンググローブに新設定され、レーシングスーツでは上位製品が3レイヤーの全体構造になっているところを2レイヤーに変更。価格を抑えて軽量化を図りながら、上位製品と同じ「FIA 8856-2000公認」を取得する高い耐熱性を確保している。また、既存のラインアップ製品でもカラーバリエーションなどを拡充したほか、アマチュアレーサーはプロドライバーのようにスポンサーロゴなどを貼り付けるケースが少ないことに着目し、胸や足などにアルパインスターズのロゴマークを設置。デザイン性を高め、見た目が簡素になり過ぎないよう工夫している。

 SPKではこの2014年モデルに加え、既存のラインアップ製品も幅広く取り扱うことを決めており、2月以降に全国のカー用品店やレーシングギア取り扱い店、インターネットショップなどでアルパインスターズ製品を販売していく。

レーシングスーツの新ラインアップでは、これまでボトムレンジを担当してきた「SP」を廃止し、新たに「GP RACE SUIT」「GP START SUIT」を設定して5製品に拡大
価格を抑えて手が届きやすくなった「GP START SUIT」だが、大きなレースイベントでも使用できる「FIA 8856-2000公認」を獲得する耐熱性を持ち、腰まわりに伸縮性の高い素材を使って身体の動きを阻害しない工夫など上位製品と変わらない使い勝手も実現していると紹介された
6万2895円の価格を実現した2014年モデルの「GP START SUIT」。カラーはシルバー レッド
「GP START SUIT」のブラック
「GP START SUIT」のブルー シルバー
2014年モデルで新登場した「GP RACE SUIT」。価格は10万3950円。カラーはブラック オレンジフルーオ
「GP RACE SUIT」のレッド ブラック
レーシンググローブの2014年モデル「TECH 1 START GLOVE」。価格は1万2390円。手ごろな価格ながらスーツと同じく「FIA 8856-2000公認」を取得した本格派。人間工学形状のスウェードインサートで高いグリップ性も発揮する。ブラック、ブルー、レッドの3色を用意
既存のレーシングシューズ「TECH-1Z」に新色として追加されたホワイト レッド。価格は5万190円
「TECH-1Z」のホワイト ブルー

(編集部:佐久間 秀)