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トヨタ、「ヴィッツ」「ラクティス」「ベルタ」「イスト」で合計91万9684台をリコール

パーツの強度不足でシートが動いたり、ステアリングコラムが固定できなくなるおそれ

改善個所説明図1
2014年4月9日発表

 トヨタ自動車は4月9日、2005年から2010年に生産した「ヴィッツ」「ラクティス」「ベルタ」「イスト」をリコールした。対象台数は4車種合計で合計91万9684台。

 今回のリコールでは3個所の不具合について改善が行われる。1つめは運転席の前後位置を調整するスライド機構に関するもので、固定用スプリングの強度が不足しているため、前後調整を頻繁に行ったときにスプリングが折れてしまう可能性がある。スプリングが折れるとシートが固定できなくなり、場合によっては走行中にシートが動くようになるおそれがある。

 2つめはワイパーのモータ取付部周辺にある排水口の形状。排水口の形状が不適切で落ち葉などの異物が排水口に詰まる場合があり、そのまま使用を続けると排水口から流れでなかった水がモーターや制動灯などの電気配線に浸入し、ワイパーや制動灯などが作動しなくなるおそれがある。

 3つめはステアリングコラムを固定するブラケットの強度。インパネ下に取り付けるブラケットの強度が不足しており、ステアリングを強く一杯に切る操作を繰り返すと亀裂が生じる製品がある。この亀裂が進行した場合、ステアリングコラムが固定できなくなるおそれがある。

改善個所説明図2
改善個所説明図3

 これらの不具合に対する改善措置として、1つめでは対象車両の運転席シートレールの製造番号を確認し、該当するものは対策品と交換。2つめでは対象車両の排水口の形状を修正し、ワイパーモーターを新品と交換。さらに電気配線を点検し、腐食している場合は新品と交換する。3つめでは対象車両の当該ブラケットを点検し、異常がない場合は対策ブラケットを追加。損傷している場合は車体部品(インストルメントパネルリインホースメント)を対策品と交換する。

 このほか、同日にトヨタでは、「RAV4」「ヴァンガード」「マークX」の3車種14万6678台でエアバッグの配線が摩耗して断線し、エアバッグが作動しなくなる不具合、「カローラアクシオ」「カローラフィールダー」「ポルテ」などの1NZエンジンを搭載するアイドリングストップ機能装着車の6車種1万9151台でスターター駆動用リレーの接点部に銀成分が凝集し、はがれ落ちた銀成分によって通電状態になったスターターが回転し続けて発火する不具合も発表され、国土交通省に届け出が行われている。

(編集部:佐久間 秀)