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英マクラーレン、ル・マン24時間の勝利から20周年を記念した限定車「650S Le Mans」

全世界50台限定。「マクラーレン F1」をデザインしたピーター・スティーブンス氏が協力

2015年1月20日(現地時間)発表

24万4500ポンド

 英マクラーレン・オートモーティブは1月20日(現地時間)、1995年のル・マン24時間レースでの勝利から20周年を記念した限定車「650S Le Mans」を発表した。英国での販売価格は24万4500ポンドで、2015年半ばから納車を開始する予定。

 2014年のジュネーブショーでワールドプレミアされた、「マクラーレン 650S」をベースにした限定車。650Sではクーペとリトラクタブル・ハードトップのスパイダーが用意されるが、今回の限定車はすべてクーペモデルとなる。車両の開発は、同社のビスポーク部門「マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)」が担当し、「マクラーレン F1」をデザインしたピーター・スティーブンス氏の協力も得たコラボレーションモデルとなる。

 デザインは、1995年のル・マン24時間レースで勝利した「マクラーレン F1 GTR」(59号車)にインスピレーションを受けたものといい、ルーフにシュノーケルタイプのエアインテークを装着しているのが特徴の1つ。エアインテークはエンジンルームにフレッシュなエアを送るだけでなく、室内にエンジンサウンドを届ける役割も果たしている。ボディーカラーもまた、「マクラーレン F1 GTR」をイメージしたメタリックのサルト・グレーを採用する。

 そのほか、エクステリアでは1995年当時のレースカーを彷彿とさせる、モータースポーツ仕様のリムを採用したフロント19インチ/リア20インチの軽量ホイールを装着し、これにマクラーレン用に開発されたピレリ「P Zero CORSA」を組み合わせる。ホイールの内側に覗くマクラーレン・オレンジのキャリパーにはカーボン・セラミック・ブレーキを標準で組み合わせた。さらにカーボン・ファイバー製のフロントスプリッターやリアバンパー、MSOデザインのリアディフューザーなども装着している。

 インテリアでは、ブラックを基調とするスポーツシートの中央部分にコントラストの効いたマクラーレン・オレンジのアルカンターラを組み合わせた。さらにシートのヘッドレストに「Le Mans」のロゴをエンボス加工するほか、ドアの内装パネルにル・マンでの勝利を記念するパネルが装着されるなど、歴史的勝利への敬意を表現した装備が与えられている。

 なお、エンジン出力は650Sと同様となっており、V型8気筒3.8リッターツインターボ「M838T」の最高出力は650PS/7250rpm、最大トルクは678Nm/6000rpm。0-100km/h加速は3.0秒、最高速は333km/h。

 この「650S Le Mans」について、ピーター・スティーブンス氏は「マクラーレン F1のデザインは、これまでの常識を覆すものでした。このマシンはロードカーでのドライブにおいて極限まで妥協のないエクスペリエンスを実現する、という意図をもってデザインされました。それがレースカーへと転身し、さらにはレースで勝利したという事実は、オリジナル・デザインの強さと融合を証明するものであり、私は非常に誇りに思っています。デザイン上の細かな工夫がいたるところに施された650S Le Mansでは、マクラーレン F1のアイコニックなラインや、ウイングのルーバー、ルーフに装着されたインテークなど受け継ぐべき伝統的な装備を、現代の画期的な技術と組み合わせることにより、モダンな雰囲気を生み出しています。この650S Le Mansは、オリジナルのデザインと、世界でもっとも困難で過酷なレースにおいて、1995年当時のチームが成し遂げた偉業に対する敬意を表現したものなのです」とコメントしている。

(編集部:小林 隆)