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日産、50年前の「ダットサン・ベビイ」を再生

「こどもの国」の50周年イベントなどで展示・活用予定

2015年3月28日公開

ダットサン・ベビイと日産の現役社員を中心にしたボランティア組織「日産名車再生クラブ」のメンバー

 日産自動車は3月28日、かつて「こどもの国」に寄贈した「ダットサン・ベビイ」の1台を、同社の現役社員を中心にしたボランティア組織「日産名車再生クラブ」により再生し、日産グローバル本社ギャラリーにおいて公開した。

 ダットサン・ベビイは、神奈川県横浜市に1965年オープンした遊園地「こどもの国」のため専用に設計・開発した子供用の自動車。当時、愛知機械工業が市販していた200cc・2人乗りのユーティリティトラック「コニー・グッピー」をベースに専用設計し、子供用の自動車としながらも、レーシングカーのようにダブルウィッシュボーン形式を採用した4輪独立サスペンションなど本格的な構造を持つ。

 日産は100台をこどもの国に寄贈したが、車両の寄贈のみならず「こどもたちに本物の自動車交通教育を提供する」という役割を果たすため、自動車交通教育の教材提供、こども自動車専用走行コースの監修も併せて実施していたという。

 再生を手掛けた日産名車再生クラブでは、ダットサン・ベビイの再生にあたって当時の仕様を綿密に調査、各サプライヤーの協力も得ながら、休日での作業を9カ月以上続けて完成に至った。同クラブでは、かつての名車に採用した技術の伝承や自動車文化の継承・発信を目的に2006年の発足以来、毎年1~2台の歴史的車両を再生し続けており、このダットサン・ベビイで10台目の再生車両となった。

 この日開催された再生完了式典には再生に関わった人たちが集まり、車両の劣化した部分を丁寧に再現する様子をビデオで振り返るなどして、再生の完了を喜んだ。今回、再生された車両は、同園内に長年保存されていた100号車にあたるクルマ、今後は「こどもの国」の50周年イベントなどで展示・活用される予定。

 同式典に出席した日産自動車副社長の坂本秀行氏は「一風変わったクルマでしたが、先輩たちのやった仕事を図面で見のは、その時の意気込みを感じることができた」と語り、「こどもの国」園長の三国治氏は「なんらかのカタチで走る姿を見せてあげたい」と話した。

左から「こどもの国」園長の三国治氏と日産自動車副社長の坂本秀行氏

(編集部:椿山和雄)