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JAIA、設立50周年を記念した祝賀会を開催
「魅力あふれるクルマを日本のお客様にお届けする“絆”となることが、当組合と輸入車業界の使命」と庄司理事長
(2015/5/29 23:04)
- 2015年5月29日開催
JAIA(日本自動車輸入組合)は5月29日、都内で設立50周年を記念した祝賀会を開催した。
JAIAは日本で自動車の輸入が自由化された1965年に、輸出入取引法に基づく非営利法人として設立。組合は海外の自動車メーカーと直接輸入契約を結ぶインポーターで構成され、輸入車市場の健全な発展のため諸統計の作成や共同展示事業、技術情報の提供等の事業を行っている。
祝賀会では、JAIAで理事長を務めるフォルクスワーゲン グループ ジャパンの庄司茂代表取締役社長が代表の挨拶を行うとともに、経済産業省 大臣政務官の関芳弘氏、国土交通省 自動車局長の田端浩氏、駐日欧州連合代表部通商部 一等書記官のブルーノ・ジュリアン-マルヴィ氏、在日米国大使館 臨時代理大使のジェイソン・P・ハイランド氏らが来賓者を代表して祝辞を述べた。
各人のコメントは以下のとおり。
JAIA 理事長 庄司茂氏
当組合は、50年前の1965年に自動車の輸入自由化の年に誕生し、私は10代目の理事長になります。当組合は、輸出入取引法に基づき設立されましたが、初代理事長は梁瀬次郎さんが務められました。設立当時にはまだ輸入車が“外車”と呼ばれ、市場規模は現在の1/20。年間の販売台数は1万数千台程度でした。このような時代に、梁瀬さんをはじめ先人たちが将来を見通して設立したことが画期的な契機となり、輸入車業界はクルマの輸入・販売・流通・アフターサービスなどのさまざまな分野で整備され、今日まで大いなる発展を遂げてきております。諸先輩方の先見の明とご尽力に改めて敬意を表するものであります。
さて、当組合の設立時の輸入車の市場規模は、先ほど申し上げたとおり極めて小さいものでした。このため、当組合の初期の活動の主眼は輸入車の認知度の向上に置かれました。例えば、各都市での展示会の開催や型式認定の取得に関する連携活動など、開拓者がブランドの垣根を超えて共同で事業を展開し、少しずつ輸入車の知名度が上がり、裾野が広がって参りました。毎年多くのメディアの皆様にご参加いただいており、今年で35回目を迎えた輸入車試乗会は輸入車の魅力を発信する機会として企画され、継続・発展してきているものです。
1970年代以降、自動車産業が安全問題に加えてエネルギー問題や環境問題に直面する機会があり、1980年代~1990年代になりますとインポーターの直接出資化が進み、当組合への期待が変化して参っております。今日、当組合の活動は技術基準や規制の国際的な調和を求める要望活動などに重点が移ってきております。
振り返れば、今ではほとんどのクルマに標準装備されているABSやエアバッグの日本市場への導入に際しては、当組合がさきがけの要望を行い、経済産業省様、国土交通省様の多大なるご協力を得て実現にこぎつけたものであります。また、近年では水素を使用したエアバッグなどの先進環境対応車や、自動運転に向けたさまざまな先進安全技術を備えた世界のクルマが日本市場にもタイムリーに導入されるよう、ほかの自動車関係団体様のご協力をいただきつつ、活動を展開しております。
世界各国で生産され、日本へ輸入されるクルマ/モーターサイクルは、それぞれのブランドが育んだ文化と歴史を背景として、豊かな個性やユニークなデザイン、快適な走行性能と安全・環境性能を兼ね備え、さまざまな魅力にあふれております。このように、魅力あふれるクルマを日本のお客様にお届けする“絆”となることが当組合と輸入車業界の使命と考えております。
本日、設立50周年という節目の年に祝賀会を迎え、組合員一同を代表して本日お集まりの日本政府、各国大使館、自動車関係団体、メディア関係の皆さま、そして輸入車を支えてきていただいております全国のユーザーの皆様に、長年にわたる当組合の活動への格別のご指導・ご協力・ご支援に改めて深く感謝申し上げます。
組合員一同、次の50年を経て100年周年に向けて決意を新たにしており、これからも世界の魅力あふれる輸入車をより多くの皆様にお届けし、世界と日本の持続的成長にさらに貢献する所存でございます。本日ご来場いただきました皆様には、倍旧のご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
経済産業省 大臣政務官 関芳弘氏
本日は誠におめでとうございます。実は私もあと10日ほどで50歳になりまして、同じ50年ということで感慨深いものがございます。
今年はアベノミクスの3本目の矢、成長戦略を実現する正念場の年でございます。消費税増税で足踏みをしておりました消費も、ここにきて上向いて参りました。地方を含めまして、経済の好循環をさらに確実なものにしていかないとならないと思っています。
先ほど庄司理事長のご挨拶にもございましたが、50年前に年間の販売台数が1万台程度だった輸入車市場は、今や29万台へと大きく飛躍しました。市場シェアもここ20年で見ましても約2倍の8.8%へと順調に拡大して参りました。輸入車は、魅力的なデザインと優れた性能を兼ね備え、自動車ユーザーに彩り豊かなバリエーションを提供し、自動車市場の活性化・我が国のクルマ文化の形成に重要な役割を果たしております。
一昨年には、輸入車が日本カー・オブ・ザ・イヤーの大賞に輝いたことは記憶に新しいところでございます。輸入組合の皆様方が1965年の設立以来、50年の長きにわたり重ねてこられました輸入車の浸透や販売のご努力に心から敬意を表する次第でございます。
経済産業省といたしまして、輸入車を含めました自動車市場のさらなる発展に向けまして税制改正や次世代自動車の普及、環境整備などに引き続き取り組んで参ります。
最後になりますが、日本自動車輸入組合と本日ご出席の皆様の益々のご発展を祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。
国土交通省 自動車局長 田端浩氏
本日は日本自動車輸入組合の設立50周年記念祝賀会にお招きいただきまして誠にありがとうございます。
貴組合におかれましては、1965年の設立以来、インポーター会員各社のご協力のもと、輸入車の世界的認知を高め、魅力の裾野を広げる観点から共同事業あるいは技術情報の提供、国際化対応などの事業を行って参りました。特に自動車の輸出入の不均衡が問題となりまして、欧米各国から輸入の拡大を求められた1980年代には当時の梁瀬次郎理事長のリーダーシップのもと、各界に輸入促進の働きかけをされるとともに、安全と環境に配慮したうえで輸入車の市場拡大を図る各種の施策を官民協力のもとで進めることになりまして、多大なるお力添えを賜ったのであります。
このように、これまで輸入車市場の健全な発展を担ってこられました貴組合が、このたび設立50周年を迎えられたことに、心よりお喜び申し上げます。国土交通省といたしましても、自動車の国際流通を一層円滑化するため、国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)において、欧米やアジアの諸国とともに主体的に活動しているところであります。
特に型式認証の相互承認制度を、装置単位から車両単位へと発展させますIWVTAにつきましては、その創設を日本より提案し、2016年の合意と導入を目指して制度の整備を進めているところであります。引き続きの皆様のご支援を賜りたいと思います。
最後になりますが、日本自動車輸入組合と本日ご出席の皆様の益々のご発展を祈念いたしまして、私のあいさつとさせていただきます。
在日米国大使館 臨時代理大使 ジェイソン・P・ハイランド氏
日本自動車輸入組合の設立50周年をお祝いする場に同席でき、光栄でございます。ご紹介いただきました庄司理事長にお礼申し上げます。またご来賓の皆さまとご一緒でき、嬉しく思います。
アメリカの自動車とオートバイは、100年にわたり日本の自動車産業の一翼を担って参りました。まず、1915年に輸入されたGMのキャデラックとビューイックの販売が開始されたのを皮切りに、フォードが1925年に横浜に工場をオープンし、その後ハーレーダビッドソン、クライスラー、そしてインディアン モーターサイクルがこれに続きました。アメリカのブランドは、日本の皆さんにクルマを所有する楽しみと自由を紹介するパイオニアとなったのです。こうしたアメリカを代表するブランドは、ワクワクするようなモデルやスタイルを取りそろえ、日本をはじめ世界中の消費者に今も運転する楽しさを提供しています。テスラのような新しいブランドも、先端的技術を使った高性能な製品を日本市場に投入しています。そして伝統的なアメリカブランドと肩を並べ、革新的な製品を送り出すことで新しい道を開いています。
我々は米国車に誇りを持っています。皆さんの中で、初めて自分のクルマを買う時のワクワクした気持ちを覚えていない人はいないのではないでしょうか。私は、特に長年にわたって日本でオートバイやクルマの販売促進に携わってきた方々に感謝をしたい。クルマが船から降ろされ、オーナーがキーを手にする瞬間まで多くの人たちが輸入、認証、ショールームでの展示、整備ならびに販売などに関わっており、大きなネットワークを構成しています。世界中からクルマを輸入することによって皆さんは消費者の選択肢を広げ、日本のドライバーに違うものを楽しむ機会を提供しています。その素晴らしいチームのメンバーである皆さんに深くお礼申し上げます。
皆さんの会社は、21世紀の生活ニーズに沿った環境に優しく、空気抵抗の少ない先端技術を駆使したクルマの生産を目指しており、米国車の先頭には素晴らしい未来が開けています。我々は21世紀型のクルマだけでなく、21世紀型の国際市場の創出にも取り組んでいきます。将来を展望するにあたり、ここにお集まりの皆さんがこの活力ある自動車産業界の一員であること、そして最高水準の品質とノウハウを代表していることを今後も誇りに思っていただきたいと思います。