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スーパーフォーミュラ開幕戦鈴鹿、サタデーミーティング
白井前社長は技術顧問に就任、倉下明氏が新社長に
(2016/4/24 06:40)
- 2016年4月23日 実施
スーパーフォーミュラを運営するJRP(日本レースプロモーション)は4月23日、スーパーフォーミュラ開幕戦となる「2016 NGKスパークプラグ 鈴鹿2&4レース」開催中の鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)において、サタデーミーティングを実施した。
このサタデーミーティングは、予選日である土曜日に行なわれる報道向け記者会見で、開催ごとのトピックが紹介される。
開幕戦のサタデーミーティングでは、直前に発表された白井裕氏の任期満了に伴うJRP代表取締役社長退任と、倉下明氏のJRP代表取締役社長の就任に関する会見が行なわれた。
本田技術研究所出身の白井裕氏は、2010年4月から6年にわたりJRPの社長を務め、2013年に新ブランドとしてスーパーフォーミュラの導入、2014年にはSF14という新型車両の導入を行なうなどの実績を残した。今後、白井氏氏は技術顧問としてJRPに残り、SF14の後継車両の検討などを担当することになる。
新しく代表取締役社長に就任した倉下明氏はフジテレビ出身で、フジテレビでは主にスポーツ畑を中心に担当し、スポーツ部長を努めるなどした。今後、スーパーフォーミュラのアジア展開やテレビ放送など、白井氏の時代には実現できなかった課題に取り組むことになる。
白井氏が6年間を振り返る、ハイライトはSFへの名称変更とSF14の導入
JRPは4月18日に行なった同社株主総会で、代表取締役社長の白井裕氏の任期満了に伴う退任と、その後任としてそれまで同社取締役だった倉下明氏の代表取締役社長への就任が決議されたことを明らかにした。白井氏は、同社社長に就任する前は、ホンダのモータースポーツ担当としてSUPER GTなどの活動を担当しており、ホンダを定年退職後の2010年4月にJRPの代表取締役社長に就任していた。今回の退任は任期満了に伴うもので、今後は同社の技術顧問に就任し、技術的な知見をもって倉下新社長を補佐する。
会見冒頭の白井氏の退任の挨拶
熊本県を中心とした地震で被災された皆様にお見舞い申し上げたい。一刻も早く復興されるようにお祈り申し上げている。JRPとしても現在どのような貢献ができるか検討している。
このたび、弊社の株主総会において、任期満了に伴い社長を退任することとなった。2010年4月に代表取締役に就任してから6年、ファンの皆様、協賛企業の皆様に支えられてここまでやってこれた。感謝の想いで一杯だ。就任当初は、2008年の秋にリーマンショックがあり、日本経済への影響が大きいままで、レース業界全体としてエントラントも厳しい状況下であった。そして2011年の3月には東北の大震災もあり、経済的にはかなり厳しい状況中でスタートした。そうした中でこのシリーズを名実ともに日本の最高峰にしていくにはどうしたらいいかが課題だった。スポンサーを獲得してレースを行なうのが基本的な構造である以上、日本だけでなく海外に活路を求めていくのが正しい方向だと考えた。そのために、高性能なレース車両を導入し、話題性のあるシリーズを作ることが大事だと考えてやってきた。
2013年にシリーズの名称を“スーパーフォーミュラ”に変更し、2014年にクイック&ライトをコンセプトにした新型車両のSF14を導入し、日本の5つのサーキットでコースレコードを塗り替えた。鈴鹿で言えばコーナリングスピードでF1を超えるような車両を実現でき、レース関係者からも注目を浴びてきたと考えている。さらに今年からは新しいオフィシャルサプライヤーとして横浜ゴムさんを迎えることができたし、現行車両で3年目となるのでそろそろ次期新型車両についても取り組んで行かないといけないと考えている。ただ、アジア展開に関しては課題として残っており、新社長となる倉下氏に引き続きお願いしたいと考えている。
今後はJRPの技術顧問として、次期新型車両についてどうするのかなどの諸問題に、新社長と一緒に取り組んでいきたい、6年間お世話になり感謝申し上げたい。
フジテレビ出身の倉下氏が新しい代表取締役社長に就任。SFの認知度向上を目指す
新しく代表取締役社長に就任した倉下明氏は、1986年にフジテレビに中途入社し、20年ほどスポーツの現場でディレクターやプロデューサーなどを担当してきたテレビマン。プロ野球ニュースのディレクターや、現在スーパーフォーミュラの中継を担当しているJ-SPORTSの立ち上げなどに関わった後、フジテレビのスポーツ部長に就任し、その時代にホンダとF1の活性化などのプロジェクトに関わった縁があったという。
その倉下氏は「私が社長をお引き受けるのは、プロモーションの部分に力を入れてほしいということだと理解している。ハードや競技などは、私一人の見識ではジャッジできない部分があるので、白井氏に引き続き残ってもらい二人三脚でやっていきたいと考えている。今シーズンはストフェル・バンドーン選手の参戦や、小林可夢偉選手も引き続き頑張ってくれるなど、スーパーフォーミュラにとって大事な年だと考えている」と述べ、テレビ業界出身の倉下氏の社長就任の目的がスーパーフォーミュラの認知度向上にあると説明した。
その上で、新しいスーパーフォーミュラのプロモーションの第1弾として、フジテレビの地上波での番組を立ち上がったことを説明した。新番組の名称は「超速GO音<スポーツLIFE HERO'S PLUS>」で、初回は関東のみ4月24日の26時35分~27時05分(関西では木曜日4月28日の同時間帯)の30分間の番組になる。MCを努めるのは小林可夢偉選手と、中嶋大祐選手で、1回目のゲストはNAKAJIMA RACINGの中嶋悟監督だという。なお、ナレーションは乃木坂46の樋口日奈さんが努める。倉下氏によればその中で、同日に行なわれる鈴鹿の決勝レースの模様もダイジェストで放送されるということで、こうした番組などを通じてスーパーフォーミュラの認知度向上を目指したいということだった。
JRPによれば、ライブタイミングを無料で見ることができるiOS用と開幕直前にAndroid用が追加されたスーパーフォーミュラのモバイルアプリケーションやPCのWebサイト、FacebookやTwitterなどのSNSなどを通じてさまざまなプロモーションを仕掛けていくとのことだった。
3月からは、海外のファン向けに英語のTwitterやFacebookのアカウントも提供されており、倉下氏は今後海外での放送などについても取り組んで行きたいと説明した。