写真で見るシトロエン「C5 ツアラー」


 シトロエンといえば油圧によるハイドロニューマチックサスペンションを思い浮かべる人も多い。「シトロエンC5」は、過去に国内でもハイドロ旋風を巻き起こした「シトロエンBX」の流れを受け継いだモデル。

 現在のC5は2代目で、全体的なスタイリングはシトロエンらしさは薄まっているものの、細かなパーツの造形などを見ればやはりシトロエンと感じさせられる。そして、走らせてみるとハイドロニューマチックサスペンションの独特の滑らかな乗り心地は唯一無二の“シトロエン”であることを体に感じさせてくれる。

 C5は一般的なセダンとステーションワゴンの“ツアラー”が用意される。油圧サスペンションの特性を活かし、荷物の積み込み時にリアの車高を下げることができるなど、メカニズム特性を活用したユーティリティ性能を持ったクルマになっている。

 撮影車はV型6気筒3.0リッターエンジンを搭載するモデルで、電子制御6速ATを介して前輪を駆動する。ボディーサイズは4845×1860×1490mm(全長×全幅×全高)で、車両重量は1790kgとサイズも重量も大きい。

 インテリアはシトロエンらしい明るく、品のあるもの。ステアリングを切っても回らないセンターパッドをはじめ、ユニークなデザインの内装もC5の魅力の1つだ。

ユニークさが薄れたと評されるボディーラインだが、長いホイールベースやリアに寄ったリアタイヤの位置をはじめ、フロントマスクなどを見ればひと目でシトロエンと分かる。ボディーカラーは「マティ ボワール」
最近のシトロエンに共通したデザインを持つフロントマスク
ヘッドライトはプロジェクタータイプ。ターンシグナルはヘッドライトと区別しやすいバンパー下側に付いている
電動サンシェード付パノラミックガラスルーフを標準装備。チルトアップ機構付をオプションで選ぶこともできるフロントグリルにはシトロエンのロゴの元となるダブルシェブロンをモチーフとしたデザインが施されるサイドミラー下にはターンシグナルが配置される
C5の力強いボディーラインは、サイドのキャラクターラインによる。リアドアより後方が着色ガラスになっているはツアラーのみの装備燃料は無鉛プレミアムガソリン。給油口は右側面にある
ドアノブはボディーカラーとメッキの2トーンカラーパノラミックガラスルーフはツアラーのみの装備となる
個性的なセダンのリアガラスと違い、ツアラーのリアデザインは実用的にまとめられるガラスは着色タイプが標準装備され、形状も一般的だサイドに大きく回り込んだリアコンビネーションランプ
リアライトはLEDも利用したものとなる
シトロエンのロゴは左側C5のネームロゴとグレードバッヂは右側
エンジンはV型6気筒3.0リッター。155kW(215ps)の最高出力と290Mm(30.5kgm)の最大トルクを発生するフロントのストラット上にはハイドロニューマチックサスペンションの証し、スフェアが付いている
標準で18インチホイールを装着、タイヤは前後とも245/45 R18となる
内装はボディーカラーに応じたカラーが標準設定される。フルレザーシートはエクスクルーシブには標準装備シフトレバーまわりはメッキとつや消しの金属がうまくあしらわれ、運転中に日光が乱反射することもない
ステアリングを切っても回らないセンターパッドには各種操作ボタンが並ぶ
6速ATのシフトレバーもインテリアカラーでまとめられるパーキングブレーキは電子式。エンジンを切ると自動的にかかり、アクセルを踏むと解除。その前方にあるスイッチはハイドロニューマチックサスペンションの車高調整とスポーツモードボタンペダルはアクセルとブレーキ
メーターパネルは中央にスピードメーターを配置する。アナログの指計は外側から赤い目盛りが移動するデザインで、タコメーターや燃料計も共通。中央には液晶ディスプレイで各種情報表示も可能マルチファンクションディスプレイは、速度を数字表示できるほか、ハイドロの車高調整中はメーター中央に車高が変化していることを示す表示などが出る
HDD AVナビゲーションシステムはオーディオと別に装備。パイオニア製USB入力もあるオーディオも装備、ステアリングのリモコンボタンで操作できる
シートは独自形状のフルレザータイプ。2.0リッターエンジンを搭載するグレードはハーフレザータイプが装着されるドアの内張りは内装から続くデザイン
バックミラーは自動防眩式。シートベルト警告もここにある。天井の前後スイッチはシェードの前後スイッチシェードをフルオープンするとこの開放感が味わえるリアドアにはシエードを内蔵する。これはエクスクルーシブに装備
リアシートは1860mmの全幅もあり3名乗車も苦しくなさそうだシートはダブルフォールディング。座面は前にスライドさせて跳ね上げる
大きく開くリアゲートリアゲートを開けると、右側にリアの車高調整ボタンがある。下げることで荷物が積みやすくなる
ラゲッジスペースとゲートの開口部には若干の段差がある巻き取り式のトノカバーはシートの右側に固定される
リアシートをたたんだ状態で最大スペースとなる。巻き取り式のトノカバーにはドッグネットも内蔵、荷物スペースからの荷物の飛び出しを抑えることもできるフロア下にはスペアタイヤが置かれる。収納場所は室内側となる
ハイドロニューマチックサスペンションは車高調節が可能。指定ポジション以外では通常走行はできないが、悪路走破や整備などでも重宝する

(正田拓也 / Photo:鈴木広一郎)
2010年 6月 22日