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写真で見るフォード「フォーカス」

 世界120カ国で販売されるコンパクトカー、フォード「フォーカス」。1998年に初代モデルが、2005年に2代目がリリースされ、これまでに1000万台以上が販売されている。

 3代目となる新型は「ONE Ford」戦略のもと、世界中のフォードのリソースを結集して開発された最初のモデルだ。約80%ものパーツや装備などが世界で共通化されている。

 生産は北米ミシガン工場のほかドイツ、ロシア、中国、それにタイの5カ所で行われ、5ドアハッチバックのほかセダンやステーションワゴンと幅広いバリエーションが用意される。日本仕様は、タイにある最新工場であるフォード・タイランド・マニュファクチャリング(FTM)で生産され、5ドアハッチバックボディーの1タイプ、1グレードのみがラインアップされる。

 1グレードのみというのは少々寂しくも感じられるものの、仕様面から見ると数あるフォーカスの中でも、もっともスポーティなモデルとなっている。

 エンジンは直列4気筒DOHC直噴2リッターで、吸排気独立可変バルブタイミング機構などを採用する「Duratec(デュラテック)」ユニット。同社には「エクスプローラー」などに採用されている「エコブースト」ユニットもあるが、こちらはパフォーマンスを意識したユニットだけに、最高出力125kW(170PS)/6600rpm、最大トルク202Nm(20.6kgm)/4450rpmと、車両重量1380kgの同車には十分なスペック。燃費は6速デュアルクラッチトランスミッション、電動パワーステアリングシステムなどとの組み合わせにより、JC08モードで12km/Lと高いレベルを実現している。

 シャシーは先代モデルを踏襲しつつも、俊敏性と快適性の向上をテーマに進化。トレッドの拡大をはじめ軽量化、最適化などにより剛性の強化と操舵感の改善、そしてNVHの低減が図られた。日本仕様はスプリングのバネレートおよびダンパーの減衰力が約15%高められたスポーツチューンが施されているのも見逃せないポイントだ。

 グレードは前述したように「Sports(スポーツ)」のみ。ボディーカラーは撮影車両のキャンディレッドのほか全6色。価格は293万円。

日本導入は5ドアハッチバックのみ。スポーティ仕様となるため、専用ボディーキットのほか、リアスポイラーや17インチアルミホイールなどを標準装備
台形と三角形を組み合わせた特徴的なフロントグリルを採用。先代よりスポーティな印象が強くなった
写真では分かりづらいが、グリル奥にモーターで駆動するシャッターを用意。開から閉まで16段階に制御することで、エンジンまわりの冷却と空気抵抗の低減を最適化する
フォードの新世代デザインコンセプトとなる「キネティックデザイン」を具現化したフロントまわり。サイドまで回りこんだヘッドライトが印象的だ
衝突回避を支援する「アクティブ・シティ・ストップ」を標準装備。ルームミラー前方にセンサーが配置される
ワイパーはフラットタイプで中央で交差するレイアウト
ウインカー内蔵の電動格納式ドアミラー。曇り防止のヒーテッド機能も装備
キーレスエントリーを標準装備。ドアグリップを引いてアンロック、ドアハンドルタッチでロックが可能だ
リアコンビランプと一体化したようなデザインのフューエルリッド
給油口はキャップレス仕様のため手を汚さずに給油が可能。ガソリンは無鉛プレミアム仕様でタンク容量は55L
スポーティな後姿を演出する大型リアスポイラー。リアワイパーも標準
リアゲートには各種エンブレムが付く
バイキセノンHIDヘッドランプを標準装備。LEDポジションランプのほか、最内側にはコーナーリングランプを内蔵
サイドまで大きく回り込んだリアコンビランプ。下段にはリアフォグランプを内蔵
アルミ鋳造ブロックやシリンダーヘッドを採用した2リッターのデュラテックエンジン。直噴や12:1の高圧縮率、吸排気独立可変バルブタイミング機構などを採用する
マフラーはシングルタイプ。マフラーカッターの装着によりスポーティな印象
タイヤサイズは215/50 R17。撮影車両は静粛性や低燃費にコダわったミシュランのプライマシーLCを装着
コクピットスタイルのインパネはエクステリア同様にスポーティなムード満点
ステアリングは本革巻
ステアリングには多くのスイッチを配置。オーディオのコントロールやディスプレイの表示切り替え&設定など多種多様な操作が可能
輸入車だが右レバーがウインカー、左レバーがワイパー
イグニッションはボタン式
5ポジションのシフトレバー。「S」ポジションではノブに設けられたスイッチでシフト操作が可能
「く」の字型のサイドブレーキ
ペダルは普通の攣り下げタイプ
中央に大きなディスプレイを備えたメーターパネル。メーターは240km/hスケール
メーターパネル中央のディスプレイは4.2インチのカラータイプ。ステアリングのスイッチで走行距離や外気温度、燃費、車両情報の表示や設定などが行える
インストルメントパネ上部にはオーディオ系の表示を行うセンターディスプレイを装備。音声による操作(英語のみ)などを実現する「SYNC」はマイクロソフトと共同開発したもの
ソニー製の9スピーカー・プレミアムサウンドシステムを標準装備。カーナビはディーラーオプションで周囲のパネルごとごっそり交換する
エアコンは運転席側、助手席側で独立して温度調節が可能なデュアルタイプ
ステアリングコラム右側に位置するヘッドライトスイッチは輸入車ではおなじみのダイヤル式
インパネ右下には収納スペースを用意
アームレスト下部はCDなどを収納できるスペース
センターコンソール中央部にはカップホルダーとDC12Vソケット
グローブボックス内にUSB&AUXポートを用意
運転席、助手席ともにサンバイザー裏に照明付きバニティミラーを装備
ルーフ中央のサングラスホルダー
ルームランプはルーフ前端より少し後方
サポート感のあるフロントシート。表皮はファブリックと本革のコンビネーションタイプ
運転席ドア内張り。アームレストにはパワーウインドウ&ドアミラーの調節スイッチ。ウインドウはすべてワンタッチオープン&クローズが可能
センターアームレストを備えたリアシート。フロントシート背面をえぐれたデザインとすることで膝まわりがゆったり
リアドア内張りはシンプル
ラゲッジスペースはフル乗車時でも316Lを確保。トノカバーは標準装備
リアシートは6:4分割可倒式。座面を起こさなくても背もたれを倒すことが可能だが、座面を起こすことでフラットなスペースが確保可能。その際は1101Lとワゴン並みの積載容量となる
ラゲッジフロア下にはスペアタイヤが収まる
壁面にはフックや照明を装備

(安田 剛)