写真で見るルノー「コレオス」


 ルノーと日産のアライアンスにより、ルノー初のクロスオーバーSUV「コレオス」が誕生した。日産デュアリスをベースに開発しているが、駆動系などのメカニズムの技術が共通というだけで、スタイリングを含めて全く別の車に仕上がっている。

 コレオスの特長として最も強調している「フレンチタッチの乗り心地」は、ルノーのチューニングによって設定されたスプリングと、F1やWRCでも採用される有名ブランド、SACHS製の専用ショックアブゾーバーによって実現、デュアリスとは全く別の乗り心地だという。

 試乗した感じでは、路面の状況が分かる程度に振動は残しているものの、大きな揺れをうまく抑え、体が大きく揺さぶられることのないフラットな乗り心地を実現している。ルノーが強調する後輪の遮音性についても、ロードノイズがうるさくない程度に抑えられている印象だ。

 トランスミッションはルノー初のCVT。走り始めもスムーズで、適度なクリープもあってトルコン式のATから乗り換えても違和感はない。

 内装はメイングレードの「コレオス・プレミアム」では明るいベージュ。クロスオーバーSUVのユーザーは男性が圧倒的に多いが、明るい雰囲気の内装で女性層にもアピールする。廉価版の「コレオス」の内装はグレー。ちなみにボディーカラー名称も今回からフランス語になった。

 なお、生産は韓国のルノーサムスン釜山工場内のコレオス専用ライン。そのため受注生産でも比較的早い納期で対応できるとのことだ。

コレオス・プレミアム

フロントの顔はひとめでルノーと分かるデザイン。カラーは注文生産色のグリ アルジョンM
写真はグラスルーフを装備したコレオス・プレミアム グラスルーフ。ルーフレールはコレオス・プレミアムとコレオス・プレミアム グラスルーフのみの装備
リアガラスを斜めに寝かし、全体に丸みを帯びたソフトな印象を持たせている。後席とリアガラスが濃色ではない点も、明るい印象を受ける
フロントに比べてリアドアは小さめだが、乗降性に大きな違いは感じられなかった
アプローチアングル27度、デバーチャーアングル31度を実現する前後バンパー。リアはマフラーも斜めにカットされている
ドアミラーには直下を確認できるサブミラーがついている
リアスポイラーにはハイマウントストップランプを装備コレオス・プレミアムのヘッドライトはバイキセノンタイプ。ウォッシャー機能も付いているテールライトは赤い部分と白い部分のコントラストを持たせたデザイン
カードキーを持った状態で、ドアハンドルのボタンを押すとロック、2度押しで閉め忘れたウインドーとルーフを全閉する。手を差し込むとセンサーが反応して解錠されるリアエンブレムの中央が押しボタンスイッチになっており、ドアハンドルと同様、ロックすることが可能ショックアブゾーバーはSACHS製。伸縮の速度に応じて減衰力が変化するハイスピード・ダンピング・コントロール・ショックアブソーバー
タイヤサイズは225/60 R17で、アルミホイールが標準装備。撮影車にはコンチネンタル製のConti 4X4 Contactが装着されていたリアのタイヤハウス内はカーペット生地の遮音材が貼り付けてあるエンジンは2.5リッター直列4気筒DOHC。126kW(170PS)、226Nm(23.1kgm)を発生。CVTと組み合わされる
バッテリーは欧州車の規格ではなく、入手しやすい国産車と同じ規格のものが装着されている
テールゲートは上下に開く。下のゲートは耐荷重200kgで大人2人が座るなど休憩スペースとしても活用できる
6:4の分割可倒式リアシート
ワンタッチレバーを引くと、ダブルフォールディングのシート折りたたみが一発で完了する
ラゲッジネットを固定するためのフックは左右に4箇所ずつ装備。コレオス・プレミアムにはネットも標準で付属する
リアのアームレストは収納することもトランクスルーにすることも可能。小物入れとドリンクホルダー機能も装備する
スペアタイヤは同サイズのアルミホイール付き。ラゲッジルームからアクセスするフロントシート背面にはトレイを装備する
助手席シートのリクライニングは支点が上部にずれている。そのため、前に折りたたむことで、フラットなスペースができる
コレオス・プレミアムのフロントシートはパワーシートとなるシートヒーターも装備される助手席下には引き出し式のトレイがある
センターコンソール下には後席側に引き出しがあるフロントドアにも小物入れがあるダッシュボードは波を表現したという曲線デザイン。前方へ傾斜しており、日差しが当たって広く明るく見えるデザイン
ステアリングは革巻き。シートなどと同色となるコンソールは空調の操作、オーディオの操作ができ、一番下にキーカードを挿入する口とその上にエンジンスタートのプッシュスイッチがあるキーカードは通常、差し込まなくてもエンジンがかけられるが一部カードを挿入していないとできない操作もあり、その場合はメーター内に表示が出る
エンジンスタートスイッチのほかは、クルーズコントロール/スピードリミッター、4WD切り替え、ヒルダウンコントロールなどの走行系スイッチが並ぶ。AUXはカーオーディオの外部入力ESPの解除、光軸調整などはダッシュボード右側に配置される。その下のフタはヒューズなどのメンテナンス用で小物入れではない。ボンネットのオープナーと、フューエルリッドオープナーはさらにその下空調は左右独立。コレオス・プレミアムはオートエアコン
ハザードスイッチの下はドアロックスイッチ、左右にはシートベルト警告灯オーディオの操作部分。ラジオの周波数表示などは上部の表示ディスプレイに一括表示するダッシュボード中央のディスプレイ。時計や外気温を示すがオーディオ操作時はラジオ周波数や演奏曲番号などを表示する。ラジオはAM利用時、欧州車らしく「MW」と表示
オーディオのボリューム操作などはステアリングを握りながら右手の指で操作できるところにスイッチがあるシフトレバーはPからDまでと、マニュアルモードの操作は横にずらしてから前後へ倒すパーキングブレーキは電子スイッチ式で、海外の左ハンドル仕様車と同じく左側に装備。右側の灰皿は取り除けばドリンクホルダーにもなる。海外仕様では、この場所にカーナビのコントローラーが装備されるグレードもある
グローブボックスは奥行きが深く収納力は高い。車検証入れなどは開閉部の裏側にホルダーがあり、そこに収まるドアは4枚分のパワーウインドースイッチがある。リモコンミラーの操作部もドアにあり、操作つまみの位置を下にすると電動格納するCVTなので2ペダル。フットレストも左側にある
メーターは中央にスピード、左にタコメーター、右に燃料計と水温計。ライト点灯時は赤いに近いオレンジ色で照明されるスピードメーター下のディスプレイは、コラムスイッチの先の操作で切り替わる。これはオドメーターとトリップメーター
ガソリン消費量燃費。欧州車的に100km走る際のガソリン消費量を示す航続可能距離。コレオスのガソリンタンクは65L
走行距離平均速度タコメーター下には各種表示が出る。ロービームを点灯、2WDを選び、パーキングブレーキを作動させている状態
前後駆動配分が50:50の4WDロックにした状態。時速40kmを超えると自動解除となるHDC(ヒルダウンコントロール)をONにすると急な下り坂などを自動で7km/hの一定速度で下ることができるクルーズコントロールをオンにすると緑の表示と設定速度が表示される。操作はステアリングのスイッチで行う
スピードリミッターも設定できる左側のコラムスイッチはウインカーとヘッドライト、前後フォグランプを操作できる。ライトはオートポジションもある右側のコラムスイッチはワイパー操作と先端ボタンはメーター内の表示切替
オーバーヘッドコンソールにはリアシートを確認できるミラーが格納されている。グラスルーフの開閉スイッチもここにあるサンバイザーにはバニティミラー。コレオス・プレミアムには照明が付く
電動パノラミック グラスルーフ。開閉は前半分。開口部はそれほど大きくない
グラスルーフの下にサンシェードが装備されるが完全に光を遮るわけではないリアドアのガラスには格納式のサンシェードを内蔵しているアシストグリップのある場所は、運転席だけサングラス収納できるようになっている
センターコンソール内の収納はボックスが取り外して持ち運べる構造。容量は2.9Lコレオス・プレミアムには運転席にランバーサポート装備
ガソリンタンクのキャップは紛失しないようにワイヤーで接続される。リッド裏は外したキャップをはめ込める構造になっている

コレオス
 コレオスのベースグレード。中心車種のコレオス・プレミアムから全体的に装備を簡略化している。内装も濃いグレーで、シートもファブリックとなり、大きく印象が異なっている。

ヘッドライトはハロゲンヘッドランプとなり、ウォッシャーも省略。その下のソナーもないのでスッキリしている撮影車はディーラーオプションのフォグランプフィニッシャー(リア)、シルバー塗装のリアアンダーカバーを装備している内装色は明るい色ではないが、ダッシュボード形状などから薄暗い印象はない
シートはチャコールグレーのファブクリック。電動機能やランバーサポートが省略されているコンソールボックス。キャリーボックスはなしレバー操作で後席がたためる機構はない
このクルマはディーラーオプションのパイオニア製カーナビ(KOL09-HRV022)を装着している

(正田拓也)
2009年 6月 23日