写真で見るスバル「インプレッサWRX STI spec C」


 インプレッサWRX STI spec Cは、「インプレッサWRX STI」を軽量化し、ボールベアリング採用ツインスクロールターボと専用ECUなどでパフォーマンスを向上した、モータースポーツでの使用を前提にしたモデル。

 軽量化はアルミ製フロントボンネットや小型バッテリーの採用に加え、フロントおよびフロント&リアウィンドーに軽量ガラスを採用、軽量タイプの18インチ専用アルミ鋳造ホイールを装着し、バネ下重量を軽減するなど徹底して行われている。また、スペアタイヤを廃止してパンク修理キットすることにより、WRX STIより18インチタイヤ仕様車で30kg軽い1450kg、17インチタイヤ仕様車ではさらにエアコンレスとして50kg軽い1430kgとした。

 足まわりでは、フロントサスペンションでクロスメンバーのエンジンマウント結合部と車体取り付け部を補強、ステアリング操作の応答性も向上した。サスペンションの減衰力やスプリングレート、リアスタビライザー、リアサブフレームブッシュも仕様変更し、ロール剛性の最適化と路面接地性を向上した。リアのLSDは通常モデルのトルセン式から機械式LSDに変更されている。

 エンジンそのものは2リッター水平対向4気筒 DOHCターボエンジンでWRX STIと同じだが、ターボの軸受けにボールベアリングを採用して回転フリクションを軽減、専用ECUでアクセルレスポンスを向上している。

 さらに、インタークーラーに水を噴射して吸気温度を下げるインタークーラーウォータースプレーを採用し、連続した高負荷走行時でも安定したエンジン性能を発揮する。ただし、最高出力は308PS(227kW)/6400rpm、最大トルクは43kgm(422Nm)/4400rpmとWRX STIと変っていない。

 トランスミッションは6速MTのみ。また、パフォーマンス面だけでなく燃料ポンプの構造変更により、燃料が偏りやすい高負荷旋回時でも安定した燃料供給を可能にしている。

 インテリアでは、18インチタイヤ仕様車にファブリックとジャージーを組み合わせ、赤いステッチを施した専用バケットシートを採用。オプションでブラックアルカンターラと本革を組み合わせ赤いステッチを施したレカロ製バケットシートも用意される。

 また、専用装備としてゴールド色の塗装を施し、STIロゴを配したブレンボ製ブレーキキャリパーを前後に採用する。タイヤは「POTENZA RE070」を採用、タイヤサイズは245/40 R18と235/45 R17。価格は18インチタイヤ仕様車が368万5500円、17インチタイヤ仕様が337万500円。

 今回撮影に使用した車両は、オプションのレカロ製セミバケットシートを装着した18インチタイヤ仕様車で、ボディーカラーはWRブルーマイカ。

インプレッサWRX STI spec Cは、WRX STIからフォグランプが廃止され、ブレンボ製ブレーキキャリパーがゴールド塗装となっているのが特徴だ

 

WRX STIからフォグランプが廃止されている。フロントグリルのスバルエンブレム右にはSTIロゴがあしらわれる。spec Cロゴ等は見られない
アルミ製ボンネット上にはインタークーラー冷却用の大型インレットが設けられる。ライトは通常モデルと同じく4灯タイプ。ロービームはディスチャージヘッドランプとなっている
ホイールは軽量タイプのアルミ鋳造タイプ。前後のブレーキキャリパーはブレンボ製で金色に塗装される。キャリパーのロゴはSTI
フロントのホイールハウス前後にはエアアウトレットが設けられる
サイドミラーはウインカー内蔵タイプドアハンドルはオーソドックスなタイプが採用されているフラットワイパーが採用されている
リアスポイラーにはハイマウントストップランプが内蔵されるリアにはインプレッサロゴと、STIロゴがあしらわれる
リアバンパー下はディフューザー形状で、マフラーは4本出しリアLSDはベース車のトルセン式から機械式に変更されている
ブレーキランプ。左から消灯、スモール、点灯時
エンジンの排気量こそWRX STIと同じ2Lだが、ターボチャージャーはボールベアリングタイプに変更された。インタークーラー冷却用のウォータースプレーも装備されるバッテリーは小型軽量タイプを採用し、車体の軽量化に貢献している

 

運転席ドア内側。ドアポケット前端はドリンクホルダーを兼ねている。ウィンドースイッチはシンプルスカッフプレートにはSTIロゴが入る
リアドア内側。アームレストのポケットも大きいインストルメントパネル。試乗車はオーディオレスでセンターコンソールはすっきりしている
フロントシートはオプションの本革製のサイドエアバッグ内蔵セミバケットタイプレカロ製シートが装着されるリアシート中央にはシンプルなアームレストが収納される
ステアリングホイールは3本スポークタイプでスイッチ類はない。ステアリングコラム左はワイパーレバー、右にはヘッドライト/ウインカーレバーを備える
スポーツモデルらしくタコメーターをセンターにレイアウトした3連メータータコメーター下部にはSI-DRIVEとセンターデフの設定が表示されるステアリング右下にはサイドミラー操作スイッチに加え、VDCのON/OFFスイッチを備える
ハンドル右下にはETC車載器収納用スペースも用意されているペダル類にはゴム製滑り止めのついたアルミプレートが装着される
インストルメントパネル上部には外気温計と燃費計、時計を備える標準ではオーディオレスとなるが、ルーフアンテナとフロントスピーカーのみが装着されるセンターコンソール中央にはエアコン操作用ダイヤルとハザードスイッチがレイアウトされる
トランスミッションは6速MT。リバースギアにはグリップ下部のリングを引き上げて入れるシフトレバー下部に用意されたSI-DRIVEのモードダイヤルと、センターデフ用スイッチシフトレバーのすぐ下にはインタークーラーウォータースプレー用スイッチも設けられる
センターコンソールにはシャッター開閉式のドリンクホルダーと、小物入れが用意される
カーブしたデザインのグローブボックス。内部は仕切りで分けられており、使い勝手はよさそうだ
マップランプは昼光色の左右独立タイプキーレスエントリー機能を備えたキー
リアシートは6:4の分割可倒式
軽量化のためスペアタイヤは廃止され、パンク修理キットが搭載される。牽引フックやジャッキなど工具類が収められる台は発泡スチロール製手前に見えるタンクはインタークーラーウォータースプレー用の水タンク

(平 雅彦(WINDY Co.))
2009年 12月 15日