写真で見るメルセデス・ベンツ「SLS AMG」


 メルセデス・ベンツ SLS AMGはAMG初の専用モデルとなる2ドアスポーツクーペ。2010年のF1グランプリのセーフティーカーとしてお馴染みだが、そのトップクラスの動力性能もさることながら、一方でデザイン上のアイコンとしているガルウイングドアがこのクルマの第一の特徴である。

 パワートレーンはフロントに最大出力420kW(571PS)を発生するV型8気筒6.3リッターエンジンを搭載、リアアクスル上に配置する7速デュアルクラッチトランスミッションを介して後輪を駆動する。前後の重量配分は47:53。エンジンは排気干渉のある、いわゆる“V8サウンド”を発する。

 ボディーはオールアルミ製のスペースフレーム構造を採用。特徴的なガルウイングドアはガスダンパーによって軽い力で70度まで開く。ガルウイングドアの開閉に必要なスペースは横方向に36.3cm。

 高く分厚いサイドシルは地面から45cm、シート座面はそれよりも低い。また、ガルウイングドアの下端部は地面から150cmあるため、乗り込む際とドアを閉める際は少々のコツを要する。ドアを閉めればパワーウインドーによってサイドウインドーが開閉し、ドアにパワーウインドーや電動リモコンミラーの操作スイッチがあるのは一般的なクルマと同じ。ドアオープンのレバーも一般的なクルマと同じ形状である。

 スタイリングはロングノーズ、ショートデッキのクラシカルなスポーツカー風のもの。ガルウイングドアも含め、1954年発表のメルセデス・ベンツ 300SLを現代風にアレンジしたものだとしている。

 ノーマルでの価格は2430万円だが、撮影車ではAMGカーボンセラミックブレーキや専用ホイールを装備する「AMGパフォーマンスパッケージ」をはじめ、カーボンパッケージ、Bang & Olufsenのオーディオなど約500万円のオプションを装備している。

メルセデス・ベンツ SLS AMG。真横からはロングノーズの昔ながらのボディーラインに見えるが、フロント側から見れば、現代的なスポーツカーにも見える独特のスタイリング。ガルウイングドアが外見の最大の特徴

 

フロントは誰が見てもメルセデスと分かるデザイン
グリルにスリーポインテッドスターは健在ヘッドライトまわりはキセノンとLEDで現代的にオーバーハングは短め
バイキセノンヘッドライトと上部にはLEDによるターンシグナルがある
ボンネット上にもメルセデス・ベンツのバッヂを装着大きなエアダクトがあるフロントまわりガラスの角度は寝かせておらず、わりと立たせてある
サイドミラーはターンシグナルランプ内蔵
幅広ボディーにひとまわり小さい幅のキャビンを組み合わせるフロントフェンダーの大型ルーバー
テールはコンパクトに絞り込まれ、威張りを感じさせないテールパイプはリアバンパーと面一になっている
テールランプ類はLEDによるもの
SLS AMGのエンブレムAMGのラベルも貼られる
リアのウイングは自動で格納するタイプ。マニュアル操作も可能トランクの容量は小さめ
蝶番はトランクルーム内に出っ張らないタイプフューエルリッド。もちろん無鉛プレミアムガソリン仕様
ガルウイングドアを開ける様子。ドアノブはロックが掛かっているときはドア内に引き込まれる
開いたところドアの裏側は特に普通のドアと変わりない左右とも開いたところ
サイドシルは盛り上がっており、幅も広い。シートはそれよりも下に位置するドアロックを解錠した状態でドアノブが出てくるドアロック施錠状態。走り出してある程度の速度になると、ノブがドア内に引っ込む
エンジンはV8 6.2リッター。後方にマウントされるボンネットは後ろを支点に開く
AMGパフォーマンスパッケージ装着のタイヤサイズはフロントが265/35 ZR19、リアが295/30 ZR20。ホイールサイズも異なるAMGパフォーマンスパッケージのカーボンセラミックブレーキ

 

室内への乗り込みはサイドシルが高く幅広いものの、天井までドアが開くために、それほど困難ではない
コクピットはタイトだが、スイッチ類がドライバー向きにマウントされていて、操作しやすくなっており、洗練されたスポーツカーという印象だカーボンパッケージを装着しているステアリングホイールはAMGパフォーマンスパッケージのヌバック調のもの
シフトレバーなどの走行系の操作パネル。サイドブレーキはステアリングコラム右下なのでここにはないクラッチペダルがない2ペダル
ステアリングホイールにはメーター内のマルチファンクションディスプレイなどの操作ボタンがあるシフトレバーはジョイスティックタイプで、操作感は軽い
左から変速モードの切替、エンジンスタート、ESP、リアスポイラー、AMGセッティングボタンオーディオをはじめとするCOMANDシステムのコントロールパネル。Bluetoothによる携帯電話接続も可能だエアコンのコントロールパネル。左右独立で温度調整可能
ステアリングコラム左にはヘッドライトスイッチ、その下にはパーキングレバーコラムレバーは左側だけにある。上はクルーズコントロール、下はターンシグナルやワイパーダッシュボード上にはオーディオのツイーターが配置される
パークトロニックインジケーターは前後の障害物を検知して表示するエンジンキー
シートはフルレザー仕様の2トーンカラーをオプション装着シートにもAMGのエンブレム
パワーシートのほか、ランバーサポートも電動で調節シートベルトの押さえもレザーセンターコンソールのアームレストもシートと合わせたレザーで仕上げられる
アームレストをスライドするとカップホルダーセンターコンソールの後部に小物入れがあるシフトレバー右側にも小物入れがある
グローブボックスは奥行きが小さめ。iPod接続用ケーブルがあるドアレバーは通常のドアと同じ形態となる室内灯やミラーなどの装備は充実している
室内灯2シーターの室内はタイトだリアウインドー下にはわずかのスペースがある
メーターパネルエンジンをかけると、1度メーターが振り切れる。メーターの動き具合もチェックできるシフトアップインジケーター。白→黄→赤と変化し、マニュアルでシフト操作をするときの目安だ
メーター内のマルチファンクションディスプレイには各種情報のほか、時刻と外気温が表示されるスタートからの時間計測などもできる残燃料での走行めやす
速度も数値表示される。360km/hまでのアナログメーターでは低速時の速度が把握しにくいので便利だステアリングホイールのボタンで各種設定が可能カーナビのルート案内を表示できる
オーディオの状態表示も可能だ携帯電話とBluetooth接続可能ライトの点灯やミラー収納などの設定ができる
最初の状態へ初期化も可能だデイタイムライトの設定ドアロックでドアミラー自動格納の設定もできる
AMGモードでは油温、水温、トランスミッション温度の表示も可能タイム計測変速モードなどの状態表示
COMANDシステムのHDDナビゲーション。高精細な表示とシックな色合いの画面が特徴。オーディオや各種設定が可能
VICSにも対応、渋滞情報を地図上で表示できるオーディオはHDDに楽曲を取り込み可能
携帯電話はBluetoothで接続できる電話帳も使うことができる画面設定
12セグの地上デジタル放送の受信が可能リアカメラをナンバープレート下に装備する。後方視界がよいとは言えないクルマだけにありがたい装備

 


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http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(正田拓也/Photo:鈴木広一郎)
2011年 3月 9日