NAOさんのDIYでクルマいじり 【第3回】無限に広がるLEDキットの楽しみ方 |
ラインイルミ用LEDを使うと車内を美しく演出できる |
■見える照明、主張するデザインにちょっとチャレンジ
スライドドアステップ部の間接照明取り付けが思いのほかキレイに仕上がったことに気をよくした筆者が、いつものようにカー用品店を散策していると、「工作計画」という雑誌のようなキットを発見。すでに持っている発光チューブセットのパッケージと同じ写真が印刷されているのだが、箱が大きい分だけインパクトがある。実はインパネ周囲のイルミネーション取り付けには消極的な筆者なのだが、前回の成功体験で「これもキレイに取り付けできるに違いない」と妙な自信を持ちつつ、チャレンジしてみることにした。
前回使用したフロアイルミ用LEDは、1m近いテープ状にLEDがポツポツと48個並んでいる物だったが、今回使用するラインイルミ用LEDはとても小さな強力LED懐中電灯のような形をしている。そのままDC+12Vに接続すれば、まさにスポット懐中電灯のようにピカーッと前方を照らしてくれる。
これでどうやってライン状のイルミネーションを作り出すのかと言うと、透明な発光チューブの端にLEDを取り付けることで、チューブ全体をぼんやり光らせるようになっているのだ。なるほどなるほど、光ファイバーの光りがよく漏れるバージョン?ということらしい。チューブの片側1カ所だけにLEDを取り付けると、LEDから遠くなるに従って徐々に光量が落ちるグラデーションのような演出ができ、両側にLEDを取り付ければ文字通り光の線を作ることができる。
■できるだけ目立たず、できるだけスマートに
イルミキットの公式ガイドブックには、何車種かをサンプルとして上手にレイアウトした取り付け事例が掲載されていた。どれもスッキリと純正もどきスタイルに仕上がっていて、センタークラスターやダッシュパネルを美しく演出している。さすがだな、とは思うものの、筆者はここにひとひねり加えて取り付けてみたい(いや、決して負け惜しみではないのでお間違えなく)。
推奨取り付け手順では、黒い遮光モールを使用して発光チューブを固定し、LED部分とエンド部にはプラスチック製のカバーを取り付ける方法が取られている。確実に固定することで走行中の脱落事故を防止し、不慮の配線ショート事故などを未然に防止するという観点で理にかなった方法だ。
先ずは標準どおりの手順を踏襲しつつ、助手席ダッシュパネルに白色のラインイルミを実験的に取り付けてみる。月並みな取り付け場所ではあるが、やはり月並みというのは良い物でしっくりくる。しっくり来るのだが、やはり夜はともかく昼間見たときにモール類が目立つため、どうしても「取り付けました。」という感じがしてしまう。
配線もキレイに固定するために配線モールという便利なパーツがあるが、いくらキレイに固定したところで元々何も無かった場所に配線モールが存在することに変わりはない。スライドドアステップ部の間接照明と同様に、できれば発光部分のみが露出しているという理想的な純正もどきスタイルを目指すべく、無保証自己責任は承知の上で加工取り付けしてみよう。※例によって真似して何かがあっても責任取れませんので悪しからず。
さて、美しく仕上がる予定のイルミライン、オリジナリティ溢れる取り付け方法を提案したいぞ | え~……いろいろ考えたものの、やはり月並みが1番ということでダッシュパネルへの取り付けに決定 | モールに丸ごとかぶせるエンドキャップを使わずこちらの小さなキャップを使えば、比較的目立たないチューブの端末処理ができる |
まず、取り付け用のモールを使用せずに何とかダッシュパネルに発光チューブを固定できないかと思い、チューブ単体を手に持ち試行錯誤。チューブはそれなりに弾力性があるため、目立たないように小さく切った両面テープ程度の力では全く固定することができなかった。
チューブそのものは瞬間接着剤などで固定できそうな材質だが、恐らくパーツとして何万円もするであろうクルマのダッシュパネルに接着剤で固定するのは、あまりにもリスクが大きすぎるので作戦却下。続いてダッシュの木目調パネルと黒いシボパネルの隙間にチューブを挟み込めないか試してみたが、二昔前の隙間だらけのパネルならともかく、特に内装のチリ合わせが完璧と言われている現在のトヨタ車に対してその作戦は全く歯が立たなかった。万事休す、やはりメーカーがモールの使用を推奨しているのには、それなりの理由があったと言うわけだ。
ならば百歩譲って(笑)、固定モールはありがたく使わせてもらうとして、エンドキャップと配線ができるだけ目立たないよう工夫したい。LEDがないほうのエンドキャップについては、簡単に問題が解決した。大きなキャップだけで無く、発光チューブ先端を差し込むタイプの小さなキャップが付属していたのだ。キャップの固定が少々甘いようならば、ここは瞬間接着剤で固定しても問題ないだろう。
センタークラスターのアルミスパッタリング部分とアイボリー部分にある6mm程の段差を活用し、LEDを無理矢理隠す作戦中 | アイボリー色の下部パネルは5mm程凹んでおり、逆にアルミパネルは5mm程厚みがあるため死角にLEDを隠せる(後席からは見えるが……) |
■まだまだあるぞ、LED照明が欲しい場所
さて、モールの貼り付けやキャップの取り付けまでは順調に進んだが、どうしても「発光ラインだけがあるように見せたい」作戦にこだわりたい。自然に仕上がるんだし、素直にエンドキャップを取り付ければよいじゃないか、と言われればそれまでなのだが(笑)
もし本当に純正設計であればキャップも配線もなしでイルミが光るはずという思い込みを諦めずに作業を続けよう。理屈は簡単、「発光ラインだけがある」ようにしたいのだから、発光ライン以外の物は隠せばよいのだ。
センタークラスター部分を開けたり閉じたりひねったり、しばらく眺めていると運転席と助手席からは死角になる僅かな場所を発見。木目調パネル、アルミスパッタリングパネル、その下のアイボリー色のパネルはそれぞれ高さに違いがあり、銀色とアイボリーの境目部分にLED発光部を横向きに取り付ければ、ほとんど目立たずに取り付けることができる。
垂直に降りてきた発光チューブに対して水平方向にLEDを取り付ける必要があるが、多少輝度が下がったとしてもスマートな取り付けには代え難い。光りが回るように白色パーマセルテープで発光チューブとLED部分をできるだけガッチリと、かつ薄く固定し、その上から黒色パーマセルテープで目隠し、それを薄手の両面テープで「死角」部分に固定する。
ちょうどパネルの取り付け部分なので、苦労せず隠蔽配線することもできる。後席からは見えてしまうが、そこはまあご愛敬。(一度言い出した手前意地になってやってみたが、苦労の割にイマイチなのでこの方法はお勧めしないということで)。
配線と発光部を隠すことに全力投球したが、後で写真を見たらモール折り曲げ部が思いっきりが歪んでいた(笑)。とはいえ、LED発光部は比較的スマートに仕上がっている……つもり | 撮影するとこんな感じに。カメラ位置の関係で右側のラインが細くなっているが、それはそれで味がある(モノは言いよう) |
●車内はLED照明を付けたくなる箇所だらけ!
センターの小物入れ | 助手席側小物入れ×2個所 | ドアトリムとドアポケット |
運転席側の小物入れ | シフト横の小物入れ | センターコンソールの小物入れ |
ついでにカップホルダーも | ここもぼんやり間接照明を付けたら面白そう | 3列目はラインイルミが似合いそう |
ディーラーオプションとしてさまざまなLED照明が用意されているが、1つ1つの単価は消して安くなく、全部取り付けて行くと相当な費用が掛かってしまう。もちろん純正オプションだけにフィッティングはバッチリ完璧なのだろうが、LEDテープ、発光ライン、イルミコントローラーなどが安価で手に入るのだから、クルマいじり好きとしてはこれらを活用しない手はない。筆者のような純正もどき好き、派手好き、好みは様々だろうが、上手にキットを組み合わせて満足の仕上がりを実現できれば最高だ。
普段あまり気にしていなかったが、クルマの中には実にさまざまな収納が用意されている。あらかじめ照明が付いている個所もあれば、そうではない個所もあり、これらもまたイジリ甲斐がありそうだ。どんどんLED照明を追加していくと、取り付けた電源分岐キットやイルミコントローラーの最大容量をオーバーするのではないかと心配する方もいるだろうが、イルミコントローラーは最大800mAまでの出力に対応しており、LED照明は1つにつき約20mA程度の消費電力なので、まあ心配ないだろう。
ドアポケットなど電源の引き回しが難しい個所についても、最近は電池で駆動できる便利なキットが出ているので、これらを活用すれば比較的簡単にLED照明を取り付けることができる。皆さんもぜひ、思い思いのスタイルでLED照明クルマいじり楽しんでみてはいかがだろうか。
LEDイルミコントローラーのスイッチは、純正スイッチ同様にイルミ照明が点灯する | 純正装着されているイルミネーションはアンバー色。写真では暗く見えるが、流石に純正らしくちょうどよい明るさだ | ラインイルミ用の青色スポットライトの追加実験。アンバー+青色の不思議な色が若干怪しげなので、白色LEDにしたほうがよいのかも |
天井にある6個所の照明はLEDを用いている。フロアイルミ用LEDを工夫して使うことで、このような照明が可能になる |