Googleマップナビ(Beta)
無料でも高レベル、Google純正のAndroid用カーナビアプリがやっと上陸!
Googleマップ Ver4.5に組み込み / 無料 / Google
[Android 1.6~]

 AndroidといえばGoogle。GoogleといえばGoogleマップ。基本アプリみたいなものだから、使っているユーザーも多かったのではなかろうか。

 地図の使い勝手という面では今までも十分に実用的だったワケだけど、待ち望まれていたのがナビ機能。海外の一部地域ではすでにサービスが行われていたものの、日本ではそれを横目に見ながら指を咥えているしかなかった。が、それがついに実装されたのだから嬉しい。一応まだ、β版としてのリリースとなっているものの「これは試さねば」ってわけで早速使ってみた。

 まずインストールだが、Googleマップナビは、Googleマップに組み込まれている。したがって、「マップ」アプリをVer.4.5以降に更新すれば、ナビも追加される。アプリの一覧には「マップ」とは別に新たに「ナビ」アイコンが追加されて、ナビ機能を使いたいときはマップでなくこちらをタップして起動する。地図も専用画面になる。

 起動すると最初に現れるのが目的地の検索画面。地名や施設名、住所などを入力すると、候補がある場合はリスト表示で、候補がない場合はそのままルート探索へと移行する。

 また、Googleの「音声検索」アプリがインストールしてあれば、ここから音声で目的地を入力することもできる。この音声認識能力は非常に優秀で、車内で目的地を設定するときは、これが一番手っ取り早いかもしれない。

 カーナビと違ってかなり曖昧なキーワードを入力しても、候補を表示してくれるのはとにかく便利。Googleマップナビに候補がない場合は、Googleマップでの検索も行われ、詳細情報の画面からルート探索できるというのもグッドだ。

 スタンドアロンのカーナビと比べると、常に新鮮な情報が使えるのは画期的で、使い勝手には雲泥の差があるといってよい。あえて欠点を挙げるとすれば、Googleマップからの検索だと、通信状況によってはちょっと時間がかかることくらいだろう。

起動すると目的地検索画面に。「音声検索」アプリがインストールされていれば、音声入力もできる目的地の検索は名称やジャンル、住所などから行える。「カフェ」と入力した際の検索結果はこんな感じ
「中華街 チャーハン」のような複数&曖昧なキーワードでの検索もできる。この場合はGoogleマップで検索が行われるが、専用アイコンをタッチすればそのままルート探索が可能だ検索結果を使ってストリートビューによる目的地の確認なんてコトもできる

 ここまではGoogleマップにもあった機能だが、ここからのルート探索が、このアプリのキモとなる部分だ。

 ルート探索に要する時間は短く、ごく普通のカーナビと大差なしといった印象だ。全部で3パターンのルートを探索でき、有料/高速道路の使用/不使用が選択できるのは実用的だし、リスト表示が可能なのも便利。現在は未実装となっているが、将来的には地図上に渋滞情報を表示することができるようになるらしい。

ルート探索をした場合、いわゆる「推奨」ルートによる案内が行われる最大3ルートの同時探索が可能リスト表示で案内ポイントを確認することもできる
ルート探索の条件指定は有料道/高速道路の使用/不使用のみ。メニューから指定を行えるほか、案内開始時のウインドーでも指定することができるルート案内が行なわれているときに目的地検索を行うと、ルート沿いにある施設を検索することも可能だ

 ルートの案内はごくシンプル。案内画面では上部に交差点名と矢印による進行方向表示、同時に地図上にも進行方向を示す矢印が表示されるのみ。同時に音声で案内されるのは便利だけれど、普通のカーナビのような交差点拡大図は用意されていない。

 ただ、こうした案内ポイントでは右下に現れる「人型」のアイコンをタップすればストリートビューが表示され、実写による交差点の案内が可能になる。一般的なカーナビでは専用のイラストを作成する手間がかかるため一部の交差点での表示に限られるけれど、こちらは路地の入口のような場所にも対応できてしまう。現状では「ボタンを押す」というひと手間が必要ながら、マップとストリートビューを自動で2画面表示できるようになると、相当に利便性が向上しそうだ。

 自車位置精度に関しては、GPSのみによる測位ということを考えれば十分といえるレベル。当然、トンネルや地下では測位できなくなってしまうけれど、専用機でないことを考えればしかたがない部分だ。

 ただし、欠点がないわけじゃあない。最大の問題は、ルートを探索ができない地点が意外と多いこと。建物と周囲の道路情報とのヒモ付けが上手くいっていないのか、そのほかに原因があるのかはわからないけれど、「場所が分かっているのにルートが見つけられない」のはけっこうイライラする状況だ。

 ルート選択のアルゴリズムもイマイチで、「走りやすさ」という点はまったく考慮されていない。とくに市街地では距離を優先するためか、狭い路地でも気にせず選ばれることが多いようだ。さらに、アプリが勝手に終了してしまい再起動→目的地を再検索→再探索となることもたびたびあった。もっとも、これはアプリの不具合とは言い切れない部分ではあるけれど……。

地図表示はGoogleマップとは異なり道路と一部住所のみといたってシンプルなもの
地図表示はヘディングアップだと奥行きのある俯瞰表示になり、ノースアップだと通常の平面的な表示になる
レイヤの設定でガソリンスタンドや駐車場など、好みの施設を地図上に表示できる駐車場の表示ガソリンスタンドの表示
コンビニの表示レストランのレイヤ表示。画面上のアイコンをタップすれば施設名を見ることができる
航空写真による案内も可能。この時もヘディングアップ表示だと俯瞰表示になる
交差点での案内はとてもシンプル。上部の表示ウインドウをタップすれば次の案内ポイントの表示が可能。これは便利だ右下にある人型アイコンをタップしてストリートビューを表示すれば、実写による交差点の表示もできる。これで2画面表示が可能になれば……高速道路の出入口やジャンクションなどでも案内は一般道とあまり変わらない

 というわけで、期待のGoogleマップナビ、使ってみて今ひとつと感じられる部分もあるが、従来のカーナビを超えている部分や可能性を感じさせる部分は大いにある。今のところはあくまでも「ベータ」なワケで、それを考慮すればかなり高いレベルにあるといってもイイかも。今後の正式版リリースに期待しよう。

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(安田 剛 )
2010年 9月 28日