恥ずかしいトラブル体験談

 ドライブ中にクルマのトラブルに遭ったことはないでしょうか。今日は私の体験を教訓にしていただくべく、恥ずかしい思い出をご暴露(ちょっとオーバー)いたします。トラブルに遭ってクルマを止めるのって、本当にショックが大きいですよ。

 友人と八ヶ岳方面へ大好きなピアニストのコンサートを聴きに行こうと、高速道路に乗ったときにトラブルは発生しました。

 土曜日の午後のことでした。私は友人をピックアップし八王子ICでガソリンを満タンにし、女子のドライブということもあり、おトイレもしっかり済ませて万全の状態で中央高速に入りました。すると相模湖IC・藤野PAを過ぎたあたりでエンジンがバスバス言いだし、しまいにはアクセルを踏んでもスカスカな反応に……クルマはとうとう止まってしまったのです。

 トラブルが発生したときの交通状況は渋滞が始まり、全体のクルマの速度は落ちている状態。私はその間を路肩まで移動し、なんとかクルマを停め、まずは故障を伝えようと非常電話を探すと、電話ははるか彼方……。そこまでトボトボと歩く間、渋滞中の車内からの視線を感じないフリをして歩くのが辛かった。その恥ずかしい気持ち、分かっていただけるでしょうか。

 さらに土曜の午後、渋滞中の中央道です。今思えばしかたがないと思うこともできるのですが、レスキュー車がなかなか来てくれない。渋滞中の車内では「あ~、故障だねぇ」なんて声が聞こえてきそうなほど、私たちが渋滞の最中、格好の見世物になっていたのは間違いありません。いや、我々がさらに見物渋滞を作っていたかもしれません。

 付き合ってもらった友人にはただただ申し訳なく、コンサートに間に合わないと落ち込み、人目を感じては恥ずかしい気持ちになるばかり。今思い出しても、ツラくなります。

 そしてやっとレスキュー隊が来てくれたと喜んだのもつかの間、最後の試練が待っておりました。「危ないですから、そのまま乗っていてください」と言われ、ジッとしていると私のクルマは前輪が持ちあがり、けん引車に繋がれました。クルマのフロント部が持ちあがった状態のクルマに乗るって、それだけでも情けなくなるものなのです。そして次の上野原ICまでの移動の間、その“前上がりの状態”の愛車に女子が2人乗り、黄色い回転灯を点灯させたレッカー車は、渋滞中の高速の側道を安全な速度で走り抜けていきました。

 渋滞中のクルマたちを横目でチラ見しようものなら、あちらの車内の方とバッチリ目が合い、「どーもー、どーもー、エヘヘ……」なんて苦笑せざるを得ない状況。友人と私はなるべく真っ直ぐ前を見ていようと決め、“前上がり状態”の車内でジーッと耐えていたのでした。

 後にトラブルの原因は、メーカー側の問題による燃料ポンプ系のトラブルであったと知り、クルマのほうは無事に修理して戻ってきたのですが、乙女が受けたあのときのショックは今でも忘れられません。

 このときは春の始め頃でしたが、もしこれが真夏や真冬だったら、エアコンの効かないクルマの中でレスキューが来るのを待たなければならなかったでしょう。トイレを済ませておかなかったら、さらにつらいことも……。

 いかがでしょうか。「日ごろからクルマを点検しておかなくちゃ」と思っていただけますでしょうか。

 私にはほかにも、12月30日の寒空の下、街灯もない真っ暗な道路で、1人で欧州車のレギュラーサイズ(大きくて重い)のタイヤ交換をせざるを得なかった、“パンク事件”もあります。

 愛車の小さなトラブルなら、私のようにツライ思い出ができるだけで済みますが、トラブルが“事故”というアクシデントの原因になってしまったり、故障車が見物渋滞を作りガソリンのムダ使いの原因や追突事故を引き起こすことになることだってあるのです。

 子供たちの夏休みが始まり、クルマの移動も増えるシーズンです。来週はこれだけは気を付けたいカーケアのポイントをご紹介したいと思います。必読ですぞ~!

飯田裕子のCar Life Diary バックナンバー
http://car.watch.impress.co.jp/docs/series/cld/

(飯田裕子 )
2011年 7月 21日