【第52回】別荘地軽井沢で古き良き洋食を、の巻 |
軽井沢、オフシーズンでもおいしいお店は開いております! |
あと数日と迫ったクリスマス。今年は曜日のめぐりがいいので3連休という方も多いのではないでしょうか。交通量が特に多くなるこの季節、週末にドライブ予定のある方はくれぐれも安全運転してくださいませね。
さて、前回に引き続き軽井沢特集のグルメ隊。今回ご紹介するのは舌の肥えた別荘族の方々からも支持されている老舗の洋食屋さん「菊水」。現在のシェフは3代目の齊藤亮介さん。創業は昭和11年ということなので75年前! 齊藤さんの曾お祖母さんにあたる方がお蕎麦やうどん、丼物などを出すお店としてスタートし、その後、洋食に転換、今に至っているんだそうです。
お店は観光客で賑わう旧軽銀座のすぐ近くにあるのですが、メインストリートから100mほど横道に入ったところなので知らなければ辿りつけない穴場的な場所。ちなみに前回ご紹介したフランスベーカリーからは、歩いて3、4分の距離なんですの。
創業が昭和11年という老舗の洋食屋さん「菊水」 | 「幻の三笠ホテルカレー」が食べられるお店 | 古き良き洋食屋さんらしい、落ち着いた時間が流れる店内 |
そんな菊水で今回まずいただいたのは「幻の三笠ホテルカレー」(1,500円)。現在は国の重要文化財に指定されて、軽井沢を代表する観光スポットになっている旧三笠ホテルですが、その三笠ホテルで提供されていた西洋風カレーライスを復活させようというプロジェクトが昨年あったそうですの。町内13店舗から料理人が集まって試行錯誤し完成したメニューが「幻の三笠ホテルカレー」というわけです。
齊藤さん曰く、当時三笠ホテルで働いていた元シェフの方に協力してもらってレシピを再現し、完成したカレーのベースをもとにそれぞれのお店でオリジナルのカレーライスに仕上げているんだとか。
「じゃ13店舗それぞれ少しずつ違ったアレンジで提供されているわけですのね」
「そうなんです。イタリアン、フレンチ、ラーメン屋さんといろいろなお店が参加しているので食べ比べてみるのも面白いですよ」
「ところでこの薬味、らっきょうと福神漬はわかるんですが、玉ねぎって珍しいですね」
「三笠ホテルのカレーライスの薬味は、ピクルスやゆで卵など5種類ほどあって、どれもひと手間かけて刻まれていたらしいんですね。何度も試食会を重ねた中で、玉ねぎが一番合うってことで意見が一致して、三笠ホテルカレーの薬味にはこの刻み玉ねぎを出すというルールになったんです」
ライスの上に乗っている鶏肉は、「信州黄金シャモ」という地元食材。菊水ではこの鶏肉をローストしていて、カリッと香ばしくなった皮の部分がたまらなくおいしいんですの。隠し味に軽井沢産のルバーブジャムを使っていたりと、齊藤シェフの腕が光る菊水の三笠ホテルカレー、値段も手頃なのでオススメですわよ~!
こちらが菊水の「三笠ホテルカレー」(1,500円) | 黄色くて昔ながらの懐かしいカレーといった感じ |
鶏肉は信州黄金シャモを使用しています | 三笠ホテル元シェフの提供レシピをもとに現代風にアレンジしたというルーは、コクがあってまろやか |
さてもう一品は、
「せっかくなのでクリスマスディナーっぽいのも食べたいですね、ゆきぴゅーさん」
「じゃお肉ですわね♪」
ということになり、思い切って信州和牛フィレ肉のステーキセット(6,825円)をオーダー。出てきたメインのお肉の上には、バターとレモン果汁、卵黄で作る黄色いオランデーズソース。そのオランデーズソースの上にトッピングされたピンクペッパーとパセリの緑が、どことなくクリスマスカラーに見えてテンションUPしちゃいましたの。
メインのお肉は信州プレミアム牛肉というブランド牛だそうで、ナイフを入れてみると柔らかくてびっくり。そして一口含んでみるとさすがフィレ肉、しつこさがまるでなくて、バター香るオランデーズソースとの相性がばっちりなんですの。噛むほどに広がるお肉の旨味に思わずゆきぴゅーの鼻の穴は開きっぱなし!
この信州プレミアム牛肉、オレイン酸が多く含まれているために、お肉の風味と口溶けががよく、脂肪の旨味が味わえるステーキやすき焼きにぴったりなんだそうです。
信州和牛フィレ肉のステーキセット(150g)は6,825円 | この日のスープはミネストローネ | 見てください、このピンク色の断面! |
「クリスマスシーズンにぴったりのお店チョイスでしたね♪」 | 柔らかくて最高のお味だった信州プレミアム牛のステーキ | ステーキセットのデザートも絶品! 特にジャージー牛乳のアイスがたまりません |
「次に来た時には何を食べようかなぁ~」
と、食べ終えた後もメニューとにらめっこしていたゆきぴゅー&エイミーに、
「他のも食べてみたいのに結局いつものメニューを注文されるのが常連さん。まだまだ他にもオススメがありますから、ぜひまた足を運んで違う料理をいろいろ食べてみて下さいね」
と齊藤シェフ。受け継いできた伝統の味を守りながら、一品一品しっかりといい仕事をしているというのが感じられる軽井沢の名店でした。
菊水で提供されるコーヒーはミカドコーヒーの復刻版「旧三笠ホテルオリジナルブレンド」 | お腹いっぱいでお店を出た後は、旧三笠ホテルに行ってみました | 1970年にホテルとしての営業を終えた後は国の重要文化財に指定され、現在は一般公開されている旧三笠ホテル |
有島武郎を初め多くの著名人・政財界人が滞在し「軽井沢の鹿鳴館」とも呼ばれた純西洋風建築のホテルです | 帰りの車内から見た夕暮れの高岩山。孫悟空が住んでいそうですわよね |
旧軽井沢レストラン 菊水
長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢584
電話:0267-42-2626
営業時間:11時30分~14時30分
17時~19時30分
定休日:木曜日、月1日水曜定休あり
駐車場あり(2台)※周辺に公共の駐車場がたくさんあります
アクセス:上信越自動車道 碓氷軽井沢ICより14km、約20分
※年末年始のお休みは12/30~1/4になります。
※他のメニュー
ビーフカレーサラダ付(昼食のみ):1,200円
ハンバーグステーキ(サラダ・ライス付):1,890円
ポークスペイヤーリブバーベキューソース煮込み:2,625円
若鶏カツレツ:2,100円
など
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■プロフィール
イラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”。長野でフツーのOLをしていたが何の因果か鬼畜デジカメライターの弟子(奴隷)となり2000年に上京。日々の過酷でセクハラな毎日を絵日記で綴っているうちに絵の道に目覚め、ついに2005年独立。以降あちこちでタダでごはんを食べながらポンチ絵画家としてのお気楽な人生を歩んでいる。
女性カメラマン。カメラマンとして名を馳せるべくボスニアに戦場カメラマンとして渡るも、行った早々流れ弾に当たってしまいあえなく帰国。車にまったく興味がないゆきぴゅーとは正反対に機械モノが大好き。食べるのも大好き。封印したはずの赤いバンダナは、ネット上で復活希望の声があるとかないとか(でももうしません!)
2011年 12月 21日