【第4回】八ヶ岳の麓で本格英国風カレーを堪能ですの、の巻


ヴィラ・アフガンのカレーは18種類のスパイスでじっくり煮込んで作る英国式カレー

「甘いものの次は辛いものって、本当にその通りになりましたねぇ」
「そうですわよ!今日行くお店は八ヶ岳の麓にあるカレー屋『ヴィラ・アフガン』さんですの」
「車やバイクが好きな人達の間で特に人気があるお店ですよね。なんでも、今でも現役の先代が大の車好き、店長さんもバイク好きの方みたいですよ。Car Watch読者の方でもご贔屓にしている人がたくさんいるんじゃないですか」
「楽しみですわねー。あ、ところでエイミー。わたくし八ヶ岳PAで食べたいものがあるので寄って下さいませね」
「えっ?でも私たちその手前の長坂ICで降りるんですよ。まあ、次の小淵沢ICでもちょっと遠回りになるだけで大丈夫なんですけどね、、、っていうかゆきぴゅーさん、何食べるんですか?!カレー食べられなくなっちゃいますよ」
「中央道を走ったら必ず買うものがあるんですのよ」

今回ご紹介するお店は東京から150km程と日帰りドライブにはちょうどいい距離。目の前に八ヶ岳連峰が見えてきて気分も上がってきましたゆきぴゅーの食べたかったもの、それは八ヶ岳PA(下り)にある八ヶ岳パン工房のあんクロワッサン。運がよければ焼きたてに当たることもあり、売り切れで涙することもあり
クロワッサンに触発されたエイミーはおやきと牛乳。さらになぜかタオルハンカチも購入小淵沢ICを下りてからの道は高原のドライブ感満点!ただし冬は凍結するのでご注意を

 小淵沢ICを下りてからお店までは高原の中を走る素敵なドライブコース。まるで車のコマーシャルみたいですわ。お店に到着するとさすが人気店ですわね、開店時刻をちょっと過ぎただけなのにすでに駐車場は混雑していて、1階のウェイティングスペースには10名ほどの先客が!

 それにしてもここに来るお客さんて待つこと覚悟で来ているんですのね。皆さん当然のように名前と人数を紙に書いてあとは呼ばれるのを静かに待っていらっしゃるんですの。

 メニューを見ながら、

「どうしよっかなぁ、チキンもビーフも食べたいけどポークも捨てがたいですわよね~。それにソーセージカレーっていうのも魅力ですわ。あ、でもやっぱり和牛すね肉の煮込みカレーかなぁ……」

とあーだこーだ騒いでいるのはゆきぴゅーだけ。

 30分くらいしてようやくお声がかかり、いよいよ2階に上がったのでした。

澄んだ空気にこの青空!サイコーのドライブ日和ですわね~。このトンガリ屋根がヴィラ・アフガンの目印白い壁に赤いドアが映える素敵な入口店名の“アフガン”は、先代が昔飼っていらした愛犬、アフガン・ハウンドからついたんだそうです
1階が入口で待ち合いスペース。レストランは階段をあがって2階にあります鹿の剥製が飾られていたりする山小屋風の店内。インテリアを見ているだけも楽しいんですの天井の高い店内はアンティーク雑貨で埋めつくされた独特の空間

 ヴィラ・アフガンのカレーのメニューはというと、ポーク・ビーフ・チキン・エビ・ベーコン・なす・あさりなど全13種類。中でも一番の人気メニューは、分厚いベーコンと目玉焼きがどーんと乗っかった“ベーコンエッグカレー”。辛さは4種類あって、A(普通)、B(やや辛い)、C(とても辛い)、ウルトラC(激辛)と選ぶことができますの。

「で、結局ゆきぴゅーさんは何にするんですか?」
「ポークカレーにベーコンと目玉焼きをトッピングしますわ!」
「す、すごい注文の仕方ですね、それ」
「さっき下で待っている時に常連さんぽい人が言っていたんですの。いつもそうやってオーダーするんだって」
「じゃ私は定番のベーコンエッグカレーにしますね」

 さて、しばらくして出てきたカレー!もう見た目のインパクトからしてすばらしいんですのよ、ブラボー!ワンダフル!アメージング!

山菜入りの田舎サラダはボリュームたっぷりなので2~3名でシェアしても(1000円)ライスの量比較。ベーコン&エッグに隠れている左がお茶碗1杯分のS、上がお茶碗2杯分のM、右が3杯分のL
香味野菜や香辛料・ハーブなど18種類のスパイスで作られるカレーだけあって、おうちでは絶対に出せないお味!こちらは数量限定の和牛すね肉の煮込みカレー(1600円)ゆきぴゅーが注文したポークカレー(1600円)にベーコンと目玉焼きのトッピング(800円+200円)。どっちがメインなのかわかりません

「これ、ベーコンっていうよりまるでハムステーキみたいですわね」
「それにこのキレイな黄身2つのタマゴ焼き!どうやって作るんでしょうね。芸術的!」
ゆきぴゅーの注文したポークカレーのポーク、これまた想像を超えたやわらかさで感動してしまいましたの。
「こんなに美味しい豚肉のかたまり食べたのは初めてですわ!さっきの常連さんの言ってた通りにしてよかった~」
「このベーコンのボリュームだって、なかなかお目にかかれませんよね。これ目当てに通っちゃう気持ち、分かりますねぇ」

 そもそも“ヴィラ”とは宿泊施設、いわゆる別荘という意味ですが、それもそのはずヴィラ・アフガンはもともとペンションから始まったお店なんだそうですの。オープンした昭和49年当時は、ペットと一緒に泊まれるペンションの先駆け的な存在だったんだとか。当初はスペイン料理・イタリア料理・カレーを提供していたそうですが、徐々にカレーのみにしぼっていき現在に至っているとのこと。

カレーを待つ間、こんな貴重なコレクションアルバムを拝見お店の裏にあるガレージでは先代の愛車コレクションが拝見できました

「味はもちろんだけど、場所や雰囲気も人気の要素って感じでしたわね」
「そうですね、非日常を感じられてどこか外国に来たみたいですよね。東京から遠すぎず近すぎず、1時間半くらいのドライブで来られる“とっておきの場所”ってところでしょうか」

 絶品カレーを堪能した二人はその後、周辺のドライブを楽しみました。

「んんん?ねぇ、エイミー!あそこで何か売ってる人がいますわよ。ちょっと寄ってみるですわ!」

ビュースポットで知られる八ヶ岳高原大橋脇の駐車場で出張パン屋さんを発見!実はこの方、車で数分のところにあるパンとケーキのお店「エルベテル」のご主人。「お店がちょっと辺鄙なところにあるんで、こうして売れ残ったパンを時々売りに来るんです」とのこと。車を止めていた観光客があっという間に群がって大繁盛の絶景パン屋さんだったのでした

「(もぐもぐ、もぐもぐ)うん、おいしいですわ、このパン!」
「パン食べてカレー食べてまたパンですかっ!!!」

ヴィラ・アフガン
山梨県北杜市大泉町西井出8240-3510
電話:0551-38-3148
営業時間:11時30分~14時/17時~19時
     売り切れ次第終了
定休日:火曜日(祝日の場合は翌日)
    ただし月曜日は昼のみの営業
    ※冬場は不定休なので事前に電話で要確認
アクセス:中央自動車道の長坂ICから10km弱、約15分。小淵沢ICからは25分ほど。小淵沢ICを出たら右折して、八ヶ岳高原ラインを清里方向へ進み、「天女山入口」交差点を右折してすぐ

中央自動車道八ヶ岳PA(下り)「八ヶ岳パン工房」
営業時間:6時~22時
※上りにも同じパン屋さんがあります

パンとケーキのお店「エルベテル」
http://www10.ocn.ne.jp/~elbethel/pages/info.html
山梨県北杜市大泉町西井出8240-7818
電話:0551-38-1143
※現在は冬季休業中。再開は4月中旬の予定です。


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このクルマでドライブしました!

アルファ・ロメオ 147

ヤル気に火をつけるアルファ・サウンドに、軽快至極の足まわり。高速道路も難なくこなすアルファだけど、やっぱり楽しいのはワインディング。ゆきぴゅーもエイミーも、「高速道路より山道のほうが、車が喜んでたみたい」と言ってました。青空に映えるイタリアンレッドを妄想しながら走りましょう。

プロフィール

ゆきぴゅーゆきぴゅーおふぃしゃるほーむぺえじ
イラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”。長野でフツーのOLをしていたが何の因果か鬼畜デジカメライターの弟子(奴隷)となり2000年に上京。日々の過酷でセクハラな毎日を絵日記で綴っているうちに絵の道に目覚め、ついに2005年独立。以降あちこちでタダでごはんを食べながらポンチ絵画家としてのお気楽な人生を歩んでいる。


エイミー
女性カメラマン。カメラマンとして名を馳せるべくボスニアに戦場カメラマンとして渡るも、行った早々流れ弾に当たってしまいあえなく帰国。この連載のおかげで最近お腹に肉がついてきたとかで、ジムに通い始めたらしい。毎回イラストで自分が描かれているので「近頃、洋服に気を遣うようになってきたんです」と本人談。その前に赤いバンダナをなんとかしたほうがいいんじゃないですのと思う今日この頃。


2009年 12月 22日