【第17回】群馬のブラジルで本場ブラジル料理に舌鼓ですの、の巻 |
シュラスコとは串刺しにしたお肉に岩塩をふって炭火でじっくり焼いた南米の代表的な肉料理 |
「うわ~っ、かっこいい車ですわね~! ええとこの車はCR-Zの6速MTですのよね」
予習バッチリで助手席に乗り込んだゆきぴゅーでしたが、車内をキョロキョロと見回して驚愕の事実を発見ですの。
「あれ?! こ、これってもしかしてマニュアル車ですの!?」
「今、自分で6速MTって言ったじゃないですかっ!」
そんな凸凹コンビが乗る真っ赤なかっこいいハイブリッド・スポーツカーは、東北自動車道を北上しておりました。目指すは“リトルブラジル”の異名を持つ群馬県邑楽郡大泉町。実はこの町、ブラジル人の居住人口の比率が日本一という、知る人ぞ知るブラジリアンタウンなんですの。
「でもよりによってすごいタイミングでブラジルタウンに行くことになっちゃいましたわね」
「まったく。街中が落胆モードじゃないですか?」
サッカー好きの方ならもうお分かりですわね。そうなんですの、ロケ前日の7月2日は、サッカーワールドカップの準々決勝でブラジルがオランダに2-1で逆転負けした日だったのでした。
「ひょっとして臨時休業とかになってませんわよね???」
ちょっと早く着いたので、ブラジリアンプラザという日系ブラジル人の皆さんがふだん集まるらしいショッピングセンターに立ち寄ってみることに。駐車場に降り立つと、気のせいか街中が静まりかえっているような雰囲気ですの。食料品売り場の(たぶん日系人の)おじさんの話によると、ほんの10数時間前は、ここ2階の共有スペースに大勢の住民が集まってみんなでTV観戦したそうですわ。
「日本も負けちゃったし、ブラジルも負けちゃったし、もう応援するところがないねぇ」
さて、気を取り直して目的地「レストランブラジル」に向かいます。入り口にOPENの看板が出ていてまずはひと安心。ちなみにお店の人は日系人の方。カタコトの日本語ですがちゃんと通じます。
「うわー! メニューがたくさんあって迷いますわね~」
「でも写真付きだからありがたいですね」
迷いに迷った挙げ句、ふたりは“ブラジルで最も一般的な料理”というステーキのワンプレートと、お店の人おすすめの“フェイジョアダ”のセットを注文。さらに牛肉や豚のスペアリブやソーセージを1本の鉄串に刺してあるシュハスコ(とお店では呼びます)を注文することにしましたの。
10分後、テーブルいっぱいに並んだボリュームあるセットメニューにわくわくしていたところに、豪快にお肉が刺さった串焼きシュハスコが登場! その大きさたるや、ふたりでしばし呆然と眺めてしまったほどです。
「さぁ食べるですわ♪」
なにはともあれ、その串刺し肉が気になるゆきぴゅー。串の先端が木の台に刺さっているのでまずはそこを抜いて、串からお肉を外して食べます。岩塩のみで味付けしたそれは、お肉本来の旨味が味わえて絶品! 豚、牛、チキン、すべてのお肉が美味しかったですわ。
「ゆきぴゅーさん。このフェイジョアダも食べてみてください。お肉がすっごく煮込まれていてやわらかいですよ」
「どれどれ……うわっ、ホントですわね! お肉ほろほろ!」
「ちょっぴり塩味がきつい感じですけど、これがきっとブラジル本来の味つけなんでしょうね」
「このゴロゴロと入っているお肉、何のお肉ですの?ちょっと聞いてみるですわ。すみませーん」
店長さんが来て下さったので、
「これは何ですか?」
「ソレハ、ブタノ、カワ」
「これは?」
「ウシ、ウシ!」
「こっちは?」
「ブタノ、ソーセージ」
「じゃこれは?」
「ブタノ、シッポ」
「し、しっぽ!?」
黒インゲン豆とそれらのお肉を長時間かけて煮込むフェイジョアダは、スタミナたっぷりなブラジルの国民食。そんな“本物のブラジルの味”が気軽に味わえるのがここレストランブラジルなんですの。
「あー、食べた食べた。ブラジル料理って、夏バテ防止によさそうですわね~。ゆきぴゅー、この夏また来るですわ」
「っていうかゆきぴゅーさん、それだけ食べてたら夏バテなんてしませんよ」
セットメニューについてきたこの緑の野菜炒め。ポルトガル語でCOUVE(コーヴィ)というそうで、その正体は | なんと青汁の原料として有名なケールだったんですの。キャベツに似た野菜ですわね | ブラジルではプリンは一般的なデザート。こちらはカラフルなゼリー入り |
■行ったところ
レストランブラジル
群馬県邑楽郡大泉町西小泉5-5-3
TEL:0276-62-0994
営業時間:平日11時~15時
17時30分~22時(LO)
土・日12時~22時(LO)
定休日:水曜日
駐車場:あり
アクセス:東北自動車道 館林ICより16km、約30分。北関東自動車道 太田桐生ICより約10km、約15分。
より大きな地図で【第17回】群馬のブラジルで本場ブラジル料理に舌鼓ですの、の巻を表示
■■このクルマでドライブしました!■■ ホンダ CR-Z満を持して登場したハイブリッドスポーツカー。ホンダ独自のハイブリッド・パワートレーンもさることながら、CR-Xのフォルムを継承したスタイルに目をうるうるさせる、往年のスポーツカーファンが続出とか。でも、そういう事情を知らないこの2人組にも、カッコよく見えそうです。 |
■プロフィール
ゆきぴゅー(ゆきぴゅーおふぃしゃるほーむぺえじ)
イラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”。長野でフツーのOLをしていたが何の因果か鬼畜デジカメライターの弟子(奴隷)となり2000年に上京。日々の過酷でセクハラな毎日を絵日記で綴っているうちに絵の道に目覚め、ついに2005年独立。以降あちこちでタダでごはんを食べながらポンチ絵画家としてのお気楽な人生を歩んでいる。
エイミー
女性カメラマン。カメラマンとして名を馳せるべくボスニアに戦場カメラマンとして渡るも、行った早々流れ弾に当たってしまいあえなく帰国。車にまったく興味がないゆきぴゅーとは正反対に機械モノが大好き。食べるのも大好き。封印したはずの赤いバンダナは、ネット上で復活希望の声があるとかないとか(でももうしません!)
2010年 7月 7日