第29回:冬は秩父でわらじかつの巻 |
シンプル・イズ・ベストのカツ丼は、忘れた頃にまた食べたくなるお味! |
新年あけましておめでとうございます。今年もグルメ隊は、ひと回りもふた回りも胃袋を大きくして、東奔西走したいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。
というわけで、今年最初の車はトヨタ「FJクルーザー」! 朝、待ち合わせの場所で(なにやら黄色いでっかい車が来ますわねー)と思って眺めていたらエイミーが運転していてびっくり。助手席に乗り込んだゆきぴゅーは、ボディと同色の黄色いセンターパネルが格好よくて気に入っちゃいましたわ。
そんな超目立つSUVに乗り込んで向かった先は、埼玉県秩父市。テレビの旅番組などでもよく紹介されるご当地グルメ「わらじカツ」をご紹介します。おじゃましたお店は「安田屋 秩父店」。
関越自動車道の花園インターをおりて国道140号をひた走り秩父をめざします | 途中、長瀞に寄り道。オフシーズンはとても静かです | 国の天然記念物に指定されている名所「岩畳」。長瀞ライン下りの乗降船場所です |
「芝桜の丘」で有名な羊山公園には、本当に羊がいるですの | とぉ~ってもシブイ店構えの安田屋 秩父店 | 暖簾を掲げて30年余り。地元にも観光客にも愛されるお店です |
実はわたくし、去年の夏に秩父店から12kmほど離れた小鹿野町にある安田屋さんという同じ名前のお店で、わらじカツを食べているんですの。そちらのお店とはどういうご関係なのか、まずはご主人に聞いてみると、
「向こうが本家になるんですよ。親戚がやっているんですが、経営は別々なんです」
とのこと。お2人のおじいさんにあたる方が小鹿野町でわらじカツのお店を始められたのが、最初なんだそうです。ちなみに小鹿野町は町の名物としてわらじカツを掲げていたり、オートバイによる町おこしをやったりしているので、特にバイカーの方に人気があるんだそうですわ。
さて、そのわらじカツとはどういうものかと言いますと、ご飯の上にあまじょっぱいタレが染み込んだカツが、2枚乗っかっているというシンプルなもの。ぺろ~んと薄くて大きな2枚のカツが「わらじ」の由来なんですの。
席に着くとまずは「2枚にしますか? 1枚にしますか?」とカツの枚数を聞かれます。
「私は1枚にしておきますけど、ゆきぴゅーさんは?」
「もちろん2枚ですわ!」
こたつに足をつっこんで待つこと10分。どんぶりのフタの下からはみ出たわらじカツが運ばれてきました。
「そうそう、これこれ! これ以上見えちゃっていると下品だし、まったく見えないとさみしいしで、これがビジュアル的に絶妙のバランスだと思うんですのよね~」
なーんてゆきぴゅーが勝手な講釈をたれている横で、早くもカツをひと口かじったエイミー
「ん~~~♪お肉やわらかーい!おいしー!。よく秩父のB級グルメって紹介されてますけど、これはB級以上のおいしさですよっ!」
「でしょ、でしょー」
あっという間に1枚目を食べ終えたゆきぴゅーは、フタに避難させておいた2枚目に突入。お味噌汁と漬物、そして七味をかけて味の変化を楽しみながら、ご飯粒ひとつ残らず完食しましたわ。
「本家のほうと味は違ったりするんですの?」
「味はそんなに違わないはずなんですけどね。肉が本家はロース、うちはヒレを使っているんですよ。子供さんや女性にも喜んで食べてもらいたくてね」
「そうなんですか! どうりで脂っぽくなくて食べやすいなって思ったんです」
聞いてみると作り方はいたってシンプル。やわらかくするために叩いて薄くのばした豚肉を、普通のトンカツと同じように小麦粉、溶き卵、パン粉をつけて揚げるだけ。そして揚げたてのカツをさらっとした“たれ”にくぐらせてご飯に乗っけますの。
「特に凝ったことはしていませんがこのタレの作り方だけは秘密ですね」
とご主人。カツのみのテイクアウトもできて、小さい容器にその秘伝のタレが付くのがうれしいですわね。
そうそう、ゆきぴゅーとしては本家ではなかったお味噌汁がつくという点で、こちら秩父店さんに軍配が上がった感がありました。
石油ストーブにこたつというなんともノスタルジックな空間でいただくわらじカツ。寒~い秩父の冬でもドライブしに行きたくなっちゃいますわよね!
お好みで七味をふりかけてみましょう | 「こたつってやっぱりいいですわね~」「田舎のおばあちゃん家に来てるみたいな感覚ですね」 | 希望があれば、カツは切ってもらえますのよ |
カツももちろんですが、このタレがかかったご飯がたまらないんですのよね | お店は国道140号沿い。秩父鉄道の線路を超えたらすぐ右側にあります |
安田屋 秩父店
埼玉県秩父市日野田町1-6-9
TEL:0494-24-3188
営業時間:11時30分~L.O.18時30分
定休日:月曜日
駐車場:あり(7台)
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■■このクルマでドライブしました!■■ トヨタ FJクルーザー日本にやっとやってきた、アメリカで人気のスタイリッシュSUV。ランクルFJ40風ルックスのファニーカーのように見られがちだけど、じつはラダーフレームを持った本格オフローダーなのでした。 |
■プロフィール
ゆきぴゅー(ゆきぴゅーおふぃしゃるほーむぺえじ)
イラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”。長野でフツーのOLをしていたが何の因果か鬼畜デジカメライターの弟子(奴隷)となり2000年に上京。日々の過酷でセクハラな毎日を絵日記で綴っているうちに絵の道に目覚め、ついに2005年独立。以降あちこちでタダでごはんを食べながらポンチ絵画家としてのお気楽な人生を歩んでいる。
エイミー
女性カメラマン。カメラマンとして名を馳せるべくボスニアに戦場カメラマンとして渡るも、行った早々流れ弾に当たってしまいあえなく帰国。車にまったく興味がないゆきぴゅーとは正反対に機械モノが大好き。食べるのも大好き。封印したはずの赤いバンダナは、ネット上で復活希望の声があるとかないとか(でももうしません!)
2011年 1月 5日