梅雨シーズン到来! ミラーに水滴を残さない超撥水剤
「Siv超撥水ミラーコート」
メーカー:カーメイト
価格:オープンプライス(購入価格798円)

 

 いよいよ6月に入り梅雨入り目前。ということで今回レビューするのは撥水剤。撥水剤と言ってもフロントウィンドーの撥水ではなくミラーの撥水だ。

カーメイト「Siv超撥水ミラーコート」。80ml入りでドアミラーにして約20枚分

 使用したのはカーメイトの「Siv超撥水ミラーコート」だ。パッケージによれば0km/hでも水滴が残らないと言う。実は筆者は数年前にもこの商品を使用したことがあり、その効果は体験済み。当時の商品は霧吹きタイプだったのだが、現在販売されているのはエアゾールタイプとなっていた。同様の商品が他メーカーからも出ていたが、この商品はミラーだけでなくサイドガラスにも使えるということでこの商品をセレクトした。

 フロントウィンドー用の撥水剤が走行風によって雨しずくを飛ばすのに対して、0km/hで雨が落ちる仕組みはというと、ガラス表面にできるSiv被膜による。これは、超微粒子セラミックとポリマーによって作られる微細な突起のある被膜で、この突起により、ほとんど水滴の付かない状態を作れる。これは蓮の葉の上で水玉が転がるのと同じ原理。蓮の葉の上には細かな起毛のようなものがあり、この起毛が点で水を支えるため、水がベタッとならず、コロコロと水玉となって転がるのだ。

 施工は簡単。最初にミラー面の汚れや油分を取り除く。カーシャンプーなどで十分だろうが、もしすでに撥水剤などを施工していたり、油膜がひどい場合は、ガラスコンパウンドなどで下地処理すれば完璧だろう。さらに水分をきれいに拭い、乾燥した状態にする。

施工前の状態。特に撥水処理などはしておらず、霧吹きで水をかけるとごらんのとおりの水玉ができるそれほど汚れてはいなかったが、カーシャンプーを使ってきれいにした人工セームと乾いたウエスで水分を完全に拭えば下地は完成

 ミラーの下から垂れたり、余計なところに飛散しないように、ウエスなどでカバーしてスプレーする。ミラー面から5~10cm離したところから塗り残しがないようたっぷり塗布。マニュアルによれば普通車のドアミラーで3~5秒、ミニバンなどの大型ミラーで5~7秒程度とのこと。筆者のクルマはフェンダーミラーにしてありサイズが小さいので3秒程度の噴霧だった。

 噴霧後しばらくするとうっすらと表面が白くなりながら乾燥していく。これで完成だが、完全に乾燥するまで最低1時間は水分をつけないようにとのこと。乾燥すればまた透明になるが、見比べると、うっすらと白っぽい印象だ。個人的な印象では、以前使ったタイプでは、もっと表面が白くなったと思うのだが、改良されたのだろうか。白さは少なく、比べなければ分からないレベルとなっていた。

まずはよく振るマニュアルに従い1秒ほど空吹きウエスなどで垂れや飛散がないよう工夫しながらミラー面にスプレーする
最初はミラー面全体が濡れた状態だが、しばらくすると最初に吹いた上の方から、白っぽい波紋のようなものが広がり、乾燥していく。日中の写真では分かりにくいため、夜間にもう一度撮影したのが右の写真。白い線の下側がまだ乾いていない状態で、上が乾燥したところ。見比べると若干だが表面が白っぽくなっているのが分かる施工後、乾燥した状態。比べるとほんのわずかに白っぽくなるが、実用上それによって見にくく感じるようなレベルではない。この後最低1時間は水などをかけず、完全に乾燥させる

 その実力はというと、下の写真のとおり。霧吹きで水を吹き付けてみるが、よく見れば非常に小さな水滴が残るものの、視認性の邪魔となる大きな水玉は残らない。ミラーの使用用途として見れば、まったく問題のないレベルと言えるだろう。

 これだけの撥水力ならば、ミラーだけと言わずフロントウィンドーにも施工したいところだが、それができないのには訳がある。この皮膜は、一般的なガラス撥水剤のようにしっかりと定着するものではなく、指でこすったりウエスで拭くだけで簡単にはがれてしまうのだ。つまりワイパーを使えば、あっという間に皮膜ははがれてしまう。テストとして施工面の半分だけをウエスで拭いてみたが、これだけで皮膜は落ちてしまい、水をかけると、拭いた部分にだけ水滴が残る形となった。こうして見るとその実力は一目瞭然だが、ガソリンスタンドなどでミラーを拭かれないように注意が必要だ。

霧吹きで水を拭きかけてみるが……とても小さなしぶき程度のものは残るが、水滴と呼べるものは皆無だ!ミラーの右半分をウエスで拭ってみる。洗剤などは使っていない
再び霧吹きで水をかけると拭った右側にだけ水滴ができた拭うだけで落ちてしまう耐久性の低さは分かったが、こうして見比べるとそれ以上に撥水能力の高さを実感する

 さらにサイドガラスに塗布できるのもこの商品のメリット。ドアミラーの見える部分だけでも塗布しておくと、視認性は格段に向上するはずだ。筆者もテストのためサイドガラスに塗布してみたが、面積が広いため、ミラーと比べるとムラのようなものが気になる。また、筆者のクルマはガラスを開閉できない三角窓があるのでよいのだが、一般的に開閉できるサイドウィンドーの場合、ウィンドーを上げ下げすると、それだけで皮膜が落ちてしまう可能性もある点に注意。梅雨のこの時期だけでも窓を開けないように気をつければ、だいぶ快適に過ごせるはずだ。また、洗車でシャンプーが付くだけでも効果がなくなるとのこと。といっても施工は簡単なので、もし落ちても再び塗布するのは苦ではないだろう。

サイドガラスにも施工してみる。施工するのはウィンドーの開閉ができない三角窓の部分垂れないように下側を覆ってスプレーする。面積が広い分ムラなく塗るのが難しいしばらくすると乾燥がはじまる
施工していない右側のガラスと比べると、若干白っぽくなっているよく見るとムラのようなものもできてしまった。これは施工する側の問題だろう。気になるほどではないのでこのままにした水をかけてみる。若干施工がうまくいかなかったのか、一部に水滴が残ったが、それでも施工していない右側のガラスと見比べると、その実力は本物だ

 なお、着色、親水、撥水、ワイパー付き、超音波などの特殊サイドミラーやガラス以外のミラーには使えないとのこと。熱線ミラーは問題ない。

(鈴木賢二)
2010年 6月 4日