ウインドーが汚れてきたなと思ったら
油膜取りにチャレンジ

「キイロビン120」
メーカー:プロスタッフ
購入価格:498円

 

プロスタッフのキイロビン120。黄色い容器が店頭でもよく目立つ油膜取りの定番商品

 そろそろ梅雨の季節。雨がたびたび降るようになるととくに気になるのが、フロントウインドーの汚れ具合。晴れの日ならある程度がまんできた汚れも、雨だと汚れ具合の差が気になるようになり、雨の夜間だと運転に支障を来すようになる。

 そうなる前に普段からやっておきたい作業がフロントウインドーの油膜取り。車は自然環境の中を走るものだけに、油膜の付着を完全に防ぐ方法はなく、日常のメンテナンスが大切になる。また、最近ではフロントウインドー用シリコン系やフッ素系撥水剤が一部残ることにより、特定の個所だけ水をはじき、結果として前方が見えづらくなるということもあるだろう。

 そうしたしつこい油膜などは、泡状の油膜取りスプレーではなかなか落ちないため、液状の油膜取りがお勧めだ。今回取り上げるプロスタッフの「キイロビン120」は、液状タイプの代表的な製品で、カー用品店などに行くと、黄色い容器でおなじみともなっている。

キイロビン120には、磨くためのスポンジも付属してくる

 キイロビンには、内容量120gのキイロビン120、200gのキイロビン200のほか、スポンジと一体になった内容量150mlのキイロビンスプレーがある。キイロビンスプレーは便利なのはよいが、価格がほかのキイロビンより高価(といっても1000円強)。ウインドーエリアの大きなミニバンやトラックなどはキイロビン200がよいだろうが、セダンタイプの乗用車であれば、キイロビン120で十分。自分自身キイロビン200を購入したこともあったが、使い切らないうちにどこかになくしてしまった(自分がずぼらだとも言える)。

 使い方は非常にお手軽。付属スポンジに液を付けウインドーを磨いていくだけだ。ただし、ガラスコンパウンドほどではないものの、多少の研磨成分が含まれているため、いくつか注意する点はある。磨き系の製品の多くがそうだが、事前に磨く面をきちんと水洗いすること。これは、磨く面の汚れを取り除くとともに、汚れ成分を使って磨くことがないようにするため。ガラスはデリケートなものなので、傷を付けたら完全に元に戻ることはない。小石などと一緒に磨かないように、必ず一度水で洗い流してほしい。

フロントウインドーを軽く水洗いした直後。シリコン系撥水剤の残りカスのため、水が均一に流れなくなっている車内から見たところ。とてもきれいな状態とは言えないワイパーを数回動作させるとこのような感じに。油膜などの影響もあって虹色に見える部分ができ、なにより均一に拭き取れていない

 磨き方にとくにコツのようなものはないが、磨き始めはガラス面ではじかれていた液が、磨いているうちにはじかれなくなる。磨き応えも微妙に違ってくるので、そうなればOKだ。強い研磨剤が含まれているわけではないので、磨きすぎの問題も起こりにくい。その後は液を水で洗い流し、きれいな濡れタオルで拭き上げて終了。指で触ると、磨く前とは触り心地が違ってくるのが分かると思う。

水を少し含ませた付属スポンジにキイロビンの液を付ける。液はややクリーム色に見える。成分は酸化セリウム一度水洗いを終えたウインドーを磨いていく。縦磨き、横磨き、円磨きなど磨き方にはいろいろあるだろうが、あれこれ試してみてほしい。強い研磨剤は含まれておらず、比較的安心して使用できる磨き終えたら液を流し落とすための水洗い。その後濡れたタオルで拭き上げれば作業は終了
作業後、水をかけて撮影。キレイになったため水が均一に流れ落ち、視界はすっきりしたものになったフロントウインドーの状態確認のため、さらに水をかけワイパーを作動させた。ウインドー面が平滑に仕上がったため、拭きムラもなくなる。下側に虹色の部分があるが、これはワイパーが古くなっているためだ作業終了後に雨が降ってきた。撥水状態でもなく、親水状態でもないため、雨粒は素直に下に流れていく

 キイロビンのよいところは、泡状の油膜取りでは取れないような油膜が取れ、強い研磨剤が入っていないため、磨きすぎなどの問題が起こりにくいこと。シリコン系やフッ素系の撥水剤のカスを取るのにちょうどよい程度の能力を持っていることだ。ウロコ状のガラスの水あかまでには対応しないものの、「あ~、なんかウインドー汚いな」という用途には十分な能力を持つ。

 なによりキイロビンで磨き終えた後、車内から見える風景が一段キレイに見えるのは作業したかいがあって嬉しい。本当にきれいなフロントウインドーであれば撥水剤を用いなくてもワイパーのみで視界を確保できるし、撥水剤を塗布する前の下準備にも向いている。ロングドライブの前などはもちろん、日常的なメンテナンスにも使ってみてほしい。

(編集部:谷川 潔)
2010年 6月 11日