ホット&コールドドリンクの強制冷温でドライブを快適に ニューイング「カー・フェテリア」 |
メーカー:SFJ 価格:4179円 |
長時間のドライブではドリンクを飲みながら、というのもしばしば。ホットでもコールドでも買った直後はよいのだが、すぐに常温になってしまう。そのため、常温でもそれなりに飲めるミネラルウォーターを無難に選んでしまうなんてことはよくありがち。エアコンの吹き出し口に設置するタイプのドリンクホルダーなら少しは温度を持続させられるが、それほど劇的な効果はない。
今回紹介するニューイングの「カー・フェテリア」は、電気でホットもしくはコールドのドリンクを飲みやすい温度に暖めたり冷やしたりが車内でできるグッズだ。ドライブ中いつでも最適な温度のドリンクが飲めるようになる。
ニューイングの「カー・フェテリア」パッケージ。紙ボックスに入っている | カー・フェテリアの内容物。ホルダー本体以外に専用のスチール製マグカップやドリンクホルダー設置用のアダプタが付属する |
カー・フェテリアは、ドリンクホルダーに入れて使う電気式の簡易冷温器。本体のカップホルダー内部は金属で作られ、ホットの場合は熱して、コールドの場合はファンで冷気を送って、接触する金属製の缶の温度を制御するという仕組みだ。
内部をよく見ると、パソコンのCPUクーラーのような金属製ヒートシンクと電動ファンが付いているのが特徴的。ホットでは最大で55度まで暖めることができ、コールドでは外気温よりも18度低くすることができる。ただし、外気がいくら低くても1.6度以下にはならず、凍らせることはできない。ホットとコールドはスイッチで切り替えて使い、電源はシガーソケット経由でDC12V車専用だ。
熱伝導の仕組みを使っているため、飲み物を入れる容器は金属でなくてはならない。そのため、飲料が金属の缶容器ならそのまま使えるが、ペットボトルや紙容器の場合には専用の金属製マグカップに入れ替えて使う必要がある。缶もホルダーにピッタリ合う350mLサイズなどがベストになる。ここはちょっと面倒な部分だ。
設置は、本体下部にドリンクホルダー用のアダプターをはめ込んで、それをドリンクホルダーに差し込む。アダプターは3段階に深さの調整ができるので、愛車のホルダーにあわせる。また、少し緩い場合には、付属のスポンジを周囲に貼り付けて調節する。
本体が440gでマグカップが164gある。さらに飲み物の重量が加わることになるので、エアコン吹き出し口に装着するホルダーなど不安定な場所にはあまり向かないと思われる。コンソール部などでしっかりと置ける場所を選びたい。なお、付属のクッションパッドを使い、平面部分に本体を直接貼り付けることもできる。
カー・フェテリアのヒーター本体とドリンクホルダー用アダプタ。シガーソケットに接続して使う | ドリンクホルダー用アダプターは3段重ねになっている。ホルダーの高さにあわせて外す | シーソー型のスイッチで、「C(コールド)」と「H(ホット)」を切り替える。中央がOFF |
金属製マグカップが付属。ペットボトルと紙容器の場合、これに入れてから使う | 専用マグカップを本体に装着したところ |
本体にはファンが装備されている | ファンの部分は掃除のため開けることが可能。中にはヒートシンクとファンがある |
シガーアダプターに差し込み、シーソー型のスイッチを「C(コールド)」と「H(ホット)」どちらかに倒すと電源が入る。使用中はコールドが緑、ホットは赤のLEDが点灯するので、間違えることはないだろう。なお、ホットでは無音なのだが、コールド時には常時ファンが回るので「キーン」という高周波音がする。静かな車内のクルマではちょっと気になるところだ。
さて実際の保温効果をみてみよう。今回は常温からではなく自販機から購入したことを想定して使ってみた。350mLのアルミ缶に水を入れ、ホットは50度からコールドは10度から、1時間でどの程度変化するかを計測してみたので、グラフを参照してみてほしい。
ホットの場合約55度まで上昇し、コールドではだいたい5度まで下がっている。この日の車内温度22度だったので18度差だと4度なのでほぼスペックどおり。この後は使い続けても同じ温度をキープできるはず。十分実用的なことが分かる。
ちなみに消費電力だが、ホットで2A、コールドで2.5Aとそれほど大きくはない。バッテリーへの負担はあまり気にせず使える。
1時間使用してみた温度変化グラフ。ホットは50度からコールドは10度からの変化を見ている。計測時の車内温度は22度 |
ホットのほうは最高で約55度まで上昇するが、このあたりの温度では、缶を直接持つと「アチッ」っと思わず言ってしまうほどになる。コールドではうっすらと缶の周囲が結露していた。あまり暖め/冷え過ぎるときには、好みで適宜スイッチを中央にして切ってもよいだろう。ぬるくなってきたらまたONにすればよい。これよりも時間はかかるが、常温からでも暖めたり冷やしたりすることも不可能ではない。
使っていて残念に感じたのは、専用マグカップの作りが雑だったこと。飲み口にバリが残っていたり、表面に比べ内部の平面性がなく、汚れが取れにくかったりといった部分が気になった。食品を入れる容器だけにもう少し気を使ってほしかった。
これからの行楽ドライブに持って行けば、いつでも適温のドリンクで一服でき、渋滞時のイライラ解消に一役買いそうだ。コーヒー好きのドライバーは、多少暖かい時でもホットで飲みたくなるものなのだが、ホットドリンクは、春の早い時期に自販機からなくなってしまうこともある。そんな場面でも活躍しそうだ。
(村上俊一)
2012年 5月 25日