カーグッズ・ミニレビュー

ゴム部品などの接着と補修ができる補修材「SHOE GOO(シューグー)」

破れ個所のアップ。屋根の鉄部分が見えてしまっている。雨漏りはないがこの鉄部分とガラスが当たるのがやや心配

 クルマが古くなってくると、どうしても避けられないのがゴム部品の劣化だ。クルマはさまざまな個所にゴムが使われている。ゴムは経年変化によって硬化し、そこに無理な力が加わると亀裂が入ったり破断したりする。おおよそ10年を超えたあたりから、不具合が出てくるケースが多い。

 この愛車もすでに15年超えということもあり、ゴム部品に気になる部分が出てきてしまった。ウインドーとボディ部分の接触位置にあるウェザーストリップが少し切れてしまったのだ。ウェザーストリップは、常に風雨にさらされ、しかもウインドーが上下するたびに力が加わるため劣化は早く、古いクルマでは補修を余儀なくされるパーツの代表と言える。特にこのクルマはサッシュレスで金属のウインドー枠がなく、ウェザーストリップを通してガラスが屋根に直接触れる構造になっている。最近は少なくなったが、いわゆるハードトップタイプの構造だ。そのため、ドア開閉のたびに擦れる。

 ゴムパーツも動作や安全に支障があるなら即パーツ交換を考えるが、ウェザーストリップはそれほど緊急を要するワケでもない。現状では雨漏りを起こすほどではない。しかし、デコボコ道を走ると屋根がギシギシいっていて(オープンカーなのである程度は音がするのは仕方がない)、ウインドーとも擦れている状況を考えると、金属とガラスが直接擦れる状況が長く続くのはあまりよいことはないだろう。ドアの開け閉め時もガラスが金属に強く当たっていることになる。取り急ぎなんとか補修できないかと考えた。

 そこで選択したのが、今回のゴム補修材「SHOE GOO(シューグー)」だ。これは、ゴム素材の補修に適した硬化後も弾性のあるシール材。単にゴムのように硬化するだけでなく、素材どおしを接着することもできる。接着にはゴムのほか、木材、金属、ガラス、コンクリートにも利用できる。

 名前が示すように、本来は靴底のかかとなどが減った際に使う補修材なのだが、防水性もあることからクルマのゴム部品補修にも最適だ。しかも、硬化するとかなり強く、ちょっとやそっとで剥がれたりちぎれたりしない丈夫な素材だ。

「SHOE GOO」のパッケージ。アメリカ製であることをアピールしているハデなデザイン。製造・輸入元:国際技術貿易(価格:1438円)
「SHOE GOO」の内容物。チューブとアイスキャンディーのバーが2本。1つは両面がヤスリになっている
「SHOE GOO」は本来靴底の補修に使う製品だ。使い古しでお見苦しいが、このようにスニーカーなどの減った靴底に盛って延命させることができる

 実はHolts(武蔵ホルト)から「MOTOR GOO」という製品も販売されていて、こちらも中身は同じもの。色が「無色透明(クリア)」で容量が少ない。こちらはアクリル絵の具を混ぜたり、硬化後に着色することにより色を変えることができる。今回はパーツが黒なので「SHOE GOO」の「黒(ブラック)」を使ったが、色を調整したければ「MOTOR GOO」を選ぶとよいだろう。「SHOE GOO」の色は、「黒」のほか「白」と「自然色(ゴム色)」が用意されている。なお、「SHOE GOO S(スピード)」という製品もあるが、これは熱湯やヘアードライヤーで熱して硬化させるタイプなので、今回のような用途には合わない。

 ちなみに製品は米国製で「MADE IN USA」と書かれているが、充填は国内で行われているようだ。「SHOE GOO」は内容量100gで、「MOTOR GOO」は50gとなっている。

「MOTOR GOO」のパッケージには、金属チューブに入った製品のほか、アイスキャンディーのバーが2本入っていて、1つは塗るためのヘラとして使い、もう1つは表面がヤスリになっていて、これで削り接着面を荒らすことで付きやすくさせる。

 塗るとスグに硬化が始まり、薄く塗って数分もすると触れても指に付かなくなる。そのせいもあるのか、盛った部分の表面を美しく仕上げることはほぼできないと考えておいたほうがよい。形を整えようとして、何度もこねると波のようになってしまう。一度盛ったらあまり触らないようにすると、表面張力でなだらかにしあがる。ヘラに水を付けておくと、多少扱いやすくなる。

 つまり、見栄えを重視するなら極力見えない部分で補修するのがコツだ。破れの補修は可能なら裏側から盛るようにしたい。硬化した後であれば、余分な部分をカッターやハサミで切りそろえることで形を整えることができる。これを見越して、少し余分に盛っておき、後で削るという手法もある。

ウェザーストリップの破れ状況。ウインドーが当たる部分が見事に破れてしまった
付いて欲しくない部分をマスキングテープで保護。今回はあまり表部分から見えないようにしたいので、表側はギリギリでマスキング
不意にこぼれても大丈夫なように、下はカバーをしておくとベスト。生乾きで擦れば取れるが、念のためカバーしておく
接着する破れた口部分に付属のヤスリをかける。より接着力を高めるためだ
「SHOE GOO」を付属のヘラに適量だす。場所によってはチューブから接着面に直接出してもよい
まずは、破れた部分を合わせて接着する。接着は少し待って弾力が出てから合わせるとよい。1〜2分ほど指やテープで押さえておくとスグにある程度接着されて剥がれなくなる
その後、表面側を塗る。マスキングしてあるので、素早くざっくりと塗り広げる。強度を出すため少し厚めに塗った
数分経つと、もう触っても指に付かない程度には硬化する。つまり塗り広げるのは素早く行う必要がある。数回に分けて重ねてもOK
マスキングは硬化し過ぎると堅く取れなくなるので、塗って1分程度経ったらスグに剥がすと剥がしやすい。分離しなかったらカッターで切りながら剥がす

 厚塗りしなければ、10分も放置すると形状はほぼ固まってしまう。この固まるまでの間に動かすとシワになってしまうので注意が必要だ。その後、薄く塗った場合12時間で実用的な堅さになり、厚塗りでは24時間以上放置するとよいと解説されている。厚めに盛ると、硬化後に少しヤセて減ってしまうので、完成時を見越してより厚めに盛るか、数回に分けて盛っていく。今回は薄くシールのように使うので、このヤセの心配はあまり考える必要はない。

 マスキングをする場合、硬化してしまうと切れなくなるので、硬化が始まってやや柔らかい程度でスグに剥がすようにしたい。時間にすると1分以内というところだ。もしくは完全に堅くなってからカッターなどで切り離すこともできる。

今一歩美しくはならなかったが、破けた部分は接着されている。このまま24時間放置して硬化させることにする

 実際に補修してみると、やはり表面をキレイに塗るのは難しかったが、なるべく表面に出ないように塗ったので、遠目に見ればあまり気にならないと思われる。見栄えはともかく機能的にはまったく問題なく、24時間以上の硬化後はかなりシッカリとシールされている。わずかに弾性もあるので、ウェザーストリップの動きに追従しているようだ。とりあえず破れをこれ以上広がらせないことと、金属とガラスが擦れることを防止する目的では成功と言える。

 仕上がりは最初光沢感があるのだが、擦れていくと光沢がなくなってくるので、徐々に目立たなくなるのでないかと思う。使用していくうちに減ったり破れてくるようなことがあれば、さらに上塗りしていくことができる。

 あまり見栄えを気にしない、エンジンルーム内やショック近辺のゴム部品、ヘッドライトユニット裏の防水、エンブレム類の接着など、工夫次第でいろいろ応用が利きそうだ。もちろん、せっかくなので靴底修理にも使って欲しい。

24時間硬化後、窓を閉めてみた。しっかり接着したようで、ドアの開閉でも剥がれる気配はない。また減ってきたら塗り増しする予定だ

(村上俊一)