布タオルの拭き取りとは、異次元の吸水性 プラスセーヌ Rサイズ |
メーカー:アイオン 購入価格:819円 |
アイオン「プラスセーヌ」。色はブルーのほか、ピンクとイエローがある |
洗車をした後に、残った水を素早く拭き取ったほうがよいことは、車好きならなかば常識のハズ。拭き取らずに水が残ったまま乾いてしまうと、水道のカルキ成分やミネラル分により、白い輪のようなシミが(イオンデポジットとも呼ばれる)無数に残ってしまうのだ。また水滴のレンズ効果により、塗装を痛めることもある。とにかく手早く水を拭き取ることが肝心だ。
この洗車後の拭き取り作業に便利なのが、今回紹介するPVAスポンジ製品のアイオン「プラスセーヌ」だ。60μmという細かな気泡によって、水分を多量に含ませることができる。簡単に言えば、おそろしく吸水性に優れたタオルのようなものと考えてもらえばよいだろう。
プラスセーヌのパッケージ。保存は湿らせた状態で、このプラスチック容器に入れておく | 購入時点では乾燥しないようにビニールでパッケージされている |
プラスセーヌは、以下の3サイズで、それぞれイエロー、ブルー、ピンクが用意されている。
・Lサイズ:約690×430mm
・Rサイズ:約430×325mm
・Sサイズ:約430×225mm
大きいサイズを選べばその分一度にたくさん吸水させることができる。一般的なセダンであればSやRサイズで十分。ミニバン以上ならLサイズにすると絞る回数が少なくて済む。今回はRサイズのブルーを購入してみた。
なお余談だが、この製品は以前にカネボウから発売されていたのを知っている人もいるかも知れない。1999年からアイオンに化成品事業が譲渡されて販売されている。製品自体は、以前からあるものと同じものなので安心してほしい。製造も国内生産のままだ。
カネボウから発売されていた頃の旧パッケージとの比較。ほとんど同じだが、以前はケースに直接印刷されていた |
拭き取りで一般的なのは、乾いた布タオルだろう。もちろんタオルでも拭き取りは可能なのだが、いったん水を含んでしまうと極端に吸水性が落ちてしまうのが難点だ。水気を絞っても乾かさない限りあまり吸水性はよくならない。
プラスセーヌなら、絞ると含んだ水分がほとんど落ち、元の吸水性に戻る。そのため短時間でボディーを拭き上げることができるというメリットがあるのだ。また、PVAスポンジは別名「人工セーム皮」と呼ばれることもある柔らかな風合いも特徴だ。ボディーとの摩擦も小さく、拭き取りキズを減らす効果も期待できる。
ちょっと分かりにくいが、タオルで拭くと拭きムラがでやすい。表面が完全な乾燥状態にならないのだ | プラスセーヌで1度だけ拭いた状態。ほとんどの水分を吸収してくれる。拭きムラも見られない |
では実際に使ってみよう。拭き取り作業をする前に、洗車で汚れは完全に落としておく。プラスセーヌをケースから出したらいったん水に浸し、よく絞ってから始める。拭き取り時には、大きく広げてあまり力を入れず水分を包むように拭き上げる。水分が多い個所は、ムキにこすらずにかるく叩くように水を含ませるのがコツだ。
水分を含むと、全体がテロテロというかブヨブヨした感触になってくるので、その状態になったらよく絞って水気を切る。絞ると大量の水があふれ出てくるはずだ。この拭いて絞るという動作を繰り返して、拭き取り作業をする。拭きムラがほとんど残らないので、2度拭きが必要となることはないだろう。
汚れを拭きとる作業には向かないので、もし汚れている部分に遭遇したら洗い流すか、ぞうきんを使って汚れを取り除いたほうがいいだろう。もしプラスセーヌが汚れてしまった場合、ぬるま湯(熱湯は不可だ)に浸けてもみ洗いすると汚れが落ちやすい。漂白剤は性能を損なうので使ってはいけない。
洗車後の水滴が付いた状態 | プラスセーヌで拭き上げた状態。タオルなどで拭くより圧倒的に短い時間で作業終了 | 十分に水分に浸したRサイズのプラスセーヌを固く絞って水分量を図ってみた。おおよそ150ccという結果に |
拭き上げの作業が終わったら、弱めに絞ってケースに入れて保管する。干して乾かす必要がない点もメリットだ。完全に乾燥させてしまうと固くなり、元に戻すのにぬるま湯にしばらく浸けておかなくてはならなくなるので注意。もし乾燥させ固まってしまっても、元に戻せば性能は変わらないのでご安心を。これまでの経験上からも、劣化もほとんどなく、長期にわたって使える商品だ。
洗車でもっとも面倒なのが、最後の拭き上げの作業と言える。プラスセーヌを使えば、その時間を短縮してくれるのがありがたい。洗車好きなら持っておいてほしい一品だ。なお、プラスセーヌは洗車の拭き取り以外にも便利に使える。たとえば我が家では、洗面台や風呂場のタイルの水気取りに活躍してくれている。ほかにも水泳をした後の体の拭き取りに使っている友人もいる。布タオルの拭き取りとは、異次元の吸水性を活用してみてはいかがだろう。
(村上俊一)
2010年 7月 9日