生鮮食料品の買い物に便利なお手軽保冷バッグ
クールウェーブ 保冷ショッピングバッグ RDL-022
メーカー:サーモス
価格:オープンプライス(購入価格:1500円)

 

 クルマで生鮮食料品や冷凍食品を運ぶ際に便利なのが、保冷バッグだ。これまで活用していたのは、どこかにドライブに行ったとき、お土産を購入した際に包んでもらった保冷袋。よくあるアルミメタルシートでできた簡易的なものだ。これでもあるとないとでは大違いで、夏場の冷凍食品の買い物によく活用していた。ただ、いかんせん単なる袋なので、もう少しクルマで使いやすいバック型のタイプはないかと探していたところ見つけたのが、今回のサーモス「クールウェーブ保冷ショッピングバッグ RDL-022(以下クールウェーブ)」だ。

サーモス「クールウェーブ 保冷ショッピングバッグ RDL-022」。売価も1500円前後と安価なのがうれしいパッケージの状態

 クールウェーブは厚みのあるトートバッグ型をしていて、マチの部分を折りたたむと平らになるソフト素材の保冷バッグ。素材に厚みがあり小さく折りたたんでしまうことはちょっとできないが(柔らかい構造なので丸めて持つことはできる)、収納時にコンパクトになる点は大きなポイントだ。クーラーバックではキャンプ/釣り用などでもっと本格的なタイプもあるが、折りたためないため店内でじゃまだし重く持ち歩きは辛い。しかもそれなりの値段がする。その点クールウェーブは、折りたたむとトートバックそのものなので、クルマでの買い物時だけでなく徒歩での買い物でも違和感はまったくない。空の重量は400gほどと軽量。しかも比較的安価。日常使いができる買い物保冷バッグと言える。

 断熱構造は、「IsoTec(アイソテック)」と呼ぶポリエステル+ポリウレタン+発泡ポリエチレン+PEVA(ポリエチレンビニールアセテート)の4層構造になっている。外生地がポリエステルで布カバンのような風合い、内生地がPEVAで、ツルツルした厚手のビニールになっている。内側に多少水分がこぼれても、漏れにくく拭き取りやすい構造だ。丸洗いは不可で、汚れは布で拭き取る。

 購入時には、製造メーカーがサーモスであることにも注目した。サーモスは高真空ステンレス魔法瓶の老舗メーカーである。それだけに中途半端な断熱性能の製品は出さないだろうと思ったわけだ。製造は中国だが、ファスナーの持ち手にまでブランド名が付いていたり、縫い目の処理もキレイだったりと総じて品質はよい。あえて言えば、もう少し価格が上がってもよいので、耐久性のある厚みのある外生地にしてもらえると、より乱暴な日常使いにも耐えられそうだ。特に底面が補強されていると個人的にはベストだと思った。

マチは折りたたむとコンパクトになる。持ち運びがラクになる折りたたんだマチはホックでとめられるサーモスロゴのタグ付き。サーモスファンにはちょっとうれしいところ

 使ってみると、買い物用として大きさがほどよい。容量は約22Lと書かれているが、よくあるショッピングカゴに満載した品物がほぼ入る。2Lペットボトルの高さとほぼ同じで、これを8本入れることができる。仕様は39×20.5×31cm(幅×奥行き×高さ)になる。トートタイプなので、持ち手を肩掛けすることができ持ち運びしやすい。

 メインの収納部分以外にも、ファスナーの付いた大きめのポケットと、小物入れに使えるサイドポケットが用意されている。サイドポケットは携帯電話入れなどいろいろな用途に使えるが、折りたたみ傘を入れるのに便利そうだ。

 マチを広げると自立するので、クルマのトランクや座席上に置いても倒れにくい。使い終わったらたたんでしまえば、ほとんど場所をとらない。このあたりはクルマで使いやすいポイントだ。

 ちょっと残念だったのが、底部に板が入っていないので、重いモノを入れて持ち上げると下にふくらんでしまう。薄いプラ板でよいので付属していれば、ありがたかった。これは、手持ちの薄いプラ板を底面の大きさに合わせて切って自作することで対応することにした。

前部に大きめのファスナー付きポケットがある。保冷したくないモノを入れておける横にも小さなポケットがある内部はシルバーのビニール素材。2Lと1Lの紙パックを入れたところ
トランク内に置いてみたところ。多少の横揺れでも倒れにくい厚みがあるシート上での収まりも問題なし

 さて、どの程度の保冷力があるのかがもっとも気になるところだろう。そこで氷を使って簡単な実験をしてみた。クールウェーブに入れた氷と外部の氷で、トランク内に放置してどの程度で溶けてしまうかを比較してみる。実験時の天気は薄曇りで時々日差しがさす状況。気温はトランク内部で約28度。ビニールパックに入れた500mlの氷を1時間おいてみた。トランク内部の温度は30分後と1時間後に確認してみたが、あまり変化はない。クールウェーブ内の温度はおおよそ1~2度ほど低くなり、それが継続していた。クールウェーブには氷のみを入れた状態で、保冷剤は入れていない。

 実験中は終始曇り空で気温もさほど高くないので、1時間程度ではさほど差は出ないかと思ったが、意外にも見た目で分かるほどの差が出た、クールウェーブ内の氷はほとんど溶けていないのに、外部の氷は半分ほど溶けてしまっている。その後もう1時間、合計2時間まで置いてみたところ、外部の氷はほぼ溶けてなくなったが、クールウェーブ内の氷は半分程度は残っていた。この結果から見ても、確実に保温持続効果が認められる。保冷剤を入れておけば、さらに効果は増すだろう。

実験用に500mlの氷を入れたパックを2つ用意した写真のような状況にてトランク内で実験を行った。クールウェーブに入れた氷と外の氷を放置。撮影後トランクは閉めておいたが内部気温の変化はあまりなかった外気温、トランク内ともに実験中常時約28度。写真は30分放置後のトランク内で計測した温度
クールウェーブ内部の温度は氷を入れたため外気温より少し下がる。これも30分放置後の温度1時間放置した後の氷の状態。左がクールウェーブ内で右が外に置いた氷。あきらかにクールウェーブ内のほうが保存状態がよいさらに1時間、計2時間後の状態。右の外に置いた氷は完全に水になってしまったが、クールウェーブ内はまだ氷が残っている。効果は十分感じられる

 今回は保冷のことばかり考えて購入したが、よく考えるとこれはエコバッグでもあり、買物ビニール袋の消費を抑えることに貢献できる。最近では買物袋は別料金提供のショップも増えてきている。トランク内に常備しておき、エコに貢献しつつ、快適な生鮮食料品の買い出しドライブに活用していきたいと思う。少し遠方への生モノ買いだしにも対応できると思われる。

(村上俊一)
2011年 6月 24日

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