ノイズキャンセリング付き低価格ハンズフリー機器
Bluetoothイヤホンマイク4「BL-2」
メーカー:カシムラ
価格:オープンプライス(購入価格:2180円)

 

 運転中の携帯電話の使用は道路交通法によって禁止されているのはご存じのことと思う。警察庁はこの道交法の改正前に「『道路交通法改正試案』に対して寄せられた主な御意見及びこれに対する警察庁の考え方について」(http://www.npa.go.jp/comment/result/koutsuukikaku2/kekka.pdf、PDF)という文書を出しており、そこでは「携帯電話等を手で持って通話したり、電子メール送受信等のため携帯電話等を手で持って画面を注視する行為自体に対して、罰則の対象とするもの」としている。また、「自動車等の運転中に、ハンズフリー装置を用いて携帯電話等を使用する行為については、携帯電話等を手で持つことなく通話ができるため運転操作の安定性等が異なることから、現段階で携帯電話等を手で保持する場合と同様の規制対象とするまでの必要性はないと考えています」との考え方を示している。

 この文書中では、今後の事故発生状況を踏まえて慎重に(法律の改正を)検討するとしており、現時点では携帯電話にハンズフリー機器を接続して使用することは明確な違反とならないものの、事故発生状況によっては今後どうなるか分からない状況であることを、ハンズフリー機器を紹介するにあたって記しておく。

Bluetooth対応のハンズフリー機器、カシムラ Bluetoothイヤホンマイク4「BL-2」のパッケージ

 さて、前置きが長くなってしまったが、運転中に携帯電話の着信に対応するためには、なんらかのハンズフリー機器が必要になっている。ハンズフリー機器の中でも特に便利なのが、Bluetooth対応の機器だ。Bluetoothは2.4GHzの周波数を使い、無線でデータ通信をする規格で、携帯電話、ハンズフリー機器の双方が対応していれば、無線接続により音声などのデータのやり取りができる。このBluetooth機能は最近の携帯電話の多くで標準搭載されており、特にスマートフォンではほとんどの機種が搭載している。

 Bluetoothのハンズフリー機器では、初回に接続認証(ペアリング)さえしておけば、あとはハンズフリー機器側を電波の圏内で電源を入れるだけで通話ができるようになる。携帯電話は一般的なカバンの中などに入れておいてもOK。乗車したらハンズフリー機器の電源を入れて、耳に装着するという作業だけで済むようになり、かなり便利だ。


BL-2には本体以外に、充電用のUSBケーブルとシガーソケット接続のUSBアダプターがセットになっている

 ケーブル接続タイプのハンズフリー機器なら数100円からあるが、最近Bluetooth対応のハンズフリー機器も安価になったことから、携帯電話が対応しているのであればワイヤレスで接続できるBluetooth対応製品のほうが便利だろう。今回は、カシムラのBluetoothイヤホンマイク4「BL-2」を紹介する。

 実は愛車では、カーナビにBluetoothアダプターをすでに装備しており、Bluetooth対応の携帯電話を接続したハンズフリー環境は構築できている。ただ、接続自体は可能な状態なのだが、実際には接続可能機種が限定されていて、クルマに乗るときには対応する携帯電話にSIMを入れ替えて使うという状態だった。

 カーナビによるBluetooth接続環境ではイヤホンを装着したり充電したりする必要もないので便利なのだが、もっと手軽に最新携帯電話に対応させたいというのが、今回の個人的な狙いだ。

 ちょっと探してみると、Bluetoothハンズフリー機器は実に多くの機種が販売されている。カシムラのBL-2を選んだのは、たまたま近所のカーショップで特売されていたからというのが大きな理由だが、ノイズキャンセラーが搭載されていることと、耳にかけるワイヤーが付いている点が気に入った。

 Bluetooth仕様はVer.2.1+EDRに、プロファイルはHSP(ヘッドセット)、HFP(ハンズフリー)、A2DP(アドバンスド・オーディオ・ディストリビューション)に対応する。

 なお、BL-2は複数の携帯電話のペアリングを登録しておくことはできるが、接続して使えるのは1台だけになる。複数の携帯電話で同時に接続待ち受けはできない。

BL-2本体。受話や電源のON/OFFなどを兼ねた操作ボタンや、音量ボタンなどが配置されている本体のイヤホンとマイク側。耳かけフックは外すことができる

 BL-2には、充電用のシガーソケット接続USBアダプターがセットになっている。多くの場合、本体以外の付属品はなく、パソコンなどのUSB接続で充電するようになっている。BL-2もUSB接続で充電することは同じだが、車内で充電が必要になった際に、シガーソケットからUSBアダプター経由で充電できる点がありがたい。充電中には使用できないので微妙な使用感ではあるが、バッテリーが切れた際に車内で充電できる配慮があるのはうれしいところ。室内ではパソコンのUSBポートなどを活用して充電して準備しておく。充電に必要な時間は2時間で、待ち受けなら最大で150時間まで、連続使用で4時間使える。

シガーソケット接続のUSBアダプターがあるので、車内で充電可能。ただし充電中は使用不可動作状態はLEDが赤や青の点滅で分かるようになっている。充電中は赤く点灯し、Bluetooth接続使用中は青で点滅、ペアリング待機は赤と青の点滅など

 実際に、携帯電話とのペアリングをしてみよう。接続に正式対応している機種はカシムラのWebサイトで公開されている(http://www.kashimura.com/tekigo/bluetooth.pdf、PDF)ので、購入前に確認しておくとよい。BL-2の電源OFF状態から電源スイッチを長押しして、LEDが赤と青の交互点滅になったらペアリング待機状態になった合図となる。あとは携帯電話側からBluetooth検索し接続すればOK。

 今回接続に使用したのは、NTTドコモのAndroidスマートフォン「Galaxy S」だが、特に迷うことなく接続できた。ほかにWindows Mobile 6.5やWindows Phoneなども試してみたが、これらも問題なく接続できた。今回実際には試せなかったが、iPhoneにも対応している。機種によっては、初回認証時にパスキー入力を求められるが、この場合のみ「0000」を入力すればよい。通常は接続先の「BL-2」を選択するだけで完了する。主要なモデルに関しては取扱説明書に手順も含めて解説されているので、迷うことはないだろう。

 1度ペアリングを済ませておけば、あとは双方の電源が入っていて(携帯電話のBluetoothをONにする)電波の圏内にあれば自動接続され、「ピピッ」と電子音で確認できる。接続時にはLEDが青くゆっくり点滅する。

BL-2の電源ボタンを長押ししてペアリング待機状態にしておく。「設定」から「無線とネットワーク」の「Bluetooth設定」を選ぶ「Bluetooth」にチェックを入れてONにする。「BL-2」が検索されてリストに表示される
「BL-2」を選ぶと、承認確認画面表示後に接続される。これでペアリングは完了。Btuetoothアイコンが接続状態に変わるペアリングするとBluetooth携帯電話と無線でつながって、ハンズフリーマイクとして動作するようになる

 BL-2は左耳用(付け替えで右耳にも対応)に耳かけフックが付いていて本体も軽い(9g、耳掛けフックを除く)ため、装着してしまえば多少激しく動いてもズレる心配はまずない。イヤホン部分は耳穴に入れるのだが、カナルタイプほどの密着感はなく、周囲の音も十分に聞こえてくる。そのため、しばらくすると付けていることを忘れてしまうほど装着感はよい。約2時間連続して装着してみたが、耳が痛くなることはなかった。

 Bluetoothでの無線到達距離はスペック上10mとあるが、使用した感じでは車内に携帯電話を置いて車外に出て少し離れると、ノイズが入り会話が途切れがちになる。携帯電話を車内に置いて運転席で使う距離では途切れるようなことはないので、使用上問題になることはないだろう。

 電話がかかってくると、イヤホンから呼び出し音がするので、電源(受話)スイッチを1回押すと受けることができる。再度押せば通話が切れる。着信拒否したい場合には、電源スイッチを長押しすればよい。リダイヤルは電源スイッチを2回連続押しだ。発信はBL-2からできないので携帯電話側にて操作する。操作がシンプルなのはうれしいところだ。

BL-2の耳への装着例。耳かけフックにより外れにくい仕組み。マイクは先端内側に付いている電話を受ける場合には、電源スイッチを1回押す

 クルマを運転中に実際に使用した際は、BL-2からの音声は周囲のノイズをほどよく抑えていて、相手側からはクリアで聞き取りやすいと終始好評だった。小型のヘッドセットでは口元から離れるため周囲の騒音をよく拾ってしまい、車内では使い物にならないことも少なくない。その点BL-2はノイズキャンセラーのおかげか、騒音を心配する必要はなさそうだ。

 愛車がオープンカーなのでオープン状態のときにも使用してみたが、一般道を制限速度で流す程度ではわずかに風の音は入るが会話にはまったく影響がなかった。周囲に大きな音がするクルマ(トラックやバイクなど)が来ても、大きな音として聞こえはするが会話を遮るほどではない様子。逆にこちら側が無意識に大声を出してしまうトンネル内などで騒音の多い状況でも、相手側には声が明瞭に聞こえているようだ。

 また、車内を密閉状態にしてカーオーディオをかけているときも、通常車内BGMとして聞くような音量なら声が聞き取れなくなることがなかった。もちろん高速道路での走行時もクローズド状態では問題はなかった。

 BL-2は、予想以上に外部の騒音に強く、過酷な状況でも使える印象。ノイズキャンセラーの効果なのか、マイクが最適化されているのかは分からないが、いずれにせよ走行中の車内で使用するにはお勧めできる耐ノイズ性能と言える。

 BL-2の受信音は、ボリュームを最大にしてもやや小さめの印象。無音時にわずかなホワイトノイズは感じられたが、聞き取りにくいことはなかった。使用中にバッテリーが減ってくると、LEDが赤い点滅になり、イヤホンから「ピーピーピー」と聞こえてくる。

オープンカーでの使用でも周囲のノイズに埋もれることなく会話できたのは驚きBluetooth搭載のパソコンとも接続してみた。画面はMacOS Xのもの。ヘッドセットとして認証されている

 なお、BL-2ではステレオでワンセグや音楽の音を再生することもできる。Bluetooth搭載パソコンと接続し、ヘッドセットやイヤフォンとして使用することも可能だ。その際にはBL-2の充電用ミニジャックにステレオイヤホンを接続して利用することも可能だ。ただし、この場合は両耳がふさがってしまうので、運転時には使用しないように。

 音質は無音時に微妙なホワイトノイズが乗るが、十分にハイファイな音を楽しめる。ちなみにこの接続状態でも本体側のイヤホンからも音が出るので、静かな公共の場所での使用は避けたい。音漏れに十分注意して使いたい。

 特売とはいえ低価格なBluetooth機器で、ここまでしっかりと活用できれば文句はない。車の中だけでなく、しばらくはスマートフォンとのセットで日常的に活用してみようと思う。


(村上俊一)
2011年 8月 26日

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