「WINTER MAXX」に新ラインアップ追加!!

従来モデルのDSX-2から大幅に進化した乗用車向けスタッドレスタイヤの「WINTER MAXX」

 今年も冬タイヤの季節がやってきましたヨ!! ってなわけでダンロップの断トツNo.1冬タイヤこと「WINTER MAXX(ウインターマックス)」の試走会に行ってきました〜♪ 何でも「WINTER MAXX」シリーズに新ラインアップが加わったとのことなので、それらを試すべく北海道のテストコースに!!

 ご存知「WINTER MAXX」は、従来の冬タイヤ「DSX-2」と比べて、氷上でのブレーキ性能が11%アップ、濡れた路面でのブレーキ性能が15%アップ、さらにライフ性能が48%もアップしたスタッドレスタイヤですな。各種性能向上が2ケタ台ってスゴくないですか?

 実際スゴくて、従来の冬タイヤと走り比べると「明らかに違う!!」と性能差を体感できてビックリです。真冬の道をより安全に走れるようになるのはホントにありがたいことです。さらに「これならもう雪道や氷結路を怖がって過度に緊張しなくてすむ」「真冬の道でも愉快に走れる♪」という楽しさも。

氷上ブレーキ性能はDSX-2と比較して11%アップ
サイプをより細かくいれることでエッジ成分を22%アップ。ひっかき効果で制動力をアップする   スーパーコンピュータを使ったシミュレーション技術によってナノ領域での柔軟性をアップしたゴムを採用
DSX-2と比べライフ性能は48%もアップ。写真は1万3000km走行時の摩耗状態   あらゆる性能で進化を遂げたWINTER MAXX
SUV向けのスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX SJ8」 今年新登場になった商用バン向けスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX SV01」

 そんな「WINTER MAXX」の新ラインアップとして、「WINTER MAXX SV01」が加わり、3つのラインアップが揃いました。具体的には、登場以来人気継続中の乗用車用ハイスペックスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX」が、まずひとつ。それに加え、昨年登場したSUV用「WINTER MAXX SJ8」と、商用バンなどライトトラックと呼ばれるクルマ用に今年新たに登場した「WINTER MAXX SV01」。「WINTER MAXX」シリーズは非常に幅広い車種をカバーしたわけですな。

 今回の試走会では、これら3ラインアップ全ての「WINTER MAXX」シリーズを試すことができました。ので、実際「WINTER MAXX」シリーズで走ってみてどうなのよ? 的なことを以下ざっくばらんに書いてみたいと思います。


やっぱりイイなぁ〜「WINTER MAXX」

 まずは乗用車用「WINTER MAXX」。発売後2年以上経過するので、既にこの冬タイヤの性能を実感されている方は多いと思います。また、ワタクシとしても「WINTER MAXX」で何度も試走しているので、もうその性能や走り心地は十分わかっているつもり……で、いたんですけど、今回ちょ〜っとまた違う印象を得ました。

 というのは、いろいろな車種で走り比べたり、「WINTER MAXX SJ8」や「WINTER MAXX SV01」など別ラインアップのタイヤと比較してみると、気づくことがあるんです。「あ〜なるほど、こんな部分までも性能UPなのか」的な発見ですな。

 乗用車用「WINTER MAXX」は、ホントに「滑る気がしないタイヤ」です。降りたての雪道、圧雪路、氷結路、解け始めの氷結路、雨の日の路面など、どんなコンディションでも安心感のあるグリップ力を発揮してくれる感じ。またドライ路面でもイイ感じで、「冬タイヤだから安定感に欠ける」「冬タイヤだから車体がフラつきやすい」ということが非常に少ないです。

 で、今回、乗用車用「WINTER MAXX」をトヨタ「プリウス」とフォルクスワーゲン「ゴルフ」に装着して走りました。ワタクシ的な印象としては、プリウスはエコで快適な乗用車、ゴルフはけっこースポーティにも走れる足元シッカリ指向の乗用車、てな感じ。実際に走ったときの印象がかなり異なるクルマです。

 そんな2種のクルマに乗用車用「WINTER MAXX」を装着して走ると……、総じて「あ〜こういう部分までよくデキてるんだな〜」と感じます。乗用車用「WINTER MAXX」の秘めた実力的なものが見えてくる感じ。

 例えば、乗用車用「WINTER MAXX」は乗り心地がかなりイイです。雪道や氷結路を走ったときの「シッカリ感」「グリップ感」はバッチリあるんですけど、実は路上の凹凸からくる振動をソコソコ吸収してくれて、走り疲れしにくいんですな。

 また、静粛性にも優れていると感じられます。雪道や氷結路なんかを走ればある程度ロードノイズがありますが、ドライ路面を走ると冬タイヤで走っていることを忘れさせるくらい快適。「よくできた冬タイヤなんだな〜」と改めて思わされます。

WINTER MAXXを装着したゴルフやプリウスで市街地を走行。轍の深い積雪路や雪が解けたアスファルトの上を走ると、さすがは乗用車用だけはあって、乗り心地や静粛性の良さが目立ちますな

 それぞれのクルマで走った感じをもう少し詳しく書きますと、プリウスだと非常にリラックスして走れますな。通常はソフトに加速して快適な走行ができるプリウス。ハンドリングもわりとマイルドですよね。そこに乗用車用「WINTER MAXX」の安心感と乗り心地が加わると、雪道や氷結路を走っていても、そこが滑りやすい路面であることをつい忘れがち。真冬でも安心&愉快にエコドライブできるという感じです。

北海道でもよく見かけるプリウス。FFだけど坂道でもガシガシ登っていくし、なんか、とてもフツーに走れちゃいますな

 ゴルフだとまた違います。ワタクシ的印象ですと、ゴルフは「路面の様子がハンドルなどを通して逐一伝わってくる」という走行感。いわゆる「インフォメーション」が豊富なクルマですな。車体の剛性感もありますので、緻密な走りができるクルマだと思いますが、フツーの冬タイヤを履いちゃうとそういう特色が削がれちゃいますよね。「タイヤがフニャフニャだから路面状況がイマイチわかんなくて怖い」と思うかもしれません。

 でも、ゴルフに乗用車用「WINTER MAXX」を履かせると、タイヤが路面状況をよく伝えてくれるように感じます。タイヤの剛性感とグリップ力があるので、路面から伝わる情報を削がないのでしょう。現在走っているのが圧雪路なのか積もりたての雪道なのか即わかりますし、氷結路なら路面の凍り具合や解け具合もわかったりします。「冬タイヤでもこんなにインフォメーションが多いんだ〜!!」などと、乗用車用「WINTER MAXX」の性能の高さが新たに見つかりますな♪

下り坂のカーブでもしっかりグリップするので安心。とくにゴルフは、なんというかタイヤからの情報がよく伝わってくるので、まだ大丈夫っていう感じがしっかりとわかってより安心して走れる気がします。やっぱり欧州車って違うんですね

 既に知っていたつもりの乗用車用「WINTER MAXX」。でもいろいろな角度・観点から体感してみると、良さが次々と見つかる乗用車用「WINTER MAXX」でした。ホント、よ〜くできてる冬タイヤだな〜と思った次第です。

アスファルトや圧雪とさまざまな路面で安定した走りを見せてくれるWINTER MAXX。乗り心地や静粛性も◎

雪道のSUVでも足元シッカリ、乗り心地も◎

 次に試したのはSUV用スタッドレス「WINTER MAXX SJ8」です。従来品の「GRANDTREK SJ7」と比べ、「WINTER MAXX SJ8」は氷上ブレーキ性能で11%、ライフ性能で7%向上しているそうです。総じて車重のあるSUVですが、そういうクルマで冬タイヤを使うと……、想像としては、やっぱり車重ゆえ圧雪路や氷結路では当然滑りやすいんでしょうし、車重も車高もあるSUVゆえコーナーなどでは車体が左右に揺れがちだったり後輪が滑りやすかったりするんでしょう。

SUV用の「WINTER MAXX SJ8」でも、ナノレベルで氷に密着するナノフィットゴムを採用   従来モデルのグラントレックSJ7と比較し、サイプを増やしてエッジ成分を9%アップ
氷上ブレーキ性能では従来モデルより11%も進化   ライフ性能も8%向上している
SJ8ではパターン全体の剛性をアップすることで、重く、重心も高いSUVでもハンドリング時のふらつきを軽減。従来モデルと比べ12%高い操縦安定性を向上している

 SUV用「WINTER MAXX SJ8」を試したクルマは、日産「エクストレイル」とアウディ「Q5」です。さて、どんな印象になるんでしょう?

 まず、意外だったのは足元のシッカリ感。重いクルマに大きく柔らかめの冬タイヤとなると、ふわふわしたような走りになるのでは? と予想していましたが、シッカリ踏ん張って安定感のある走りをしてくれます。エクストレイルとQ5ではもちろん乗り味が違うわけですが、足元の不安感の無さというのは共通しています。

 また、この「足元シッカリ感」はドライ路面での走行感もよくしているように感じます。たとえば、フツー的な冬タイヤにありがちな「重いクルマが冬タイヤを履いているとやっぱりヨレがち」みたいなコトは感じられませんでした。なるほど「WINTER MAXX SJ8」、SUV用を謳うだけのことはあります。

 もうひとつ、乗り心地のよさ。足元がシッカリしているから、タイヤが硬くて路面の突き上げなんかも強めな気がしますが、そんなことはなく、不快な振動やロードノイズが少ないんですな。こういう静粛性や乗り心地については、乗用車用「WINTER MAXX」に負けないレベルの良さがあると感じられます。

 そして、肝心の「冬タイヤとしての性能」ですが、これはバッチリです。けっこー重いクルマを、ソコソコの速度で、圧雪路や半氷結路、ドライ路面を走りましたが、しっかりとグリップしてくれて、ブレーキングも危なげなし。普通の感覚で走っていれば「雪路走行で緊張して疲れる」というようなことはナイと思います。

 あと、「WINTER MAXX」シリーズ全般に言えることですが、滑らずグッと止まり、そこそこの高速走行でも安定するので、結果、ヒヤッとするようなことが非常に少ないんですな。なので、かな〜りリラックスして真冬の道を走りまくれます。ヘンに緊張したりしないので、肩が凝るとか目が疲れるということも少なく、ラクに楽しみながら走れるあたり、「WINTER MAXX」シリーズ共通の魅力ですネ♪

WINTER MAXX SJ8を装着したQ5とエクストレイルに試乗。アスファルトの上を走ってもしっかり感があるし、静粛性や乗り心地も乗用車用WINTER MAXXに負けていない感じ

 若干余談ですが、アウディ「Q5」にSUV用「WINTER MAXX SJ8」を装着して試走したとき、ハンドルのシッカリ感や、ステアリングの追従性の高さが感じられました。フォルクスワーゲン「ゴルフ」にちょっと似た感触。そういう感触から何となく欧州車好きドライバーの気持ちがわかった気がします。操縦感や乗り心地について、過度に「コンフォート」に振りすぎず、ドライバーに伝わる「インフォメーション」に重きを置いているようなイメージです。イイですね、欧州車♪

 そういう欧州車で「WINTER MAXX」シリーズを使うと、タイヤの良さがよりよくわかる気もしました。「今しっかりグリップしている」「少し滑り始めた……けどグリップを取り戻した」ということがハッキリとわかるからです。そういうコトがわかると、要は「雪道走行の限度」が掴めて、安全さを確信して走れると実感しました。「WINTER MAXX」シリーズのような高性能冬タイヤを使うと、クルマが本来持つ良さもしっかり現れるんだなあ、とも思いました。

SUVと言えどもQ5の走りはとてもしっかりしていて、ゴルフと同様にこうしたタイヤのレビューには向いてますな。違いがよくわかります
WINTER MAXX同様に安定した走りと快適な乗り心地のWINTER MAXX SJ8

商用バンで雪上&氷上スラローム走行!!

 最後に商用バンに冬タイヤを装着して試走してみました。タイヤは従来品「DSV-01」と、新型「WINTER MAXX SV01」を比較。クルマはトヨタ「ハイエース」、しかも500kgの重りを搭載!! です。

 ちなみに、商用バンというのは、たとえば宅配便のクルマのように、後部を乗用ではなく荷物積載用途を想定して作られたクルマですな。最大積載量が乗用車よりも重くなるので、その分サスペンションなども固くなって、たくさん荷物を積んでも大丈夫なようになっています。当然タイヤもライトトラック用と呼ばれるより重い荷重に耐えられるものが使われます。上記2種類のタイヤも、そういう特殊な使われ方を想定したタイヤなんですな。

他のWINTER MAXXシリーズ同様にナノフィットゴムの採用で路面にフィット
走行中にもっとも長く接地するセンター部分のパターンを見直し、従来モデルのDSV-01と比べてエッジ成分を17%アップ
トレッドの接地幅を広げて接地面積を従来品より19%向上
ゴムやトレッドパターン、エッジ成分の増加により、氷上ブレーキ性能は14%もアップ
接地幅が広がることでステアリングに対する応答性が向上
あらゆる性能が進化したSV01。中でもロングライフ性能は55%もアップ!!

 さて、ハイエースでの試走は、雪上のスラローム走行、氷上急ブレーキ、氷上スラローム走行というメニューです。500kgの重りを乗せ、さらに巨漢ドライバー(ワタクシ)と巨漢助手で合計約180kgくらい。700kg弱の荷物を載せたハイエースで雪上とか氷上とかをスラローム走行して大丈夫なんでしょうか? わりとマジで不安です。

ハイエースで新製品の「WINTER MAXX SV01」と従来モデルのDSV-01を比較試乗   ダンロップのテストコース内で雪上スラローム、氷上ブレーキ、氷上スラロームを乗り比べ

 しかし結果は予想以上のもの。つまり、少々無理しても「大して滑らない」という感じになりました。以下、2種のタイヤを比べつつの結果を書いてみます。

 まず雪上スラローム走行ですが、従来品「DSV-01」でもフツーに滑らない感じです。ただし、少し無理をしてスラローム中にアクセルを踏みすぎたりすると、リアタイヤが滑り出しますな。そこでアクセルを離せばリアタイヤがグリップを取り戻します。ステアリングへの追従感も十分良好なので、従来品「DSV-01」は実用的だし安心感もあるライトトラック用冬タイヤだと感じました。

 一方、新型「WINTER MAXX SV01」だと、スラローム中に「明らかにリアタイヤの滑り方が少ない」と感じられました。またステアリングへの追従性がさらに高くなり、よりきめ細かな操舵ができるようになったと感じられます。いわゆる「インフォメーション」も増えたんだと思います。クルマをより緻密に運転できるようになるので、安心感も高まりますな。

 氷上での急ブレーキですが、ハイエースに何百kgもの荷物を積んでの氷上ブレーキとかまったく未経験なので、両タイヤによる急制動の違いは、イマイチよくわかりませんでした。しかし、ABSの「効き方」に明らかな違いがありました。

 氷上急ブレーキ、従来品「DSV-01」だとABSが「ガッ…ガッ……ガッ……」みたいな感じで効いて、安定していない感じです。タイヤが滑っている時間が長いんでしょう。一方、新型「WINTER MAXX SV01」だと、ABSが「ガッガッガッガッガッガッ」という感じで効いて、安定的な効果があるようです。よりよくグリップする新型「WINTER MAXX SV01」なので、ABSの介入も頻繁ということなのだと思います。ABSが効果的に機能するタイヤ、なかなか安心感があってイイですネ♪

 最後の氷上スラロームですが、これも明らかな違いがありました。どちらのタイヤでも「少々無理めに走行してみた」のですが、結果、同様に滑り出してスピンしかかったりしました。ですが、新型「WINTER MAXX SV01」のほうが、滑り出した後により早く立て直せるのです。「あっ滑り始めた」と思ってすぐにハンドルなどを操作すると、わりとすぐ立て直せます。「ヒヤッ」とした後に「あわわわ〜、た、立て直せ……た〜」みたいに慌てず、「ヒヤッ」のすぐ後に「よし立て直した」となる感じで、これもたいへん大きな安心感につながります。

 総合すると、やはり新型「WINTER MAXX SV01」のほうがより高性能でより安全な商用バン用冬タイヤだと言えます。商用バンはたくさんの荷物を積みますので、総重量もかなり重くなります。重〜いクルマだけに、雪上や氷上でのスリップは深刻な事故にもつながりますので、ぜひ新型「WINTER MAXX SV01」を装着して安全性をグッと高めて欲しいですな。

 てな感じの「WINTER MAXX」シリーズ。セダンに軽カー、ステーションワゴンにコンパクトカーにミニバン、さらにSUV各種、そして商用バンでも使えるようにラインアップが増えました。ので、まだ「WINTER MAXX」シリーズ未体験の方は、今年からゼヒ!! 冬タイヤに対するイメージがガラリと変わりますヨ♪


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