西川善司が、実走ロケで大胆発言! カーナビに必要な表示情報は、これだけでOK 常にドライバーの視野内で安定表示 パナソニック ストラーダ フロントインフォディスプレイ
西川善司が、実走ロケで大胆発言! カーナビに必要な表示情報は、これだけでOK 常にドライバーの視野内で安定表示 パナソニック ストラーダ フロントインフォディスプレイ

カーナビ用フロントインフォディスプレイ(FID)の「CY-DF100D」はパナソニックのカーナビ「ストラーダ」R300/R500シリーズ用オプションとして提供されるものだ。このFIDはパナソニック用語であり、一般用語的にはHUDということになる。

HUDとはHead Up Displayの略で、現実視界にオーバーレイさせて情報や図形、あるいは映像を表示するシステムのこと。

前編では、このHUDとストラーダR300/R500シリーズと組み合わせたときの恩恵や、なぜオンダッシュとしたのかといった哲学的な話題までをお届けしたが、後編となる今回は、このストラーダR300にCY-DF100Dを組み合わせたデモカーに乗っての試乗体験レポートをお届けする。

FIDを横浜で使ってみた!

明るく見やすい表示。逆光時にも問題なし!

駐車場で目的地をセット。首都高の大黒ふ頭PAに立ち寄りつつ、横浜市内界隈をドライブするルートを設定。これは高速道路上での案内と、交差点が複雑な都市内一般道での案内を確かめるため。

デモカーはプリウスα。国民的ハイブリッドカー、プリウスベースのミニバンだ。

まず、駐車場からデモカーに乗り込んだ直後は、ポリカーボネート製のコンバイナ(透明スクリーン)に意識が行き、運転中の視界の邪魔にならないのかな…とちょっと心配したのだが、いざ走り出してみるとこれが完全に杞憂と知る。

FIDを試したのは、プリウスα

逆光ぎみでもFID画面ははっきり見えている

運転中の目線はフロントガラス中央付近にやることになり、透明スクリーンは視界下部にオーバーレイする感じで見える。赤信号停車時に前に停車している一般車のナンバープレートが見える位置くらいのイメージであり、視界の邪魔とは感じない。

そして、プロジェクションユニット(プロジェクタ)はダッシュボードの運転者よりに設置されるので、視界に掛かりもしない。視界とは何の関わりも持たない位置にあるので気にならないのだ。

走り始めて次に気が付かされたのは、スクリーン上に映し出される表示の明るさ。「透明スクリーンに液晶プロジェクタから映し出される」というイメージからすると、日中の明るさに耐えうるのか…と心配される人も多いと思うが、ほとんど直視型ディスプレイと変わらない表示として視覚される。

FIDは運転者の視界をまったく邪魔しない

斜め上からの陽光がカーナビ画面に差し込んでカーナビ画面が白く光って見にくい…という経験をしたことがある人もいると思う。これは陽光がカーナビ画面上で拡散して、その拡散光がカーナビ画面の明るさよりも明るいためにそう見えてしまう。CY-DF100Dの場合、ユーザーは映像投射元の液晶プロジェクタから投射された鏡像(直接の反射光)を見ているので、そうした現象が起こりにくい。もし、そうした現象を起きるとしたら、液晶プロジェクタの位置付近から投射方向に陽光が差し込んだときか。これは車が空を飛ばない限りはそんな状況は起こりにくいので、普段の走行でCY-DF100Dの表示が見にくくなることはほとんどないのだ。

実際、今回のテストドライブの最中、完全な正面からの逆光状態の局面もあったのだが、上で述べたように、その逆光の陽光は、鏡像表示には影響をほとんど及ぼさないため、ちゃんとCY-DF100Dの表示は見え続けたのだ。

CY-DF100Dによる案内は無駄なアクションを減らし、安全運転へと繋がっていく

前編でも述べているが、基本的にCY-DF100D上の表示自体はシンプルだ。地図画面がそのまま表示されるのではなく、「アイコン」的なものか、あるいは文字情報が主体となっている。喩えるならば道路標識的な感じで、眼で捉えたら一瞬で理解できるような感じになっているのだ。

一般道走行中、ルート案内中であれば、交差点に近づけば車線アイコン表示を行ってくれて、どの路線を走行すべきかをオレンジ色の点滅で教えてくれる。都心部の一般道は突然の右折専用車線やら左折専用車線まであったりするので、こうした情報はありがたい。

注目すべき情報は、オレンジ色で点滅したときに見ればよい

「そうした走行車線情報は普通のカーナビ画面にも表示されるではないか」という指摘はあるだろうが、普通のカーナビの場合、「○○車線にお進み下さい」といった音声案内があってからカーナビ画面を見るか、あるいは「そろそろ交差点が近いな」と意識したときにカーナビ画面をみて車線情報を確認する。そして現実世界の視界と今見て覚えた走行車線情報を照らし合わせて車線の選択をする。なお、カーナビ画面を見るときには首をカーナビの方向に傾けてから、車内に目の焦点を合わせる動作も必要になる。

CY-DF100Dでも、「まもなく右方向です」という音声案内が行われたときにスクリーンに目をやるわけだが、この時、首を傾ける必要は無く、目線を数度下に傾けるだけでいいのだ。目の焦点は、確かにそれまで進行先を見ていたときよりは近い位置…スクリーン上に焦点を調整する必要はあるのだが、その位置は車外のワイパーがある辺りでOK。眼の焦点の遠近操作の度合いも少なくて済むし、視線を上げずに自然に下げて見られるため、目線を下に向けるのは楽。疲れにくい。

視線移動と焦点調整がほとんど必要ない

「スクリーンが車内にあるのだから眼の焦点は車内に合わせる必要があるのでは?」と思う人もいるだろう。しかし、これについては前編でも述べたように、CY-DF100Dでは、スクリーン上に結像した映像を見るのではなく、スクリーン内に映り込んでいるプロジェクタからの鏡像を見ることになるので、プロジェクタからスクリーンまでの投射距離の向こう側…すなわち車外にあるイメージとなるのだ。しかも、スクリーンは湾曲しているのでスクリーンサイズ以上に大きく見えるので、小さいと言うこともない。

まとめると、CY-DF100Dを使ったカーナビ活用スタイルでは、首振りアクションが省略でき、目の焦点合わせ幅も少なくて済むわけで、「進行先を見る」という安全運転に不可欠な動作中断時間を、一般的なカーナビよりも短くできるということだ。逆に言えばCY-DF100Dを使ったカーナビ活用スタイルの方が普通のカーナビの活用スタイルよりも安全というわけである。

ひとたびルートをセットしてしまえば、カーナビ本体画面をまったく見ずに目的地に着ける

ちなみに、この走行車線案内は、ルート案内中でなくとも表示される。ルート案内中でない時は、もちろん音声ガイドもオレンジ色の点滅表示による走行車線案内もないが、運転中、前方を見ているときにでも、視界下部のスクリーン上の表示が矢印の羅列で表される走行車線案内に切り替わったな…ということには気がつけるので、スクリーンを見て「おっと、ここは右折専用車線になるのか、中央車線に移動しよう」というアクションを取れる。普通のカーナビでも、ルート案内中でない平常時にも走行車線情報を出してくれる機種は多いが、ルート案内中でないと音声ガイドがないためにユーザーは画面を見る機会は減る。これによって走行車線情報を見逃し、いつの間にか「直進したいのに右折専用車線に並んでしまった」という事態に陥るのである。

「そういうことがあるから、ルート案内を仕掛けておかないと都市部一般道の運転は不安だ」というユーザーは少なくないと思う。かくいう筆者もそうだ。CY-DF100Dは、ルート案内をしていないときにも、このように心強い味方となってくれるので、そうした不安はかなり低減される。

高速道路走行中も安心。警告情報は色味の違いで注意喚起!

高速道路走行中の表示情報

高速道路を走行中は、インターチェンジ(IC)やサービスエリア(SA)などがテキストボックス的なアイコンとなって画面に下から積み上がってくるような画面となる。IC名やSA名の横には自車位置からの距離も記載されるので、これまてカーナビ本体画面を見ずとも各ポイントや目的高速出口までの距離感を維持・把握できる。

都市部の高速道路は出口が右側車線にあったりすることもあるが、そうした場合も、一般道の時と同様にオレンジ色の点滅矢印と共に走行車線案内をしてくれる。前述した「画面の方に首を傾けなくていいという安心感」は、一般道の時よりも、高速走行の時こそありがたみを実感する。

高速料金所では、ETCカードがセットされていれば、CY-DF100Dは、アニメーション付きでETCレーンへ進むことを促してくれるし、ETCカードが認識できていないときは全力でカードが刺さっていないことを知らせてくれる。(※DSRC接続時)

ETC関連の表示

それと、進行先に故障車や渋滞がある場合や、車線規制や速度規制などの規制情報なども、赤、黄色、オレンジといった暖色系の図版アイコンで注意を促してくれる。

進行先を見ながら運転しているときであっても、こうした警告表示は、通常走行時の緑や青の寒色系の案内表示とは色味が違うため「あ、何か、表示が変わってる」…と気がつける。定期的にカーナビ画面をチラ見せずともちゃんと警告に気が付くようにできている。

注意を促す、的確な表示

HUDカーナビは、画面チラ見呪縛からあなたを解放する

CY-DF100Dを使い慣れていくと、ほとんどカーナビ本体の画面を見なくなっていることに気がつく。

CY-DF100Dの表示と音声ガイドさえあれば、カーナビ本体画面はほとんど見ずとも、何の問題もなく目的地にたどり着けるようになっていたのだ。

運転者にとっては、現実世界の視界と、それとちゃんと対応が取れた音声ガイド、そしてCY-DF100Dによるシンプルな案内情報があればこれで十分なのだなぁ…と今回のデモカー体験でしみじみと思ったのであった。

よくよく考えると、普通のカーナビは、ユーザーが画面を見てそれを理解し、現実世界の視界と照らし合わせてから、カーナビの案内に従うように行動を取っている。

この「照らし合わせ」という工程が意外に厄介で、これに失敗するから「ああ。このグラフィックの距離感だと、あそこを曲がるんだな」と思って曲がってみたら1つ早い交差点で曲がってしまっていた…とか、あるいは曲がるタイミングを逸してしまったりするのだ。

実は、こういう時、グラフィックスに気を取られず、その画面に添えられるように表示されている「50m先右折」という文字情報の方が有用で伝わりやすい情報だったりする。なぜならば、「50m」という距離感は現実世界の視界で経験的に理解しているから。

CY-DF100Dのスクリーンには、現実世界を模した交差点グラフィックスは表示されないが、その代わりに「あと○○メートル先を曲がる」ということを表した縦棒ゲージとメートル表記が表示される。縦棒ゲージ上のマーカーは下端から徐々に上がっていき、上端まで達するとその交差点の場所に辿り着いたことを意味する。この交差点までの距離カウントダウンを、カーナビ画面のチラ見せずに行えるから、交差点グラフィックの理解をしなくて言い分、楽なのだ。

高速道路走行中の表示情報

CY-DF100Dがあれば、助手席側の人がカーナビ画面を占有してA/Vコンテンツを楽しんでいたとしても、運転者はほとんど不便を感じないと思う。

個人的には、この「カーナビ×HUD」という組み合わせは、カーナビの新スタイルとして今後、どんどん採用が進むのではないかと予想している。現在、このシステムはパナソニックのアフターカー用品として販売されているが、いずれ、こうしたシステムが純正品として運転席にプリインストールされるような時代も来るのではないかと思う。

現在、ストラーダR300、R500シリーズのユーザーは、アップグレードパーツとして是非ともCY-DF100Dの導入を検討してみて欲しい。

FIDで、カーナビの使い方が根本から変わる!

また、これからR300/R500の購入を検討している人にはセット導入をお勧めしたい。もし、奥さんから「カーナビ本体だけで十分でしょ」なんていう反対があったときには「安全運転のためさ。ボクの一番大事な人の命を乗せて走るためには必要なのさ」と言って説得してみよう。

(トライゼット西川善司)

 

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