東京モーターショー2013
ブリヂストン、非空気入りタイヤ「エアフリーコンセプト」が第2世代へ進化
超小型モビリティに対応する、重量410kgf、最高速60km/hへ
(2013/11/22 11:51)
11月21日、ブリヂストンは東京モーターショーの同社ブースで非空気入りタイヤ「エアフリーコンセプト」の第2世代を発表した。エアフリーコンセプトは、2011年の東京モーターショーにおいて発表されたタイヤ。タイヤ側面に張り巡らせた特殊形状スポークによって荷重支持をするため、空気を充填する必要がなく、空気圧管理が不要となるほか、パンクの心配がなくなるというもの。2年前の第1世代は電動カートサイズのものだったが、2013年は超小型モビリティに対応する仕様へと進化した。将来的には、一般乗用車に対応する商品を目指して開発されている。
ブリヂストンブースにおいて、ブリヂストン取締役専務執行役員 森本芳之氏が、第2世代エアフリーコンセプトの詳細な説明を行った。エアフリーコンセプト開発の背景にあるのは、同社が掲げる環境長期目標。この環境長期目標では、自然環境への影響を貢献量以下にする「生物多様性ノーネットロス」の達成(2050年達成)、原材料を削減・資源循環・再生可能資源の拡充を図る「100%サステナブルマテリアル化」、2005年対比でCO2の売上高あたり35%削減・タイヤの転がり抵抗25%低減(2020年達成)を掲げている。
エアフリーコンセプトは、100%サステナブルマテリアル化の一環として研究開発されており、リサイクル(環境)、ノンパンク(安全)、省メンテナンス(快適)を高次元で達成するものだという。そのため、エアフリーコンセプトの特徴ともなっている荷重支持スポークはリサイクル可能な熱可塑性樹脂でできている。第2世代で目指したのは、エアフリーコンセプトの使用可能な範囲を拡大していくこと。そのため、新樹脂材料を採用し、スポーク部も応力が集中しないよう3次元局面形状を変更。より複雑な形となっている。
そうして達成したのが、適用可能な車両重量が100kgf→410kgfの約4倍、最高速度が6km/h→60km/hの10倍という性能。これにより、電動カートレベルの4輪車でしか使えなかったものが、超小型モビリティに分類されるEV(電気自動車)でも使えるようになった。さらに環境面で注目されている転がり抵抗(指数)も、低燃費タイヤ「エコピア EX10」と比べて5%~21%低減することに成功した。
森本氏のプレゼンテーションでは、エアフリーコンセプト第2世代を装着した超小型モビリティが走行する映像を紹介。舗装路面のほか、石畳路面の走行を行っていた。エアフリーコンセプト第2世代を見て分かるのは、トレッド面を支える樹脂スポークの形状が、第1世代よりも複雑化していること。スポークの厚みの変化を第1世代よりも短い周期で行っており、スポークの幅にも大きく手が入れられている。外径は340mmから530mm、幅は70mmから125mmへ大型化しており、接地面近くのスポークの変形にも大きな差がでている。一般公開日にはステージ上を何度か走行するので、スポークの変形具合に注目していただきたい。
ブリヂストンでは、今後走行実証やリサイクルシステム実証を行い、将来世代のエアフリーコンセプトで本格実用化を目指している。
そのほか、ブリヂストンブースでは、最新スタッドレス「ブリザック VRX」や、狭幅・大径・高内圧の次世代低燃費タイヤ「エコピア オロジック」などの製品展示、タイヤの重さの違いが分かる体験展示などが行われている。