【東京モーターショー2011
“エボリューション”のハイブリッド/ディーゼルと、“レボリューション”の「BMW i」

アクティブハイブリッド5をワールドプレミア、ラインアップは今後拡充

2人の上級副社長が独から来日。販売担当のロバートソン氏(左)と開発担当のドレーガー氏

会期:11月30日~12月11日(一般公開日:12月3日~11日)
会場:東京ビッグサイト



 BMWは予告どおり、「アクティブハイブリッド5」をワールドプレミア。「BMW i」のコンセプトカーはアジアプレミア、新型「M5」とディーゼル車「X5 xDrive35d ブルーパフォーマンス」がジャパンプレミアとなった。

アクティブハイブリッド5は2012年春発売
 アクティブハイブリッド5は5シリーズセダン(F10)のハイブリッドモデル。3リッター直列6気筒ツインスクロールターボエンジンとモーター、リチウムイオンバッテリーを搭載し、5.9秒の0-100km/h加速と、6.4L/100km(約15.6km/L)の燃費を実現した。

 独BMWグループから来日したイアン・ロバートソン販売・マーケティング担当上級副社長はBMWブースで開かれたプレスカンファレンスで、同社が持続可能性への取り組みで評価されていることをアピールし、「BMWグループの持続可能性への取り組みはここにあるクルマにも明確に反映されている」とアクティブハイブリッド5を紹介。その多くが日本に出荷されることになっていると述べ、「アクティブハイブリッド5はセグメントにおいて世界でもっともパワフル、かつ最も効率に優れたフルハイブリッドであることから、必ず満足いただけるものと考えている。販売開始は2012年春を予定しており、長くお待たせすることなく、ご体験いただける」とした。

 同じく独BMWグループのクラウス・ドレーガー開発担当上級副社長は「競合するセグメント内で最もスポーティーな走行性能を誇るうえ、燃費は(同じエンジンを積む)535iに比べ大きく向上している。60km/hまでモーターのみで走行可能であるほか、(モーターが)加速時のブースト機能を果たす」と“走り志向”のハイブリッドカーであることを強調した。

アクティブハイブリッド5。トランクルームと車室の間にリチウムイオンバッテリーを積むため、若干トランクルームが狭い
ディーゼル車「X5 xDrive35d ブルーパフォーマンス」。こちらはフロントフェンダーの「xDrive35d」のバッヂでしか外観からは区別できない

エボリューションとレボリューション
 ドレーガー上級副社長は「私たちは次のモビリティの時代においてもNo.1の地位を目指す。そのため、2つのアプローチを同時にとっている。そのアプローチは進化(エボリューション)と革命(レボリューション)だ」と述べ、エボリューションは「内燃機関の進化」を、レボリューションは「持続可能なモビリティを追求すること」とした。

 そのレボリューションが「BMW i」であり、「新しいインディビジュアルモビリティーの形を提示したクルマ」と紹介。都市向けEVであるi3は2013年末から生産を開始するとした。

 ロバートソン上級副社長は「世界人口の動向は、今から20年後には都市部に60%が集中すると予測されている。しかし同時にBMWでは、個人のモビリティーのニーズ、とくに持続可能なモビリティーに対するニーズは常に存在すると確信している」とBMW iの存在意義を述べ、「BMW iは電気駆動パワートレーンを中心に専用設計されたクルマで、キャッチフレーズはBorn Electric.(生粋の電気自動車)」と紹介。またBMW iでは製造工程のエネルギーに再生可能エネルギーを利用するなど、サプライチェーン全体で持続可能性を追求しているとした。

 その一方で、日本にX5を皮切りにディーゼルモデルを投入し、アクティブハイブリッド5を投入するといったように「BMWグループは未来のモビリティーを今から形作っている」とアピール。「BMWはまちがいなく、最新の燃費低減テクノロジーを日本に導入し続ける」と、ハイブリッドモデルもディーゼルモデルもラインアップを拡大するとした。

i3とi8
M51シリーズも展示されている

(編集部:田中真一郎)
2011年 12月 1日