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【SUPER GT最終戦もてぎ】予選、39号車 DENSO KOBELCO SARD RC Fが2日連続のポール獲得

GT300は31号車 TOYOTA PRIUS apr GTがポール獲得で夜中の修復に報いる

2016年11月13日 開催

GT500クラス、39号車 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン/平手晃平組、BS)が2日連続でポール・ポジション獲得

 11月13日、栃木県茂木町のツインリンクもてぎで開催されるSUPER GT最終戦「2016 AUTOBACS SUPER GT Round8 MOTEGI GT GRAND FINAL」は、午前中に予選が行なわれ決勝のグリッドが決定。ウェイトなしのノーハンデ戦となる決勝は、13時30分からスタートする。

 GT300は8時40分から15分間の予選が行なわれ、昨日12日の第3戦代替戦ではノーポイントに終わった31号車 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組、BS)がポール・ポジションを獲得して、ポール・ポジションに与えられる1点を獲得し、ランキングトップとの差を13点差に縮めた。

 ランキングトップの25号車 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允組、YH)は予選6位だが、ランキング2位の3号車 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー組、YH)はまさかの14位に終わり、逆転チャンピオンに黄色信号が灯る状態となった。

 GT500は9時から15分間の予選が行なわれ、昨日の第3戦代替戦でもポールポジションを獲得した39号車 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン/平手晃平組、BS)が2日連続でポール・ポジションを獲得した。

 これでポールポイント1点を加えて予選9位に終わったランキング2位の1号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)とのチャンピオン争いでさらに優位な立場に立つことになった。

昨日のトラブルを神奈川のファクトリーから急遽パーツを取り寄せ修復した31号車がポールを獲得

GT300クラスの予選トップは31号車 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組、BS)

 GT300の予選は、8時40分から15分間で行なわれた。昨日行なわれた第3戦の代替戦の予選は天候は晴れたが路面は前日からの雨で濡れた路面での予選となったが、今日13日の最終戦の予選はドライ路面で行なわれた。そうした中で予選トップを取ったのは、31号車 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組、BS)。前日のレースでは走行中のトラブルでポイント圏外に終わり、残念な結果に終わってしまった同チームだが、神奈川にあるaprのファクトリーから急遽パーツを取り寄せ夜中までかかって修復。

 メカニックが必死に修復したマシンを駆る中山雄一選手による渾身のドライブで、2位に0.07秒差でポールポジションを獲得した。これで、31号車はポールポジションに与えられる1ポイントを獲得し、ポイントを45点に伸ばし、トップとのポイント差を13点差に縮め、逆転チャンピオンを目指すことになる。

 予選2位は開幕戦に優勝した65号車 LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤治樹/蒲生尚弥、YH)。予選3位は88号車 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸 学/平峰一貴組、YH)、予選4位は9号車 GULF NAC PORSCHE 911(阪口良平/吉田広樹組、YH)、予選5位は4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)と、チャンピオン争いには絡んでいないチームが続いた。

 ランキングトップの25号車 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允組、YH)は予選6位。だが、ランキング2位の3号車 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー組、YH)はまさかの14位。

GT300クラス ポイントランキングトップ 25号車 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允組、YH)

 この他、3位の21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン/藤井誠暢組、DL)は8位、ランキング4位の55号車 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/小林崇志組、BS)は昨日のレース中のクラッシュによるフロント大破の修復が叶わずレース出走を取りやめ、ランキング5位の61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)は予選7位なっており、チャンピオン争いではポールの31号車(45点)、予選6位の25号車(58点)、予選7位の61号車(47点)、予選8位の21号車(49点)あたりを軸にレースが展開していきそうだ。

・GT300予選結果

順位カーナンバーマシンドライバータイヤタイム
131TOYOTA PRIUS apr GT嵯峨 宏紀/中山 雄一BS1'46.760
265LEON CVSTOS AMG-GT黒澤 治樹/蒲生 尚弥YH1'46.830
388マネパ ランボルギーニ GT3織戸 学/平峰 一貴YH1'46.857
49GULF NAC PORSCHE 911阪口 良平/吉田 広樹YH1'46.942
54グッドスマイル 初音ミク AMG谷口 信輝/片岡 龍也YH1'46.961
625VivaC 86 MC土屋 武士/松井 孝允YH1'47.070
761SUBARU BRZ R&D SPORT井口 卓人/山内 英輝DL1'47.135
821Hitotsuyama Audi R8 LMSリチャード・ライアン/藤井 誠暢DL1'47.172
918UPGARAGE BANDOH 86中山 友貴/山田 真之亮YH1'47.381
1011GAINER TANAX AMG GT3平中 克幸/ビヨン・ビルドハイムDL1'47.392
1126TAISAN SARD FJ AUDI R8元嶋 佑弥/近藤 翼YH1'47.509
1230TOYOTA PRIUS apr GT永井 宏明/佐々木 孝太YH1'47.512
1387triple a ランボルギーニ GT3細川 慎弥/佐藤 公哉YH1'47.720
143B-MAX NDDP GT-R星野 一樹/ヤン・マーデンボローYH1'47.753
157Studie BMW M6ヨルグ・ミューラー/荒 聖治YH1'47.800
1633Excellence Porsche山野 直也/ヨルグ・ベルグマイスターYH1'47.896
1748DIJON Racing GT-R高星 明誠/青木 孝行YH1'47.916
1851JMS LMcorsa 488 GT3都筑 晶裕/新田 守男YH1'47.967
190GAINER TANAX GT-Rアンドレ・クート/富田 竜一郎DL1'48.043
205マッハ車検 MC86玉中 哲二/影山 正美YH1'48.121
2150ODYSSEY SLS安岡 秀徒/久保 凜太郎YH1'48.588
2222アールキューズ SLS AMG GT3和田 久/城内 政樹YH1'48.826
23108DIRECTION 108 HURACAN峰尾 恭輔/竹内 浩典YH1'48.904
24111エヴァRT初号機 Rn-s AMG GT植田 正幸/鶴田 和弥YH1'48.928
252シンティアム・アップル・ロータス高橋 一穂/加藤 寛規YH1'49.063
2660SYNTIUM LMcorsa RC F GT3飯田 章/吉本 大樹YH1'49.140
2763DIRECTION 108 HURACANエイドリアン・ザウグ/横溝 直輝YH1'49.539
28360RUNUP Group&DOES GT-R柴田 優作/田中 篤YH1'49.646

コースレコード更新合戦となった中、2日間連続で39 DENSO KOBELCO SARD RC Fがポール獲得

 GT500の予選は昨日のレースの流れがそのまま反映されたような予選となった。中盤からレクサス勢が次々とコースレコードを更新していく予選となった。

 その中で最終的にポールポジションを獲得したのは、前日の第3戦代替戦と同じく、39号車 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン/平手晃平組、BS)となった。昨日のレースで2位を獲得した39号車はポイントランキングでトップにたっており、さらにポールに与えられる1ポイントを追加して、ポイントランキングでのリードを広げることになった。ランキング2位の1号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)は、まさかの予選9に終わっており、逆転チャンピオンに向けてかなり厳しいグリッドからのスタートとなる。

 予選2位は37号車 KeePer TOM'S RC F(ジェームス・ロシター/平川 亮組、BS)、予選3位はランキング3位の6号車 WAKO’S 4CR RC F(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ組、BS)、予選4位は19号車 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛/国本雄資組、YH)となっており、レクサス勢が1位~4位までを独占する結果となった。

 日産GT-R勢の最上位は予選5位の12号車 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組、BS)、ホンダ NSX勢の最上位は予選10位の17号車 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/小暮卓史組、BS)となっており、ホンダ勢が10位~15位に5台が固まる厳しい結果となってしまった。

 決勝レースに向けては、各チームの作戦がどのようになるか次第だろう。上位を占めたレクサス勢での注目は、19号車 WedsSport ADVAN RC Fだろう。19号車は、昨日の第3戦代替戦で優勝した24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹/柳田真孝組、YH)と同じヨコハマタイヤを履いており、やはりタイヤ無交換作戦を敢行している。仮にそれを今日も実行することができれば、ピットストップの間に前を走る他のレクサス勢を追い越すことが可能になる可能性がある。このため、19号車がどのような作戦をとるのか、そこは要注目だ。

 チャンピオン争いはポールでランキング1位の39号車 DENSO KOBELCO SARD RC F、予選3位でラインキング3位の6号車 WAKO’S 4CR RC F、そして予選7位でランキング4位の38号車 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明組、BS)、そしてまさかの予選9位に終わったランキング2位の1号車 MOTUL AUTECH GT-Rの戦いになる可能性が高い。順当に行けばポールからスタートする39号車 DENSO KOBELCO SARD RC Fが圧倒的に有利だが、1号車 MOTUL AUTECH GT-Rがどこまで巻き返すことができるか、それが見所になるだろう。

GT500クラス ポイントランキング2位の1号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)

 決勝レースは、本日(11月13日)の13時30分からツインリンクもてぎの国際レーシングコースで行なわれることになる。泣いても笑っても、このレースで今年のSUPER GTのすべてが決まることになる。

・GT500予選結果

順位カーナンバーマシンドライバータイヤタイム
139DENSO KOBELCO SARD RC Fヘイキ・コバライネン/平手 晃平BS1'36.491
237KeePer TOM'S RC Fジェームス・ロシター/平川 亮BS1'36.774
36WAKO’S 4CR RC F大嶋 和也/アンドレア・カルダレッリBS1'36.776
419WedsSport ADVAN RC F関口 雄飛/国本 雄資YH1'37.141
512カルソニック IMPUL GT-R安田 裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラBS1'37.144
636au TOM'S RC F伊藤 大輔/ニック・キャシディBS1'37.226
738ZENT CERUMO RC F立川 祐路/石浦 宏明BS1'37.270
846S Road CRAFTSPORTS GT-R本山 哲/千代 勝正MI1'37.483
91MOTUL AUTECH GT-R松田 次生/ロニー・クインタレッリMI1'37.635
1017KEIHIN NSX CONCEPT-GT塚越 広大/小暮 卓史BS1'37.741
118ARTA NSX CONCEPT-GT松浦 孝亮/野尻 智紀BS1'37.786
1224フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R佐々木 大樹/柳田 真孝YH1'37.812
1315ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT武藤 英紀/牧野 任祐BS1'37.977
14100RAYBRIG NSX CONCEPT-GT山本 尚貴/伊沢 拓也BS1'38.114
1564Epson NSX CONCEPT-GT中嶋 大祐/ベルトラン・バゲットDL1'39.424

両クラスのドライバーともに自分で走ってポールポジションをとったのは初めて

 予選後にはGT300、GT500それぞれでポールポジションを獲得したクルーによる記者会見が行われた。以下はその模様だ。

GT500(左)とGT300(右)それぞれのポールポジション獲得クルー

Q:ポールポジションを獲得した2人のドライバーに今日の感想を

平手晃平選手

平手晃平選手:ガチンコの状態でPPを獲れたのは嬉しい。また、SUPER GTの予選で、自分で走ってポールを獲得したのは初めてなので、二重に嬉しい。今日の午後のレースもいい位置からスタートできるので、とてもハッピーだ。

中山雄一選手

中山雄一選手:いつもはQ1担当なので、今日は自分で走ってポールを獲れたので嬉しい。昨日トラブルがでた部分のパーツが、aprのファクトリーから夜中に届いて、メカニックさんが2時~3時までかかって直してくれた。ブリヂストンのタイヤも今日の路面にマッチしていて、その性能を引き出すことができた。アタック2周目にはアウディに引っかかってタイムをロスしたが、それでもタイムを更新してポールを獲れたのは嬉しかった。

Q:予選ではドライブしていない2人に予選の感想を

ヘイキ・コバラインネン選手

ヘイキ・コバラインネン選手:今日は自分で走っていた訳ではないが、SUPER GTは競争が激しくてセッションが終わるまでわからなかった。彼(平手)は完全に正しい戦略で、タイヤのウォームアップをきちんとやって使いこなしていた。もちろん彼がベストタイムを出してくれると信じていたけど、最後まで油断はできないなと思っていた。

嵯峨宏紀選手

嵯峨宏紀選手:今週は金曜日のコンディションがよくなくて、ドライタイヤのテストができていなかった。昨日予選を入った感触ではそこまで悪くはないとは思っていたし、ドライバーは(中山)雄一なので彼ならやってくれるだろうと思っていた。予選で1ポイントを獲れたのはとても大きい。昨日のトラブルからメカが頑張って修復してくれたので、決勝までに気持ちを引き締め直して戦う必要がある。

Q:39号車がベストラップを出した時の状況を教えて欲しい

平手:この週末でスリックでタイムアタックをするのは初めてで、ウォームアップには2周ぐらいが必要だと思っていた。計測2周目に9割ぐらいで攻めたら37秒フラットぐらいのタイムがでて、タイヤにはまだ余裕があったのでそのままアタックしていたらセクター3でマイナスコンマ4秒とでて、これはとんでもないタイムがでそうだと思って、車とタイヤのパフォーマンスを出し切ろうと必死にアタックした。

Q:今日の午後の決勝に向けた意気込みを

平手選手:昨日もポールポジションからスタートしたのに、2位になってしまった。無冠の帝王は格好悪いので、とにかく価値にこだわりたい。

コバライネン選手:シンプルに1位を維持して走るというのが戦略。チームにとっても、ドライバーにとっても、とにかく目指すは優勝だ。

嵯峨選手:自分たちがどうこうよりも、25号車の結果次第。僕たちはベストのレースをするだけ。GT300はタイヤ無交換が主流なので、タイヤのライフ次第。

中山選手:スタートは嵯峨さんで、その後僕になる。今回はタイヤ無交換でないと勝負にならないので、2人でタイヤを持たせて勝負したい。