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2016年の交通事故死者数は1949年以来の3000人台に

前年比213人減の3904人。飲酒死亡事故件数は201件から213件に増加

2017年1月4日 発表

1948年からの交通事故死者数の推移

 警察庁は1月4日、2016年1月~12月の1年間における交通事故死者数を発表。交通事故による死者数は、15年ぶりの増加となった2015年の4117人から213人(5.2%)減少した3904人で、これは1949年以来の3000人台の数字であるとしている。

 発表内の国家公安委員会委員長のコメントでは、減少について「国民1人1人をはじめ、交通ボランティアやマスコミなど関係方面の御協力により、交通安全の確保に取り組んできた結果」と評価。しかし、減ったとはいえ4000人近い命が交通事故の犠牲になって失われており、高齢運転者による交通事故の多発、飲酒運転などの悪質・危険な運転による交通事故があとを絶たないことなどから、「交通情勢は依然として厳しい状況にある」とした。

 統計でも事故発生から24時間以内と30日以内の死者数が1993年以降で右肩下がりの減少傾向であることに比べ、高齢者死者数は横ばい状態、飲酒死亡事故件数は2015年の201件から213件に増加したことが示されている。

2014年~2016年の月別交通事故死者数
交通事故死者数で全体数と高齢者(65歳以上)を比較するグラフ
飲酒死亡事故件数は2015年の201件から213件に増加した

 これを受け、国家公安委員会では3月から施行される高齢運転者、貨物自動車に係る交通安全対策を強化する改正道路交通法を円滑に実施するほか、2016年に策定された「第10次交通安全基本計画」に基づいて、政府が目標とする「世界一安全な道路交通の実現」に向けた取り組みを推し進め、交通死亡事故等のさらなる減少を目指すとしており、国民にもよりいっそうの交通安全の取り組み、安全行動の実践を呼びかけている。