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【SUPER GT 第3戦オートポリス】36号車 中嶋一貴選手・ジェームス・ロシター選手、25号車 松井孝允選手・山下健太選手 優勝記者会見

2017年5月21日 開催

決勝後行なわれた優勝記者会見。左から山下健太選手、松井孝允選手、中嶋一貴選手、ジェームス・ロシター選手

 5月21日にオートポリス(大分県日田市)で開催された「2017 AUTOBACS SUPER GT Round 3 SUPER GT in KYUSHU 300km」。決勝は14時スタートで行なわれ、GT500は36号車 au TOM'S LC500(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組、BS)が、GT300は25号車 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太組、YH)がそれぞれ優勝した。決勝レース後に記者会見が行なわれたので、その模様をお伝えしていきたい。

1号車との接触は残念だったが自分は何もできなかったと中嶋選手

──各選手に今日のレースを振り返ってほしい。

ジェームス・ロシター選手

ジェームス・ロシター選手:イベント満載なレースだった。6号車や37号車とはかなり激しいレースを繰り広げたし、6号車と37号車を抜くときには、全力アタックモードでいかないといけなかった。でも僕たちのクルマはセッティングは決まっていたし、クルマの動きもよかった。本当にエキサイティングなレースで、ピットに入るまで楽しめたよ。

中嶋一貴選手

中嶋一貴選手:今回は予選で余計なミスをしてしまい、心が折れかけたので、正直軽口を言える感じではない。決勝レースでは上がっていけるだろうとは思っていたけど、ロシター選手がここまで上げてきてくれるとは思っていなかったので、今回のレースはそれにつきる。自分が担当した2スティント目は、ペースとしてはわるくなくて、1号車に追いつかれたが、それ以外は問題なくレースができていた。(1号車との)接触に関しては残念だったけど、こちら側としてはどうしようもない状況だった。それでダメージも受けてしまい、クルマをゴールに運ぶのは大変だった。個人的にはミスが多かったのでホッとしている。

山下健太選手

山下健太選手:Q1、Q2とも1位になってポールを取れ、第1スティントを担当することになった。もっとスバル(61号車)との差をつけられると思っていたのだが、ずっと付いてきて、ギャップを作るのには苦労した。その中で500に抜かれるタイミングなどをうまく利用して差をつけることができて、トップのままピットに入れた。本当にギリギリの中で勝てたのはよかったと思っている。

松井孝允選手

松井孝允選手:今日はスタートを山下選手でいって、ちぎってくれると思っていたのだが……(笑)。後半タイヤを交換してから、僕たちはウォームアップが速くて前に出たのだが、スバルとの戦いになるだろうと思っていた。ピットストップの関係で前に出られた55号車に関しては抜けると思っていたので、あまり問題ではなかった。最後自分たちにトラブルがでて、61号車が追い上げてきたのでそれとの戦いだった。ただ、車としてはトラブルがでることを前提に対策をしてきていたのでそれが功を奏してギリギリで優勝できたのはよかった。

──中嶋選手は、これで、WEC2レース、スーパーフォーミュラと今回のSUPER GTと走ったレースで4連勝という状況ですが、自分ではどう思っているか?

中嶋選手:前回のWEC 第2戦 スパでのレースは運がよかっただけ。正直そういうので運を使いたいと言ってきたが、今日がどうだったかは分からない。今日は僕がどうこうというよりは、ジェームスがいい仕事をしてくれたということにつきると思う。SUPER GTに関しては次の菅生に向けて、ハンデが増えることになるので、クルマも違った状態でのレースになると思っている。

ロシター選手:世界でもランキングトップじゃないの?(笑)。

──ロシター選手に、レースで一番のピンチはどこだったか?

ロシター選手:一番ハードだったパートは、6号車と37号車が前にいたときだ。同じレクサスファミリーだし、無理はできなかった。その後は割とイージーだった……。

──ロシター選手に、中嶋選手がドライブしていて1号車と当たった瞬間にはどう感じたか?

ロシター選手:正直リラックスしていた。SUPER GTではサイドバイサイドでやるレースだけど、それぞれのドライバーはお互いをリスペクトしてクリーンなレースをしている。僕も5年間ここでやってきてそれを楽しんでいる。相手はラインを残してくれなかったので、中嶋選手は何もできないように見えた。だからこれはレーシングインシデントだと思ったので、リラックスしていた。

終盤に発生した25号車のトラブルは燃料ポンプ、だが事前に対策済みだったため優勝できた

──25号車の2人に。松井選手のトラブルとはなんで、それは山下選手のときにも出ていたのか?

松井選手:トラブルは燃料ポンプのトラブル、片側が壊れてしまった、左コーナーで症状がでた。その中でできるだけのことをやろうとと思っていた。ただ、その場合でも両方のポンプを使うということで、事前に対策はしてきており、完全にガス欠になるなということはなかった。

山下選手:自分のスティントではでていなかった

──中嶋選手は、第2戦欠場したのでSUPER GTではチャンピオンは難しいが、チームとしてと考えれば、今年これで3カテゴリーでチャンピオンが獲れそうだが?

中嶋選手:チャンピオンシップとして参加しているので、チャンピオンを獲ることはドライバーの仕事。自分としてもそれが順調にいってるなという実感はあるので、まだまだシーズンは長いので気を緩めることなく、しっかりとタイトルを狙っていかないといけない。SUPER GTに関しては反省点も多いので、もっともっとよくしていかないといけない。

──1号車との接触の影響はあったのか?

中嶋選手:クルマには接触のダメージがあって、その影響でペースが上げられなくなった。それによってタイヤもより厳しくなっていたが、後ろとのギャップも大きかったので、トラフィックとイエローフラッグに注意しながらマージンをとって走っていた。終盤はピックアップが大きかった。

──松井選手に。昨年は土屋エンジニアと走って優勝だったが、今年は自分がリードドライバーになっての優勝。違いはあるか?

松井選手:リードドライバーとしてチームを引っ張っていくことは違うが、土屋さんがエンジニアに専念することで、昨年よりクルマとしての精度が上がっており、ドライバーとして勝てる環境を作ってもらっていると感じている。

──来月(6月)はスポーツランドSUGOや鈴鹿サーキットでテストがあり、次は第4戦がスポーツランドSUGOで行なわれる。それに向けての抱負を。

ロシター選手:来月にはル・マン24時間レースもあるので、中嶋選手とトヨタが勝つことを祈ってるよ。ベストのタイヤテストをして、次のレースも勝ちたい。

中嶋選手:ジェームスが言ったように、菅生のテストはル・マンで行けないが、鈴鹿のテストは大事なテストになると思っている。菅生ではリストリクターなどの状況も変わってくるが、クルマはいいので菅生でも勝ちたい。

松井選手:テストが菅生、鈴鹿と続いていく。菅生はJAF-GTが有利とされているので、そこで獲らないと、その後は富士、鈴鹿と逆に有利ではないところが続くので難しくなる。GT300は本当に競争が激しく、取りこぼしがないと勝てないシリーズ。テストでしっかり準備して、菅生をしっかり獲りたい。

山下選手:GT300ではFIA-GT3とJAF-GTで得意不得意がある。今回はJAF-GTが有利のよううだったが、「JAF-GTが速すぎだ」と言ってるドライバーがいたので、そういう人に負けないように頑張りたい。