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【インディ500 2017】空港に到着したときから楽しめるのがインディ500

間もなく決勝スタート。前半は雷雨の心配なしか

2017年5月15日~28日 開催(現地時間)

インディアナポリス空港に飾られていたインディカー

 米国インディアナ州インディアナポリスにあるIndianapolis Motor Speedway(以下、スピードウェイ)で開催されているインディ500。世界三大レースの一つとされるのは、その歴史と集客数にある。初開催は1911年、2度の世界大戦により開催されない年もあったが、2016年は第100回、2017年は第101回の大会として開催される。

 来場者数の正式発表はされないものの、例年30万人を超えると言われており、昨年の第100回大会はすべての予約席のチケットが売りきれたとの発表も行なわれた。27万人以上を収容するスタンドのチケットが売り切れたことで、来場者数は30万人を遥かに超えるものになったと見られている。

 2017年のインディ500は5月15日~28日のスケジュールで開催。15日から練習走行が行なわれ、28日の日曜日に開催される決勝へ向けて予選、予選上位9名によるスタート順を決定するファスト9と毎日なんらかのイベントが実施されている。決勝直前の最後の走行機会となるのが金曜日の26日に開催されたカーブ・デイ。このカーブ・デイでは1時間の練習走行が行なわれ既報(最後の練習走行となるカーブ・デイで26号車 佐藤琢磨が2位、29号車 フェルナルド・アロンソが5位)のとおり26号車 佐藤琢磨選手も好調なタイムを刻みつつマシンのチェックを終えたことになる。

歴史と伝統と、ドライバーとのふれ合いと

 このインディ500だが、イベントとして非常に楽しめるものとなっており、琢磨選手も語っていたように実際にスピードウェイを訪れて観戦するのがお勧めだ。「スカイスキャナー」などの航空券予約サイトで航空便を調べると意外と安価に行ける場所であり、宿泊施設も「Booking.com/」「Hotels.com/」のようなホテル予約サイトを見れば分かるとおり、さまざまな施設がある。

 クルマ社会のアメリカではレンタカーを運転できないと楽しめない(行きたいところへ行けない、もしくはコストがかかりすぎる)部分が多かったが、「Uber」や「Lyft(英文)」といったライドサービスの登場がその状況を劇的に変えている。都市によってはこれらのサービス対応車の少ない場所もあるが、インディアナポリスではインディアナポリス空港にライドサービス専用の乗り場を設定。これらのサービスを利用すれば、空港からホテル、ホテルからスピードウェイ、ホテルからレストランなど、クルマの免許がなくてもインディアナポリスの街を楽しめ、インディ500を楽しめる。

 記者がインディアナポリス空港に到着したのは、カーブ・デイの前日となるのだが、空港内には預け入れ手荷物を引き取るbaggage claim(バゲージ・クレーム)に行くまでにインディカーが展示してあったり、インディ500のオフィシャルショップがあったりと、空港に到着したときからレースウィークを実感できるものだった。

インディアナポリス空港のコンコース。メイン展示としてインディカーが飾られている

 実際にスピードウェイに到着すると、エンタテイメントの国のサーキットであることを実感する。驚くほど巨大な観客スタンド、数多く並ぶフードスタンド。そしてそこで売られる大量のビール。日本では、野球のスタジアムが食べて飲んでスポーツを見るエンタテイメントイベントとして代表的だが、インディ500はそれを巨大化したものと思えば間違いないだろう。

巨大なスタンドを備えるスピードウェイ。車イス利用者にも配慮した作りとなっており、最上階近くにある車イス用観戦席ではバリアフリーが実現している

 カーブ・デイにおいては、そもそもレースカーなどを見ずにスピードウェイの雰囲気に身を任せ、ただひたすらにビールを飲み、歌いなどして楽しむ人が非常に多い。

 もちろんレースが好きな人にとってもインディ500は優しいスピードウェイになる。シートチケットにもよるが入場料と合わせても200ドル以下でパドックまで入ることができ、パドックに入ることができれば車検を受けるマシンを目の前で見られたり、コースへと出入りする選手を間近に見ることができる。

カーブ・デイの朝。ガレージが建ち並ぶエリアだが、この辺りはパスを購入していれば、ゆっくりと見学できる
車検エリアでは、お気に入りの選手のマシンをじっくり見ることもできる
車検エリアをでてくる、フェルナルド・アロンソ選手の29号車
2度のF1ワールドチャンピオンの参戦だけに現地でも大きな話題となっていた

 選手やマシンとの距離が非常に近く、同じくエンタテイメントを追求する日本のSUPER GT同様に楽しむことができるだろう。しかも、お酒や各種ドリンクが飲めて、ハンバーグやインディドッグなどいわゆるアメリカンフードも食べられる。スタンドでビール片手に観戦というのがお勧めだ。

 早朝は午後からは雷雨との天気予報がでていたが、現在は15時以降に雷雨との予報となっている。しかしながら、会場となるスピードウェイの天候は回復方向で、予定どおりの時刻にスタートが行なわれそうだ。

 インディ500はインターネット中継もいくつか予定されており、例えばニコニコ生放送であれば「インディカー・シリーズ チャンネル(インディカー・シリーズ編集部)」で見ることができる。スタートは日本時間で5月29日1時19分と。スタートまで1時間を切ったことになる。

決勝直前の26号車。佐藤琢磨選手がともに戦うことになるマシン
チケットを買えば、こんな感じで写真を取って楽しむこともできる
マシンに刻まれた日本へのメッセージ