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スバル「レヴォーグ」が日本で一番安全なクルマに 2020年度自動車アセスメントで「ファイブスター大賞」受賞

2021年5月25日 発表

2020年度自動車アセスメントで「ファイブスター大賞」を受賞したスバル「レヴォーグ」

 国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)は5月25日、自動車の安全性能を評価・公表する自動車アセスメントについて、2020年度の結果発表会をオンラインで開催。その中で、スバル「レヴォーグ」が最高得点を獲得して、2020年度日本で一番安全なクルマに贈られる「ファイブスター大賞」を受賞した。

 発表会では、2020年度自動車アセスメントにおける最高評価「ファイブスター賞」を獲得した車種が発表され、総合評価として186.91点を獲得したスバル「レヴォーグ」、177.68点のトヨタ「ハリアー」、175.72点を獲得した日産「デイズ」「デイズ ハイウェイスター」、175.70点のトヨタ「ヤリスクロス」、174.40点のホンダ「フィット」、173.41点のトヨタ「ヤリス」がそれぞれ受賞した。

スバル「レヴォーグ」、トヨタ「ハリアー」、日産「デイズ」「デイズ ハイウェイスター」、トヨタ「ヤリスクロス」、ホンダ「フィット」、トヨタ「ヤリス」が2020年度のファイブスター賞を受賞した
2020年度の評価結果
2020年度の評価結果の見方

 この中でレヴォーグは、衝突安全性能評価の7項目「フルラップ前面衝突試験」「オフセット前面衝突試験」「側面衝突試験」「後面衝突頸部保護性能試験」「歩行者頭部保護性能試験」「歩行者脚部保護性能試験」「シートベルトの着用警報装置試験」では100点満点で96.91点を獲得。

 予防安全性能評価の7項目「衝突被害軽減ブレーキ性能試験(対車両)」「衝突被害軽減ブレーキ性能試験(対歩行者昼間)」「衝突被害軽減ブレーキ性能試験(対歩行者夜間)」「車線逸脱抑制性能試験」「後方視界情報性能試験」「高機能前照灯」「ペダル踏み間違い時加速抑制装置性能試験」で82点満点の82点を獲得。

 そして、「事故自動緊急通報装置の有無」では8点満点の8点を獲得し、総合評価として190満点で186.91点を獲得。2020年度における最高得点を獲得したとして、ファイブスター大賞を受賞した。

2030年死亡交通事故ゼロを目指すスバル

 オンラインで開催された表彰式では、ファイブスター賞を受賞した車両の開発担当者らが登壇して、受賞の喜びをコメント。

「ファイブスター賞」を受賞した「ハリアー」「ヤリスクロス」「ヤリス」の開発者を代表してトヨタ自動車株式会社 渉外部 技術渉外室 主査 古平貴大氏が表彰式に出席
「ファイブスター賞」を受賞した「デイズ」「デイズ ハイウェイスター」の開発を担当した日産自動車株式会社 車両開発主管の齋藤雄之氏
「ファイブスター賞」を受賞した「フィット」の開発を担当した、本田技研工業株式会社 シニアチーフエンジニアの田中健樹氏

 その中で、ファイブスター大賞を受賞したレヴォーグの開発担当者 スバル商品企画本部 PGMの五島賢氏は「私どもスバルはお客さまの笑顔を作る会社でありたいと考え、“安心と愉しさ”をお客さまへの提供価値として日々努力しております。今回のレヴォーグは、その安心と愉しさの双方、非常に高い次元で実現することを狙って開発したクルマでございます」とレヴォーグについて紹介。

 今回の受賞について、五島氏は「(“安心と愉しさ”の)その安心の部分、安全につきましては、私どもスバルは2030年死亡交通事故ゼロという目標を掲げております。その実現に向けた技術のいくつかはこのレヴォーグの技術が基本になると考えており、その開発に向けて日々努力しております。開発のエンジニアも今回の受賞が大変励みになると考えております。また、私どもの販売現場のセールスもレヴォーグをお客さまにお勧めするにあたり、非常に自信になると考えております」と受賞の喜びをコメントした。

フォトセッション

第11次交通安全基本計画で2025年までに年間の交通事故者数2000人以下を目標に掲げる

国土交通省自動車局次長の江坂行弘氏

 発表会に登壇した国土交通省自動車局次長の江坂行弘氏からは「わが国における交通事故者数は近年減少傾向にありますが、2020年におきましては2839名もの方が交通事故で亡くなっており、36万8601人が負傷されているなど、依然として厳しい状況であることには変わりございません。そうした状況を踏まえまして、今年3月に策定されました第11次交通安全基本計画では、世界一安全な道路交通の実現を目指して、2025年までに年間の交通事故者数を2000人以下、重傷者数を2万2000人以下にするという目標が掲げられ、国土交通省におきましては、この目標の達成に向けまして、車両の安全対策などの各種対策を講じることでございます」と、交通事故に関する現状が報告された。

 そして、自動車アセスメント事業の狙いについて、江坂氏は「この自動車アセスメント事業は、これらの目標達成のために必要な、重要な対策の1つとして位置付けられてございます。自動車の安全性能の評価公表を行なうことによりまして、ユーザーがより安全な自動車を選びやすい環境を整え、メーカーのより安全な自動車の開発促進を図る自動車アセスメント事業が、安全技術の進展に伴い需要がますます高まっております」との狙いを述べた。

自動車事故対策機構 理事長の濱隆司氏

 一方、自動車事故対策機構 理事長の濱隆司氏からは「自動車アセスメントは時代の要請に応じて、平成7年(1995年)の評価開始以来、25年の間に評価内容の充実などを実施できました。26年目となります2020年度の結果からは、予防安全性能や衝突安全性能などを総合的に評価し、より分かりやすく自動車安全性能として初めて公表いたします。そして、本日の発表会ではこの総合評価による初のファイブスター大賞の発表もございます。これからおクルマを購入しようとされる方々が自動車アセスメントの結果をぜひ見ていただき、より安全なクルマを選択されることを期待しております」と、2020年度の自動車アセスメント事業における新たな取り組みついて述べた。

 加えて、近年普及が進む運転支援機能について、濱氏からは「自動車に搭載されている予防安全装置はあくまでも運転者を補助する装置であり、万能ではありません。運転者の皆さまにはクルマに頼った運転はせず、自らの手で安全運転を心がけていただけますようこの場をお借りしてお願い申し上げます」と呼びかけた。

自動車アセスメントの概要