ホンダ、東京モーターショーに「スモールスポーツ EVコンセプト」出展
プラグインハイブリッド車「AC-X」や電動シティコミューターをワールドプレミア

EVスポーツ「スモールスポーツ EVコンセプト」

2011年11月10日発表



会場には12月に発売予定の新型軽乗用車「N BOX(エヌ ボックス)」も展示される

 本田技研工業は11月10日、「第42回東京モーターショー」(一般公開日:12月3日~11日)の出展概要を発表した。

 今回の東京モーターショーでは、「にんげんの気持ちいいってなんだろう」をコンセプトに掲げ、同社が描く未来のモビリティライフを提案する。4輪車では次世代プラグインハイブリッド車の「AC-X」、電動シティコミューター「MICRO COMMUTER CONCEPT」、次世代EVスポーツモデル「スモールスポーツ EVコンセプト(仮称)」をワールドプレミア。

 さらに、市販予定モデルとして12月に発売予定の新型軽乗用車「N BOX(エヌ ボックス)」や「フィット EV」「CR-V」を、市販モデルとして「FCXクラリティ」「フィット ハイブリッド/フィットシャトル ハイブリッド」など10車種を展示する。

 そのほか、2輪車および汎用製品としてコンパクトEVコミューター「MOTOR COMPO」や、3輪スクーターにEVシステムを搭載した「E-CANOPY」、250ccクラスのコンパクトな車体のスポーツバイクをEV化した「RC-E」などを出展する。

MOTOR COMPOE-CANOPYRC-E

AC-X
 市街地走行から長距離移動まで、より快適な移動時間を楽しめるという次世代プラグインハイブリッドの「AC-X」。アドバンスド・クルーザー・エクスペリエンスを語源とする。95kWを発生する1.6リッターエンジンと、120kWを発生するモーターを組み合わせる。

AC-X

 エクステリアデザインは、力強い加速性能を見せるエンジンと、EVならではのスムーズで静かな走りの対比と融合を、躍動感のあるボディー上部と、安定感のあるボディー下部の2つの塊で表現。

 このAC-Xでの最大の特徴は高速道路での自動運転機能。高速走行時はフロントバンパーが可動し、デイライトを強調したフロントフェイスの表情の変化で周囲に自動運転中であることをアピールする。このアピールは、ボディーサイドのキャラクターラインに沿ったLEDが発光することでも行われる。

 また、フロントバンパー、サイドスカート、リアディフューザーが同時に可動する先進空力デバイスが備わり、高速走行時に安定感を高めることが可能。さらにタイヤには無回転のホイールディフューザーを採用し、風の巻き込みを抑えるといった施策により、Cd値0.21という高い空力性能を実現した。

 インテリアはスポーティなコクピットと、乗員を優しく包み込むフローティングパッドによる爽快な居住空間という、相反する2つの要素がテーマになっている。ステアリングはツインレバータイプで、自動運転モードをセレクトするとインストルメントパネルに格納され、さらにドライバーズシートはリクライニングするとともにオットマンが出現し、くつろぎ空間を提供する。

 AC-XのEV最高速度は100km/h、最大航続距離は1000km以上。EV航続距離は50kmとなっている。ボディーサイズは4700×1820×1400mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2750mm。

MICRO COMMUTER CONCEPT
 「モビリティを着るような感覚で、移動を楽しむ。未来都市型ケータイ・パワースーツ」をコンセプトとする。

MICRO COMMUTER CONCEPT

 エクステリアでの特徴はカバーリングされたフェンダーデザインで、フットワークのよい走りを予感させる。また、ヘッドランプとマルチプロジェクション・ディスプレイを表裏一体とし、エクステリアとインテリアを機能でリンクさせた。さらに携帯電話をカスタムするように、フロント、サイド、リアの柄入りシートを交換することができる。

 バッテリーやパワーコントロールユニットをリアスペースに集約し、さらにタイヤを四隅にレイアウトすることで、同社が掲げるメカニズムを最小限に納め、室内を広くするコンセプト「M・M(マンマキシマム・メカミニマム)」の思想を徹底的に追求した。

 さらに2500×1250×1430mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース1860mmのボディーサイズに低床フラットフロアを組み合わせ、1+2のシートレイアウトとすることで、自転車感覚で操作できるコンパクトなボディーに快適に乗車できる空間を作り出した。着座人数は大人1名+12歳未満の子ども2名、または大人2名乗車を想定する。

 バッテリーはリチウムイオン(3.3kWh)を搭載し、最高速度は60km/h以上、0-60km/h加速は7.4秒、最大航続距離は約60kmとしている。

スモールスポーツ EVコンセプト(仮称)
 次世代EVスポーツモデルに位置づけられる「スモールスポーツ EVコンセプト(仮称)」は、オープンタイプのボディー形状を採用。スタイリングのテーマは「アドバンスド・エキサイトメント」とし、EVならではのクリーンな先進感と、モビリティとしての不変的な魅力であるスピード感を同時に表現した。

 理想的な前後重量バランスをベースに、足まわりを強調したボディーデザインが高いスポーツ性能を予感させている。フロントデザインはフードからウインドーまでワンモーションでつながるモノフォルム形状とするとともに、精悍なフロントマスクがダイナミックなフェンダー形状を貫いてスポーティさを強調している。

 現時点で実車の写真はなく、詳細も明らかになっていない。モーターショー当日を心待ちにしたいモデルだ。

(編集部:小林 隆)
2011年 11月 10日